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◇◇◇◇◇
レキたちはハデルに再会することなく、ひたすら北上していた。
マリスとヤヌリスの貴族魔人が2人になったことも大きいが、魔人は睡眠を必要としないため、昼夜問わずにひたすら飛び続けることでかなりのアドバンテージがある。
とはいえ、まだブリトーン王国を抜けてはいないので、油断は禁物ではあるが……。
◇◇◇◇◇
一方、リオたちは瞬間転移で聖なる樹海の中央に位置する世界樹の前に来ていた。
リオ:「ハネルラさん。これが世界樹ですか?」
ハネルラ:「はい、そうですよ。この世界はナスヴィー様が植えたこの世界樹から始まっています。
そして、逆にこの世界樹が失われるとこの世界はなくなります。
それ故に人間たちが近づけないように、その周りには聖なる樹海が広がっているのです。
もちろん、人間族だけでなく、魔族と呼ばれる魔人もその対象に入ってますね。
なので、リオたちは特別です。
ナスヴィー様の加護をお持ちの方とその従者のみがここに来ることを許されています。」
リオ:「はい、ありがとうございます。
それで試練というのは、どうすればいいのでしょうか?」
ハネルラ:「はい、お呼びしますので、お待ちくださいね。」
ハネルラさんは、世界樹に向かって跪き、何か呟き始めた。
すると、どこからともなく3人の女性の方がこちらに向かって歩いてきた。
この人たちはどこから来たんだろう?
ハネルラ:「リオ。こちらがエルフの長老のシルフィです。
その隣にいるのがミスティとカルティです。
ここのいるエルフたちは、世界樹の守り人として世界の創世記からここで世界樹を管理している種族ですよ。」
シルフィさんもその隣の2人も、すごく綺麗なお姉さんって感じ。長老という表現に違和感しかないんだけど。
シルフィ:「シルフィと申します。
ここで守り人の長老をしています。
リオとその従者の方たちですね。
よくお越しくださいました。
ナスヴィー様より話は伺っています。
では、早速ですが、ここでの試練についてご説明いたしましょうか。」
女神:『ちょっと待った!
リオ!元気?』
シルフィ:「へ?ナスヴィー様?」
突然、ナスヴィー様が会話にねじ込んできたので、シルフィさんたちの方が驚いてるよ。
シルフィ:「ナスヴィー様!どうしたんですか?」
女神:『シルフィ。堅いなぁ!
うん、そうだね。リオはちょっと特別なのよ。簡単に言うと私のお気に入りって感じ?
まあ、今回は私から直々に説明するからちょっと黙っててくれるかな?』
シルフィ:「は、はい。おっしゃる通りにいたしますが、お気に入りって……。」
女神:『小さいことは気にすんな!ってこと。
でね、リオ!』
リオ:「はい、お久しぶりです。」
女神:『うん、久しぶり!
試練の前にね。リオには知っておいて欲しいことがあるのよ。
今から約300年前に遡る出来事をね。
エルフ族は実際には経験してる者も結構いるけど、今いる人間族は生まれてないからね。』
リオ:「それを僕が知っておいた方がいいんですか?」
女神:『そうだね。今の現状が当時と似ているという感じかな。』
それを聞いてシルフィさんたちが驚いた様子を見せる。
シルフィ:「ナスヴィー様!まさか!その……。」
女神:『シルフィにはわかるよね。
まあ、まだ可能性があるとしか言えないんだけど、たぶんあの破壊神が動き出す条件が存在してるんだよね。』
よくわからないが、シルフィさんの顔を見るとそんなに良くないことのような気がする。
女神:『だから、リオを1日借りるね。
終わったら、返すから。』
リオ:「ナスヴィー様。僕だけですか?」
女神:『うん。そう。リオだけ。』
リオ:「リンドウたちは?」
女神:『あ、ここ広いからリオの豪邸出せばいいんじゃない?
そこで待っててもらってくれる?
1日だけだから。
そしたら、試練に移るから。ね?』
リオ:「はい、わかりました。
リンドウたちはここで待っててくれる?
食事も一緒に出しとくから。」
リンドウ:「わかったわ。」
カゲロウ:「了解や。待っといたるわ。」
リオは、世界樹の前に豪邸をカード召喚。
そして、中に入ってダイニングにリンドウたちの食事と飲料とゼータたちのエサを出しておいた。
食事はエルフさんたちの分も出しておいた。
リンドウたちと事前に話をしておくらしい。
女神:『リオ。準備できたな!それじゃ行くよ。』
リオ:「はい、お願いします!」
◇◇◇◇◇
リオは白い部屋にいた。
人生で2回目の白い部屋に。
目の前にはナスヴィー様がいる。
人生で2回目のナスヴィー様が。
こう見ると、さっきまで会っていたエルフ族のシルフィさんや上位精霊のハネルラさんの方が女神様の感じがするんだけど……。
女神:「リオ。久しぶりに会ったのに、すごく失礼なことを考えてるな!」
リオ:「あ、すいません。わかっちゃいますか?」
女神:「当たり前だよね。
こっちはものすごく長〜い間ね、女神様やってるからね。しかも!創造神なのだよ!
この容姿は親しみやすくするためにあえてそうしてるのだよ!わかる?」
リオ:「はい、すいません……。」
女神:「まあ、いっか。
じゃあ、頭の中に当時の再現フィルムをダイジェストで流すから、それを見てくれる?」
うわ!頭の中に映像が!
約300年前の歴史的事実が。
これを1日かけて見るのか!
高速思考スキル持っといて良かった。
◇◇◇◇◇