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「あ、なんか近いな。」
第2話:『近いな、なんやこれ。』
放課後の教室、光輝と二人きりの時。
俺はいつも通り机に向かってノートを広げた。
「ふっ、気づいてへんな…」
「え?」
「お、気づいた! 」
「おい、またやん!落書きすんなや。」
光輝は隣の椅子を取り、こっちに寄せた。
「お隣邪魔すんでー!」
「ああ、ええよ…」
光輝がノートを覗き込む。
光輝との距離が近くなった。
「お前字綺麗やなぁ。」
「そうか?」
「うん。」
光輝はあくびをし、寄りかかってきた。
「眠なってきた、」
俺はノートを閉じようとした。
「じゃあ帰るか?」
「ほな、肩借りるなー… 」
「は、ちょ…」
光輝は俺の肩で少しだけ寝た。
その時間が少し特別や思った。
「おい、起きろや。」
「ん、なんやぁ…」
「なんやじゃないわボケ、帰るぞ。 」
「ちょ待ってよぉ…」
俺はため息を着きながら光輝を立たせた。
「ほら、立てるか?」
「うん、」
「はよ帰るぞ。」
俺と光輝は校門を抜けた。
正直肩に頭置かれてる時、「こいつ、俺おらんとダメなんちゃうの。」 って思った。
「樹ー、」
「何よ。」
「並んで歩こや…」
光輝は眠い目で言った。
俺は渋々許可をした。
「分かったけど、お前眠すぎちゃう?」
俺はまたため息をついて、光輝の手を握った。
「お、あったかいな。」
「お前眠すぎて倒れる思って心配するわ。」
「俺はそんななんないし。 」
光輝は顔を少しムッとさせた。
俺は笑った。
「何笑ってん!」
「ごめんごめん、なんかおもろくて。 」
「まあええけど、樹の笑顔好きやし。」
光輝の言った言葉にもっと俺は笑顔になった。
「なんやそれ、」
「また笑った!」
俺と光輝で笑いながら帰った帰り道。
この時間が続けばいいなって思った。