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今回は烏野マネージャー2年の西川ゆり
(自分の名前に変えてね!)が、一週間だけ青葉城西のマネージャーになる話です。
お楽しみに!(トツゼンオワルヨ)
『おっはようございまー・・・す』
自販機の前で顔をしかめている及川さんに、恐る恐る話しかけた。
「ゆりちゃん!おはよう!!」
「今日も1日頑張ってね!」
及川さんは即座に笑顔になる。
『及川さん、どうかしましたか?』
『顔がぎゅってなってます』
「なんか言い方あれだけど、実はね・・・」
「飲み物が選びきれないの!!」
ふたつの飲み物を交互に指さす及川さんに、私は呆れる。
『そうですか、頑張ってください。』
歩き出そうとするが、腕を掴まれた。
「ちょっと!ここはマネージャーとして及川さんを手伝ってよ!」
『えぇ・・・』
『はあ、じゃあ150円、出してください。』
「え、なにカツアゲ?」
私は及川さんからお金を受けとり、迷っていたふたつの飲み物を片方及川さんの、もう片方を私のお金で買った。
そのまま及川さんを連れてベンチに座る。
「え、なになに」
「なんで飲んでんの?!」
『いーから及川さんもほら、どうぞ』
及川さんのお金で買った飲み物を渡す。
「う、うん、ありがとう?」
『美味しいですね。』
「うん、でもなんでゆりちゃんがそれ、?」
混乱している様子の及川さんを横目に、私はふたつの飲み物を交換した。
『ん、これも美味しいですね。』
「ん?!」
「ゆっゆりちゃん?!それ俺が飲んだよ?!」
『? 知ってます』
『・・・あれ、両方飲みたかったんじゃなかったですか?』
私が首を傾げると、及川さんはやっと理解したかのように顔を赤くする。
「・・・あー、そういうこと、、」
『? 及川さん?』
「つまりゆりちゃんは、俺が迷ってたから両方飲ませようとしてくれたと、」
『まあ、はい。』
すると突然、飲み物を持っている私の両手を及川さんが掴んで上にあげ顔を近づける。
『・・・んと、及川さーん?』
(まずい、なにか怒らせただろうか、)
「ゆりちゃんさ、関節キスって知ってる?」
『知ってます。』
『いわゆる回し飲みですよね。』
「正解。で、」
「ゆりちゃんは誰が飲んだものを飲んだの?」
『そりゃ、及川さ・・・』
(あ、何となくわかった気が、)
私は自覚すると共に、だんだんと耳が熱くなるのを感じる。
「え、ゆりちゃん耳真っ赤。」
『う、うるさいです』
「・・・ゆりちゃんさ、「岩泉ナイッサー!!」
及川さんがなにか言おうとしたが、背後にいた人の声にかき消される。と同時に、ものすごい音で及川さんの後頭部にバレーボールが当てられた。
及川「いったぁー!!!」
だがボールの勢いは止まらない。
(あ、やば。これ当たる。)
私は覚悟を決め目をつぶったが、なぜだか痛くない。恐る恐る目を開けると、そこには片手でボールを持っている松川さん。
松川「おい岩泉!勢い考えろ!」
松川「ごめんね、ゆりちゃん」
『! 松川さん!ありがとうごさいます』
悶え苦しむ及川さんを置いて、すぐに花巻さんと岩泉さんもこちらに走ってきた。
岩泉「すまん、西川」
『いえ!相変わらずの力ですね・・・』
松川「まあ、ボールの件もそうなんだけど、」
松川「及川がごめんね。」
『んっと・・・?』
岩泉「こいつ西川の腕掴んだろ。」
岩泉「変なこととかされてねえか?」
『まあ、たぶん?』
岩泉「はあ、何とか言えよクソ川」
『いっいや!ほんとになにも!』
花巻「ほんと?ならいいけどねー、」
松川「じゃあ、体育館行こっか。」
3人はカバンを持つ。
『・・・えと、私飲み物飲みきっちゃってから行くので、先どうぞ』
岩泉「ん、分かった。」
岩泉「なんかされそうになったら言えよ」
『はい』
私は3人の後ろ姿を見てから、丸まっている及川さんに話しかける。
『及川さーん』
『大丈夫ですかー』
「・・・」
反応がない。ただの屍のようだ。
私は飲み物を飲みきり、席を立つ。
『待ってますから、早く来てくださいね。』
及川さんの後頭部に絆創膏を優しく貼って、私も体育館へ向かった。
『ふぅ〜・・・、』
城西に来たからと言って、特に作業内容は変わらない。私が休憩していると、1年生の国見くんが話しかけてきた。
「先輩。テーピングしてください。」
『えぇ、またー?』
『どんだけ突き指するのよ、』
「いいじゃないですか、突き指しますよ」
「俺まくの下手なんで」
『もー・・・』
