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「此処か、言ってた森つーのは」「ああ、そのようだな…しかしそうなると心配だ」メリオダスが森をそっと眺めてる中、ゴウセルは一方でリーシアに対しての心配の方が勝り、そうぼやいた。「だな。もし此処が本当に魔神族が存在する森ってんなら、魔神族の魔力自体をリーシアが吸収して最悪の場合、リーシアを蝕む呪いが急激に増してか侵蝕が進む可能性もあるしな」メリオダスはそう言い、彼女の様子を気にしながら森に足を進める。
「此処‥…何だか…気味悪い……、……苦しい」リーシアは異様な雰囲気に怯え、しかも更には苦しいとまで訴え出した。という事は……つまり、「やっぱ反応してるな、魔神族の魔力の溜まり場ってだけあってそもそもが魔神族のリーシアにとっては敏感になりやすい条件が揃ってる環境だもんな、魔力エネルギーを吸収してしまわないかが、唯一心配な事だな」とメリオダスはそれを懸念する。「そうだね、リーシア‥この森に入る直前までは苦しいとかそんな苦痛を訴えたりなんて全然してなかったもん、だからあまり……此処には長居しない方が良いんじゃないかな‥‥呪いがまた更に進んじゃわないように」ディアンヌも同じ懸念点を心配する。
出会ったあの頃から彼女に眠る魔神族の呪いというのはずっと、弱まるどころか、強くなっていくばかりで、彼女の心さえも、段々と不安定になっていって居て魔神族の呪いが、何らかの条件で力を蓄えている‥?そう思ってしまう程に呪いは、彼女の心にまでにも、侵蝕を着実に‥。
「ああ、心を落ち着かせられる存在がすぐ傍にいるとはいえ、彼女の心に眠る魔神が力をつけ、それ故に呪いの力が強まるのは間違いないだろう、此処に居るかもしれないあの連中を見つけて、奪われたあの制御石を奪還、今はそれをいかに迅速にこなせるかが…彼女の運命を握っていると言っても過言ではないだろう」
そうマーリンは告げた。
「ああ、だな。リーシアの呪いがこれ以上強まるのを阻止する為にも、とにかく進んでみるしかないな‥!」
こうして、彼女の……リーシアの呪いをと抑制する為のあの宝石の在処を探るべく、森林の奥深くを少しずつ進んでいき、その間彼女に纏わりつく息苦しさは悪循環で巡り回り‥表れ‥。
「はあ…はあ……苦しい……い、痛いっ‥!」彼女はまた魔神族の魔力エネルギーを吸収してしまい、更に痛みに対して敏感に感じ取り、蹲った。
まだ、魔神族を崇拝していると思われるあの者らのアジトすらも何処なのか分かってないし、それに更に一つの不安を挙げるとするなら、魔神族の血縁者にこのテリトリーに入った事による襲撃、という事と前回のようにリオネス王国からの追っ手の存在……とまあ、不安の数は数え切れないくらいあるけど、何にしてもあの宝石を取り返せないと、この先彼女を蝕む呪いの力が余計に強くなって、あっという間に身も心も徐々に、着実に魔神族の‥漆黒の闇に侵され、彼女は…何時しか魔神族の手に堕ちてしまう。
「何だか…此処、ずっと胸がざわざわする…」
「誰も近寄ろうとしないって言ってた理由が、何だか今なら…分かる気がする、私 達でも…何だか凄く気味が悪い‥感じがずっと……」
エリザベスとディアンヌは異様な雰囲気と、不気味に漂う魔力の気配に圧倒されて、怯むようになった。怯んで歩みは思うように進めずに居る。 また、奥地へ歩みを進めて‥すると、何処からか…、「ふふっ、侵入者‥‥発見、…誰かと思ったら、まさかこんなところでお会いするなんて」と森に広がる樹木の樹上から見下ろすように、リーシア達を見つめている。
「だ、誰……?、貴女は……?」リーシアは樹木から見下ろしてくるその少女をじっと眺める。見知らぬ少女、何やら見た事のない模様が…、『七つの大罪』の団員らに入ってるような紋章とはまた何処か印象が違う…悪魔‥?いや、魔獣のような紋章が刻印されていた。
「何れは思い出す時がくる…全ての運命が堕ちた時、それが我々が目指している先の未来…とだけ、貴女は此方側へ帰ってくる」
