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主人公 あっと(中三)
秋の葉とそそやかな風
眩しい夕日の下で優雅に歩く
ふと視線が感じ振り向くと、そこには1人の美少年が座り込んでいた
小さく手を振られ、振り返す
「こんにちは、
こんなところで何を?」
彼はうちの制服を着ていた
「ちょっと、ね」
でも、見掛けたことはない
多分後輩だろう
「誰かを待っている、とか?」
「あっはは、よく分かりましたね」
彼は小さく微笑み、立ち上がる
「俺、ちぐさ、君は?」
「俺はあっと」
「あっと、くん、俺は、」
ちぐさは、ちぐは、何かを言いかけたがやめたように口を閉じた
「あっとくんは、なんでここに?」
「俺は…」
なぜだろう
思い出せない
「あぁ、ごめん、分かんないよね、」
ちぐは、俺のことを分かっているかのように謝った
「謝ることないよ、それより、さっき誰かを待ってるって、 」
「あぁ、あの子ね、来る訳ないよ」
「え、?」
「もう、引っ越しちゃった」
「…それなら、それなら会いにいけばいいよ」
「…え?」
「来ないなら、会いに行けばいいんだよ」
自分には関係ないはずなのに、なぜか自分に必要な気がする
「…それが、それが出来たらいいんだけどね」
そう言ったちぐの頬には涙がつたっていた
俺はちぐの言った言葉の意味が理解出来ず、その場に立ち尽くす
<ちぐ!
どこかから声が聞こえて目を向ける
「あ…来た…」
ちぐは呆然としながらその子の方を見る
<ちぐ、ごめん、僕ね、ちぐが病気で死んじゃったって知ってね、涙が止まらなかったの、それなのに、遅れちゃってごめんね
彼は目に大粒の涙をうかべながら語る
「行かないの?」
「うん、けちゃは、俺がいない方がいいよ、俺が甘え過ぎちゃう」
<ちぐ、今まで、ありがとう、また、いつか必ず会おう
微笑みながら彼はその場を立ち去る
ちぐは、その背後を見つめながら涙を我慢している
「またね、けちゃ」
俺はやっと気がついた、ちぐはあっち側の人間なんだ
「あっとくん、君と、けちゃのお陰で行けそうだよ、ありがとう 」
「いいえ」
「あっとくんも”本当の自分”に気づくといいね」
『本当の自分?』
(そういえば、けちゃっていう人は、俺に気がついて無かったな)
「また、”後で”」
ちぐはそう言い姿を消した
そっか俺1ヶ月前に事故で死んでたんだ
「また、後で」
空へそう言葉を放つ