望む世界.
主人公 橙
午前6時4分__。
気づいたら、
家を
抜け出していた。
別に
何もないけど、
遠いところへ
行きたかった。
誰もいない
静かなところへ
行きたかった。
食事も
家族も
友達も
勉強も
毎日
変わらない。
そんなつまらない
人生に
飽きたのかも
しれない。
このつまらない
人生を
終わらせたいのかも
しれない。
きっと、今
俺のことを
止められる人は
いないだろう。
今日の
午前中は、
晴れているが、
昼過ぎには、
ゲリラ豪雨
がくるらしい。
まあ、
そんな季節だし、
俺は、
ゲリラ豪雨
がきても、
家に帰る気は
一切ない。
俺の所持品は、
スマホと
財布
それだけ。
さぁ、
どこまでいけるか。
いつまで生きられるか。
楽しみだよ。
どれほど
歩いただろうか。
見たことのない
風景に
興奮して
胸が高鳴った。
歩いている
道の前に
海があるのが見えた。
走った。
砂浜は
きらきら
光っていて、
俺よりも、
存在価値が
ありそうだ、
なんて考えながら、
近くにあった、
大きな石に
腰掛ける。
ザーザー
という波の音。
心地いい。
その波に
引き寄せられるかのように
海へ
足を入れた。
冷たい水は、
すぐに
俺の足を呑んだ。
そのまま
まるで、
俺も
海の水
になったみたいに、
肩まで浸かった。
このまま進めば、
死ねる。
なんて思って、
ただ
海をさまよった。
雨が降ってきた。
これがゲリラ豪雨かも。
結構土砂降りだ。
そんな中、
俺は
ぷかぷか
浮かんでいた。
天国にいるみたい。
あぁ
俺は死ぬことしか
考えられてない
それならもう、
死んでやろう。
ジャパジャパバシャ
海の底まで
潜った。
こう言う時に、
運動神経が
役に立つんだな。
息ができない感覚。
何も見えない感覚。
静寂に包まれる感覚。
これが
俺の
望んでいた
世界だ。
あぁ
おれ
しぬ
これ
やば
むり
おれ
よく
がんばった
よく
がまんした
おつかれさま
おれ
らいせでは
しあわせに
なれますように
みんな
だいすき
ありがとう
午後7時28分__。
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