国見くんはやけに突き指が多い。手先は器用な方だと思うが、テーピングだけ苦手なのかよく私に頼んでくる。
『・・・よし、できたよ。』
「ありがとうございます」
「また頼みます」
『ちょっと?突き指はしない方がいいの!』
「そうですけ・・・ゆりさんっ!」
『え、くにみくっ』
突然国見くんが私を押し倒してくる。すると国見くんの横顔にボールが当たった。
国見「いっ・・・!」
『え?!国見くん?!』
金田一「やべぇ!すまん国見!!」
金田一「当たっちまった・・・」
国見「ん、いい、平気」
松川「国見保健室行くか?」
『あ、じゃあ私同行します』
金田一「すんません!」
『起き上がれる?国見くん』
私は国見くんの手を取り体育館を出た。
「すみません、」
『なんで謝るのー。むしろありがとう。』
『助けてくれたよね』
「ゆりさんは平気ですか」
『無傷!でも私なんて庇わなくていいからね』
「・・・嫌っす」
『もー!』
雑談しながら歩いていると、保健室に着いた。だがノックしても反応がない。
どうやら先生が居ないようだ。
(とりあえず入ろ。)
「先生いないのに、大丈夫ですか」
『私保健委員だし、ちょっとは治療できるよ』
国見くんを椅子に座らせ、私は向かいの椅子に座った。
『はい、お口あーん』
「あーーー」
国見くんの口内が少し切れて血が出ていた。
(思ったより口大きい・・・)
『とりあえずこのわた口に含んで』
「うぇ・・・、はい」
『よし。国見くん薬は塗る?』
「え、塗るって・・・」
『そのまま。私の手、口に入れちゃうけど』
「え?!いや、大丈夫です・・・」
しばらくして国見くんに話しかける。
『そろそろ止血できたかな』
『わた出していいよー』
「・・・はい」
『? どうかした?国見くん』
「・・・ゆりさんって、及川さんと付き合ってるんですか?」
予想外の質問で、少し驚く。
『え、付き合ってないよ!』
「ほんとですか。良かったです」
「・・・ゆりさんが誰かと付き合ってたら俺泣いちゃいますよ」
『えー、笑 じゃあ誰とも付き合わない笑』
「・・・あの、」
『よし、じゃー戻ろー』
私は国見くんの手を掴み、保健室を出た。
体育館に戻って、いつも通りの作業に戻る。ドリンクを洗うために水場に向かった。
(! もしかして)
なんと水場の横に白い猫ちゃん。猫好きの私にとっては最高である。
私はにこにこですぐに駆け寄った。
『わー!猫ちゃーん!』
『かわいぃ〜ちょっとなで失礼しまーす』
独り言を呟きながら猫ちゃんを撫でる。しばらくしていると、背後から声がした。
「なーにしてんのー」
『まっ松川さん!』
変な姿を見られた恥ずかしさと驚きで、上から覗く松川さんに頭突きをしてしまう。そのまま私は上に乗るような形で倒れた。
「いってー、大丈夫?笑」
『すみっすみませんお恥ずかしいところを、』
『どっどきますすぐ』
冷静を装い離れようとするが、松川さんに両手でホールドされ頭にあごをのせられる。
『わっ!まっ、まつかわさん!』
「なーにー」
『ど、どうかしましたか?』
「ちょっとこのままでー」
『で、でも・・・』
私は抜け出そうとするが、力で勝てるはずもなく離れられない。
(・・・しかたない、か。無、無。)
諦めてしばらくこのままでいることにしよ。
『・・・ねこすきですか』
「んー?すきー」
『かわいいですよね猫ちゃん。』
「うん、かわいい笑」
『・・・あとどんくらいですか、』
「んー、あと3分。」
『えー、この行為になんの意味が・・・』
(長い・・・)
(はぁー、酷い目にあった。)
あの後やっと離してくれた松川さんから逃げ、ドリンク作りを再開していた。
(水が冷たい・・・)
「よー、変なことされてねえかー?」
『岩泉さん。大丈夫ですよ』
『沢山心配してくれて、優しいですね』
「おー、いや優しくはねえな」
「なんか、、自己満だ」
『? そうなんですか・・・』
「それより西川、ちゃんと飯食ってるか?」
『?なんでですか?』
突然岩泉さんが私の腕を掴む。
「これ、細すぎだろ。死ぬぞ。」
『ふは、死にませんよ笑』
『岩泉さんが筋肉あるだけです。』
「・・・西川、もっと笑った方がいいぞ」
『えっと・・・?』
「お前は笑った顔が、その、」
「一番可愛いから、」
そういうと岩泉さんは走っていってしまった。私は耳が赤くなっているだろう。
(あーー、もう!何この高校!)
はい。終わりです。突然終わってびっくりしたことでしょう。私もネタが思いつかなさすぎてびっくりしました。
今回はこれで終わりですが、もし人気だったら続きを出すかもしれません。その時はぜひまた読んでください。
それでは。