その少女は自らの正体については全く述べず、リーシアに向けての言葉を投げかけただけ。一体どういうつもりなのか、「あ、貴女に気を取られ過ぎてたけど、我々にとって重要な欠片『ピース』まで、この場に揃ってるなんて、ふふ‥、早くお目にかかれて光栄ね」
その少女が次に目線を向けたのは、ゴウセルだった。
「どういう事だ‥?」メリオダスはそう謎の少女に、言うが…「貴女達には話す義理なんてないの…私達のテリトリーに入ったのは黙っておいてあげるけど、あまり詮索はしない事ね、特にそこのお二人さん、貴女達二人は我々の計画にとって重要な要となる、だから今はまだ特別に見逃してあげる、ふふっ 」
不敵な微笑を浮かべながら、スッと茂みの中に戻っていった。「彼女は一体……それに最後の欠片って、まさか…!」
最後の重要な欠片…それに該当する可能性のある人物というのは、「ああ、間違いない。ゴウセルの事を指している可能性が大いにあるな、あの洞窟での襲撃の事を踏まえると……それにこの森に居る奴らに伝わってるとなると、あの紋章……」メリオダスは何か考え込む。「魔神族一族の騎士団がこの森に存在する…という事だな」
「ああ」
どうやら、此処に来る前に一人の街に住む住民から得た情報の中にあった、魔神族の縁者、一族がこの地を住処にしているという話は本当だったらしい。「じゃ、じゃあ、この森の深い位置の場所にリーシアの呪いの力を制御出来るあの宝石が…」
「そうなると、何処かに隠して有りそうだ、他の連中に見つかってしまう前に何処に持って行かれたか、探そう」マーリンはそう提案し、それにこの森に足を踏み入れてから、彼女‥‥リーシアは苦痛を訴え出した、その事もあり、あまりこの場所には長時間滞在しない方が賢明な判断と言える。
「っ……!!、痛い……痛い…あ……ああっ!!煩い……入って…来ないで‥!」リーシアは悶絶する事と共に、リーシアのみに聴こえている‥謎の声…まあ考えられるとしたら、魔神が彼女を支配しようと……闇へ陥れようとしている、という事だろうか、それ以外の見当がつかないから、単に言える事がこれくらいしかないから、この可能性が真かどうかは分からないが‥…。
「リ、リーシア!!?、大丈夫…!!?」ディアンヌはリーシアに寄り添って声をかける。リーシアはまた魔神族の魔力エネルギーを吸収してしまって、更に侵蝕の力が増し、激化した痛みと彼女を闇へ誘う為の洗脳のような声に抗い、必死に平常心に保とうと苦しみに悶えながらも耐える。
「…………呪いの力が強まってるようだな、この状態だと…心が完全に支配されるのも…時間の問題かもしれない」
ゴウセルは彼女を神妙な面持ちで、そっと傍にディアンヌと共に、寄り添う。
「このままでは、あの宝石奪還まで持つかどうか、怪しいな。まさか、此処まで深刻な状態に陥ってしまうとは…まだ大丈夫そうか…?」マーリンは彼女の傍で静かに寄り添っている彼に質問する。
すると、ゴウセルは彼女の様子を少し伺って何かを察した様子で、相槌を拒む。
「……その様子では、かなり困難で奪還を急いだ方が良い…という事か」マーリンは一人でに解決し、「そうと決まれば、先を急ぐぞ。奴ら居場所を突き止めて、さっさと早いとこあの宝石を取り返して侵蝕を一時的でも止める為にもな」メリオダスがそう言うと、ディアンヌを含めた団員全員がやる気十分のようで、頷いた。
「でもさっきのあの少女が仮に門番的な役割だったと考えるとするなら、此処から先は余計に魔神族の騎士団や魔神族の血を引き継いだ血縁者が黙ってないんじゃない?」キングはそう、ふと突然の襲撃をくらう可能性が指摘する。
彼女の制御石を奪還すべく、先へ進む。「…………」彼女は不安になってまた下を向く。それに…彼女を襲う呪いによる痛みさえも、「あ…ああ…い、痛い…!はあ……はあ…」彼女は再び悶絶し、呪いの血印の痣も、段々と濃く浮き上がり…「呪いの侵蝕が中々大人しくならないようだね、早くあの石を取り返さないと…彼女の心があっという間に支配されてしまいそうだね」キングはやや焦りながら、彼女の、呪いに侵されてく様子を見つめながらそう察する。
