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その言葉に、私は嘘をつかなかった
『もう決めたことだよ。私は兵士になる。絶対に。』
その時、確かにアルミンは目をそらした
そしてその苦そうな顔に目を見張った
『どうして…そんな顔するの』
数秒黙って、言いにくそうに口籠りながらアルミンは答える
「エレン達程じゃないけど、それでも何年も一緒にいたから分かる。君は人の為に頑張れる人だ。だから、命をかける理由も人を守る為なんじゃないかって」
意外性のある発言だったが
“それの何が悪いの”とは、
流石に言えなかった
だって、アルミンが今にも泣きそうな顔をしてるんだもん
『アルミンは、あたしを止める?』
その言葉に、膝を抱える手に力が入る
微かに震えを出すアルミンは絞り出すように声を出した
「……僕は…君が苦しくないなら良いんだ。これ以上何かに打ちのめされないような…」
『…』
あぁ、やっぱり優しかった
『優しいね、アルミン。ありがとう。だけど私は皆の分まで私がやらなきゃいけないの。生き残ったヘリスなんだから。…いや。正直に言うと、心から思えるのはまだずっと先だと思う。それでも私はこの気持ちを忘れたくない』
「そっか。本気なんだね。なら僕には君を止められない。他人事かもしれないけど、頑張って」
会話に一段落ついたことで、一気に力が抜ける感覚がした
それでも、私を応援してくれるアルミンの言葉に
私の意志はより固められた
私が皆の”ヘリス”になる
後悔するだけじゃ何も出来ない
何も変わらない
なら、進むしかない
私が決意を固めた日
アルミンはこう話した
「君はあの日、いなかったから分からないよね。ねぇ。”海”って知ってる?」
「僕達人類じゃ持ちきれない程の塩水があるんだって。本当だよ。嘘じゃない。」
「君もいつか、一緒に海を見に行こう」
「約束だよ。」