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『…………主が、我が生み出した地の蛇神、蛇珀の想い人であるか…………』
地の底から響き渡るような強圧の声音。
いろりの前に立ち塞がる堂々たる巨山の姿は、神と人の越えられぬ境を現しているようであった。
「答えよ、いろり」
「あ! は、はい……! わ、私が東城いろりと申します。は、初めまして、天獄様」
狐雲に促され、我に返ったいろりは急ぎ返事をした。
『蛇珀は今、竜の寝床におる』
(——竜の、寝床……?)
聞き慣れぬ単語に、いろりの悪い想像が膨らんでいく。
『今の我は羅獄の姿よ。この内には下界の罪人たちが穢れを拭うため魂のみとなり苦行しておる。蛇珀には肉体を与え、その者たち以上の苦行を強いておる。今は針道で巨岩を背負い歩んでいる頃であろう』
いろりの頭が真っ白になる。
その後、脳裏に浮かび上がる蛇珀の姿。
(——なぜ、なぜ……?)
ただ恋をしただけなのに、罪人以上の苦しみを味わわなければならないのかと——瞬間、いろりの思考が弾けた。
「どうしてっ……どうして蛇珀様だけ、そのような目に遭わなくてはならないのですか!? 蛇珀様の心を乱したというなら、悪いのは私です! それなら私に罰を——……ッ」
興奮のあまり立ち上がり、天獄に向け激しく主張するいろりが突如黙り込む。
碧野葉菜
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都築七美
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てく
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