「魔神族の血縁者が集う、まさに魔神族の住処…その影響か…魔神族の魔力エネルギーを吸収している……だからこそ余計に彼女にとっては地獄のような痛みを永遠と与えられてしまう…なんと残酷な」マーリンは彼女が魔神族によって創造された存在であるが故に相性が必然的にあってしまう‥そんな現状を知る。
「……っ!!、ああっ……ああ‥!!」
彼女を支配する痛みはただ、ただ…強くなっていくだけ。彼女を苦しめ、蝕む力は限界底知れない現状、魔神族にとって縁があって、聖地同然の場所。だからある意味で、魔神族から創造された彼女は元の場所へ、本来帰るべき場所へ…その見返りなのか、歓迎なのか……此処に足を踏み入れてから、彼女を襲う痛みはこれまでを遥かに上回る程に凌駕し、侵蝕度は初期の痛みとは…もう比べ物にならないぐらいに成り果て…「リーシア…!?、だ、団長…どうしよう、このままじゃ……リーシアが‥!! 」
急激な事態に、最初は何とか混乱せずにはならず、リーシアに寄り添って支えていたディアンヌを筆頭に明らかな異常事態である事を大罪メンバーや、エリザベス、ホーク全員が感じ取り、ゆっくり足を進めている場合ではなくなり、先をとにかく急ぐ。
とは言っても、これまた困った事態に一度侵蝕が始まってからというもの、これまでは一定時間、痛みを耐えれば、その後は次第に痛みが弱まっていったのだけど、今は違い、今は寧ろ蝕む呪いの侵蝕‥支配力と痛み共に強まっており、しかもそれは止まる事なく凶悪化していくばかり。
「こりゃー、益々長居するのは危ない状況になってきたな、あの石を取り返すまで……何とか持ち堪えられそうか…?」メリオダスはリーシアにそっと今の痛みの具合を尋ねてみる事に。
これに対して、リーシアは痛みと闘いながら、「はあ‥…はあ…、っ!!、……大丈夫……奪われた…あの石は…取り返さないと…それに……こんな……痛みくらい…… 」
リーシアは絶え間なく襲ってくる痛みに何とか耐えつつ、そう答えるが、けど呪いによる痛みが強まっているのは否定しようのない事実であり…、
「リーシア……」ディアンヌは不安な様子で、彼女を見つめる。リーシアを信じて、気にかけつつ…あの石奪還する為に引き続き、足を進めるが、……と此処で突然、何やら禍々しい霧が立ち込めてきて、目の前の視界を邪魔する。
「急に霧が……これも魔神族の……仕業…?」エリザベスはキョロキョロする。「多恐らくな、よっぽど深入りして欲しくないって事だろ、けど俺たちは目的の為にも進まなくちゃならねえーからな、行くぞ」メリオダスは意思を曲げることなく、真っ直ぐに進みを続ける……
と、また、「侵入者、発見…情報は流れてるからとっくに知ってるよ、【七つの大罪】」とまた見知らぬ者が上から見下ろしていた。
その少女はまるで、メリオダス達を見下すように…「魔神族の紋章‥という事は君も一度俺たちの前に現れたあの少女同様に、魔神族が持つ騎士団の一員だな?」ゴウセルはすぐさま、同族だと気づき、そう質問を投げた。
「ああ、そうだよ。ふふっ…、まさか我々の野望の核を担う存在の人にバレるなんて、何だか光栄な気分だ、ははっ…!それより……貴女様にもお目にかかれるなんて、魔神族の血輪の糸に導かれたのでしょうか、これぞまさに……運命」
「貴女まで……一体私がなんなの?そんな誰かに敬われる程の存在なんかじゃない、私は……呪われた穢れ者……」
「いえ、貴女は我々魔神族にとっては決して消えてはならない…大切なお方なのです、ああ…その本当に眠っている自身の記憶には鍵を施してありましたね、だから思い出せないのでしょう、本当の…全てのベールが剥がれた先にある自身の姿さえ、忘れている‥まあ、それも時が来て封印が解かれた時……その願いは叶う事でしょう」
とその少女は告げた。
「それと……貴女達が態々この地へ足を踏み入れた目的は……これでしょ‥?」その少女は手に密かに隠し持っていた、とある石を見せびらかすように見せ、そしてそれを…
バリンッ!!。その石を握り潰して破壊した。
「!!!、それ……は、…………いや……」
