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※ホロの短編小説4話で書いた『君の結婚式には行けなかった』の続きみたいなやつです。
なので、『君の結婚式には行けなかった』をまだ、読んでない方はそちらを先に見ることをオススメします。
『君の事を想っていた』
「あれ、スバル?」
「ん…?ミオしゃじゃん!」
「久しぶり〜笑」
「え、そんな会ってなかったっけ?」
「うちが、おかゆんの結婚式の話をスバルにして以来じゃない?」
「ああ、あれか〜。確かに、めっちゃ前じゃん笑」
「そうだね…」
「久しぶりだし、2人で話す?」
「うん」
テキトーに選んだカフェへ、ミオしゃと入店する。
「うちは、カフェオレで」
「えっと…あたしは、メロンソーダで!!」
「かしこまりました。」
注文を済まし、注文したものが届くのを待っていると…
「あのさ…」
「ん、?」
「なんで、おかゆんの結婚式来なかったの?」
「…えっと、その日は他に予定があってさ!」
「友達の結婚式よりも大事な用事って何?」
「…ミオしゃなら、わかるだろ。」
「わかんないよ、」
「…」
「失礼します、こちらカフェオレとメロンソーダです。」
「あ、ありがとうございます…💦」
「…ありがとうございます、」
「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
「…はい、大丈夫です!」
「では、ごゆっくり…」
店員に会話を止められ、お互い気まずくなる。
コップに刺してあるストローで、メロンソーダとこの気まずい空気も一緒に飲み込む。
「…後悔してないの?」
「何が?」
「おかゆんが、他の人と結婚しちゃったの。」
「…別に、」
「好きだったんでしょ?」
「違うよ、あたしは好きじゃなかった。」
「なんで、嘘なんかつくの?」
「…嘘じゃないよ」
「…じゃあ、なんで泣いてるの?」
「え…?」
自分の目から落ちた色のないしずく
どんどん、視界がぼやけて目が涙でいっぱいになる。
もう、未練なんてない。
それだけは、ハッキリ言える。
…だけど
「好きすぎたんだと思う…」
「え?」
「おかゆが、あたしの初恋だった。」
「両思いだったのを知った時、嬉しかったんだ…」
「でも、恥ずかしくて…同性同士が恋人になるとかおかしいって思われるのが怖くて…」
「気持ち悪いとかって、おかゆを拒んじゃったんだよ…」
「たくさん、傷つけたのに…」
「あいつが、他のやつと結婚するのは嫌で…」
「本当は、30歳になるのが待ち遠しかった…」
「おかゆは、冗談半分で言ったかもしれないけど…」
「あたしは、それに甘えてたんだ…」
「あと、_年経てば…」
「そうやって、ひたすら自分は待ってただけなのに…」
「あいつが必ず、来てくれるわけないのに…」
「期待ばっかして、あいつが他の奴と結ばれるのが受け入れられなかった。」
気がついたら、全部話していた。
心のどこかにしまっていたものを全部吐き出した。
自分でも驚くほど、たくさんのことを言っていた。
これほど、自分が”あいつ”のことを想っていたと思うとさらに胸が痛くなる。
「そっか…」
「スバルは、おかゆんの事ちゃんと好きだったんだね。」
「…もう、遅いけどな。」
「…」
「じゃあ、またなミオしゃ」
「うん」
「あ、それと今日はありがと。」
「え?」
「なんか、色々吐き出せてよかったわ!」
「…うん」
「じゃあ、またね〜!」
あんなに泣いていたスバルが、無邪気な笑顔で手を振る。
「うん、またね。」
うちもまた、手を振り返す。
夕焼けの空を眺めながら、うちの横にいる紫髪で猫耳の生えた女の子と一緒に歩いている。
「どうだった?」
「…スバルちゃんの想ってること聞けてよかったよ、笑」
「そっか、」
「ごめんね、ミオちゃんにこんな事頼んで…💦」
「ううん、全然大丈夫だよ。」
うちは、スバルとの共通の友人であるおかゆんからある頼み事をされていた…
『スバルちゃんが僕の事をどう想っていたか知りたい。』
その頼みをうちは二つ返事でOKし、スバルと偶然を装い接触し、スバルの気持ちを聞き出した。
スバルとの会話は、おかゆんにも聞こえるようにスマホを通話状態にして聞かせていた。
「ところで、ころねと最近どう?」
「上手くいってるよ。でも…」
「でも、?」
「でも、スバルちゃんと一緒にいる未来はどうなってたんだろうって時々考えちゃうんだ…。」
「…そっか」
「いつか、忘れられるかな…?」
「ううん、それは無理だと思うよ。」
「…そうだよね〜、」
「うん」
「でも、今の僕はもうあの”約束”なんかに頼らないから。」
「そうだね…今はころねのことだけ考えればいいと思うよ。」
「うん、そうするよ。」
と、ミオちゃんへはああ言いつつも…
『やっぱ、忘れられないな〜』
『ん、何が?』
『初めて好きになった人とか、初めて付き合った人とかって印象に残らない?』
『スバルは、好きになったことないからわかんねぇーよ。』
『ま、そうだよね〜。』
『煽ってる?』
『違う違う、そういうのじゃないよ〜笑』
『僕、初恋の人がずっと忘れられないんだ〜。』
『へー』
『興味無さすぎない?』
『興味無いもん』
『えー、酷い〜』
『…はあ、』
『あ、てかさ…!』
『ん、なんだよ…?』
『もしも、お互い30まで独身だったら僕たち結婚しようよ_』
「…はあはあ、」
布団から飛び起き、目を覚ましてしまう…
また、言ってしまった。
夢の中の君に…
ここ、最近ずっとそうだ。
(なんで、僕あんな事スバルちゃんに言ったんだろ…)
「あんな事、言わなければ今頃お互いが傷つくこと無かったのにな…」
『30にならないとダメか?』
そう、夢の中だと分かりつつもスバルは”あの日”とは違う返答をする。
『え?』
帰ってきた返答が予想外なのか、何故かおかゆは酷く取り乱していた。
『あたしは、おかゆのことが好きだ。』
“今度は、ちゃんと伝えるんだ…”
だけど、あいつから帰ってきた答えは…
『…僕も好きだったよ。』
『…え、?』
何故か、過去形だった…
𝐄𝐍𝐃_
コメント
3件
なんか、絶対に報われないのが好き。 現在、ホロの短編小説のみですが…【✨リクエスト募集中✨】 コメントに書いて欲しいカプとどういうシュチュがいいかを書いて頂ければ出来次第投稿させていただきます!! シュチュは、別に書かなくても大丈夫ですが… タヒネタなどが苦手な方はそれを言って貰えると助かります💦 🔞は❌