「貴女にこんな物は必要ありません、貴女は魔神族に創造されし、正真正銘魔神族の一族なのですから、我々がお仕えする主人に値するお方…、これはそれを邪魔する、更には力を閉じ込めてしまう、そんなの苦しくて仕方ないのではないですか?それに忘れてはなりませんよ、呪いは貴女の身を支配する権力を有している…貴女が此方側へ戻って来られるように……」
とその少女は木々の上から降りてきて、リーシアに詰め寄った。
「ふふっ、呪いと精々抗い、逆らい続けてみて下さい、何時か…心と精神が壊れて、此方へ戻られるのを待っていますよ」その少女はそう言って、また奥地の方へ帰っ ていった。
「………どうする…、あれって‥ 」
「いや、恐らくあれは違う種の物、あの場所で我々が見つけた物とは少し違った、となると、つまりは彼女の呪いを抑制する、もしくは封印や侵蝕の加速、呪いに 対して様々な効力が付与出来る代物が複数存在している、という事か」マーリンはそう呟く。
と、その言葉を聞いたキングはふと、「つまり‥‥さっものあれは彼女の心を脅かすための罠…だから態と」
「ああ、恐らくだがな。同族なら彼女に眠っている魔神の脅威も当然何かしらは知っている筈だ、自ら首を絞めるような真似ができるとは到底思えない、彼女を怯えさせて油断させる為だろう、まあだから我々が奪還しようとしている物は必ずこの奥地の何処かに隠れていると思われる」
マーリンの推測通りなら、何とか救われるが…一体どうか。
そうして、偵察部隊と思われる魔神族一族の監視役の目を何とか回避しつつ、奪還を目指していた目的の物が、もうすぐもう傍まで見えてきた。
まだ、辺りを見渡した感じでは、何の儀式も行われておらず、奪還するなら今のうちだと思い、一気に駆け抜けるが、
「そうはさせない 」
「今度は誰だ…! 」
「名乗る必要はないだろう…?、【七つの大罪】……この地へ入り込んだのなら、立ちはだかる存在はたった一つだ 」
突如として現れた、今度は青年のよう…そんな風貌の出立ち…「貴女の帰りを待っていましたよ、ああ、それに貴方も」
その人物もまた、リーシアに目を向けた後…その次にゴウセルへ目を向けた。
「お前らの目的は何だ…!!」
「今は教える時ではない…、見張りの奴らにもそう言われた筈だ、それにお前たちでは我々の計画は止められやしない、今は力が漲って魔神族として与えられた魔力を存分に振えそうだ」
「そんなの、やってみなきゃ分からないだろ…!」
「そうか…?ならば、やってみるが良い」
そう言ってメリオダスらも戦闘準備に入り、「さあ、かかってきてみると良い」
そうして、互いに動き出し、その人物が狙いをつけたのは.…
「神器双弓ハーリット…リライト・ライト!」
「ふっ……」
「ヘルブレイズ…! 」
「サンフラワー!」
ゴウセルを始めとし、他大罪メンバーも全員で一斉に魔力攻撃を仕掛け、激しい戦闘が開始され、そしてまた激闘が繰り広げられる。
「流石は【七つの大罪】…、しかし、そう強気で居られるのはそこまででお終いだ」と、そう言い、ついさっきまで正面までいた、あの者は一瞬にして瞬間移動をしていつの間にかゴウセルの後ろに迫っていた。
「お前には長い眠りの中に閉じ篭って貰おう、永遠に醒めない‥夢の中で…【正気魂永久の停止】ダークソウル・シャットアウト…」その放たれた魔法攻撃は……避ける隙も与えずに彼に…「しまっ…た」
「……………」
「ゴウ…セル…??、……!!、ゴウセル…! 」リーシアは崩れ落ちるように倒れる彼を受け止め、抱える。
「ゴウセル…?」
彼女が何度も彼の名を呼んでも、彼は…目を覚まさなかった。
「そいつの魂と正気を完全に奪って、停止させた。だから、どう足掻いて目を覚まさようとしても無駄ですよ」
「そんな…」リーシアは静かにポツリと涙を流した。
「お前たちもいっその事、そいつと同じようにしてやろう‥いや、とりあえずは此処から立ち去れ…この場からお前達を排除しよう」
「何だ…!? 」
メリオダスらが驚いているのも、束の間…足先から徐々に何かに覆われ始め…そして次の瞬間、強制的に飛ばされ…
「うわあああああああっ…!、っいてて…此処は…何だ?」