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りちょしろ
りぃちょ×しろせんせー
解釈違い有
エイプリルフール
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俺とせんせーは、付き合っていた。
正確に言うと、俺が押し切る形で付き合うことになった。 せんせーは典型的なツンデレで、 「まあ……付き合ってもええけど」と渋々了承したあの日から、 俺たちは恋人同士ということになっている。
でも、せんせーは相変わらずだ。 デートも、Hも、全部許してくれるのに、 「好き」とは絶対に言わない。 「別にお前じゃなくてもええし」というスタンスを、 今でも崩さない。
俺も最初は「まあ、嫌われてはないし」くらいの軽い気持ちで付き合っていた。 せんせーがツンツンしてるのも可愛いし、 そのうち素直になってくれるかな、くらいに思っていた。
でも、今日はエイプリルフール。
俺はいつものようにせんせーの部屋でくつろいでいた。 ソファに寝転がりながら、軽いノリで言った。
「最近、冷めてきたし……別れよっか」
どうせ「いいよ」と流されると思っていた。 いつも通り、ツンとした顔で「別に……」と返ってくるはずだった。
しかし、次の瞬間——
せんせーは一瞬きょとんとして、 次の瞬間、ぼろぼろと大粒の涙をこぼし始めた。
「……え、ちょ、」
俺は固まった。
せんせーはぐちゃぐちゃの顔で首を激しく振り、 震える声で必死に言葉を絞り出した。
「嫌や……別れたく、ないッ…… 悪いとこ、いっぱいあるん全部直すから……っ、 ちゃんとするから……っ」
「だから、嫌いにならんといて……頼むから……」
今まで一度も見たことのない、縋るような声音だった。 プライドの塊のように見えていたせんせーが、 涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、 俺の袖を掴んで離さない。
俺は完全に混乱した。
(え、せんせー…?)
予想外すぎて、頭が真っ白になる。 慌てて手を伸ばし、せんせーの肩を掴んだ。
「ごめん、嘘! エイプリルフール!」
その言葉を聞いた瞬間、せんせーは一瞬動きを止めた。 そして、さらに大きく泣き出した。
怒るでもなく、 ただ安心したみたいに、 声を上げて泣きじゃくる。
俺の胸が、ぎゅっと締め付けられた。
(ああ、せんせー……思ってたより、ずっと……)
好きなんだな、俺のこと。
その事実に、驚きと同時に激しい後悔が襲ってきた。 今まで「まあ嫌われてはないし」くらいの軽い気持ちで付き合っていた自分が、 急に情けなく思えた。
「ほんとごめん……」
俺は慌ててせんせーを抱きしめた。 せんせーは抵抗もせず、 ぎゅっとしがみついてくる。 その力が、いつもよりずっと強かった。
俺はせんせーの背中を優しく撫でながら、 心の中で強く誓った。
二度と、こんな試すようなことはしない。 せんせーがこんな顔をするなんて、 もう絶対に見たくない。
泣きじゃくるせんせーの涙が、 俺のシャツを濡らしていく。 俺はただ、 泣き止むまでずっと、 強く抱きしめ続けていた。
せんせーの体が少しずつ落ち着いていくのを感じながら、 俺はようやく理解した。
せんせーは、俺のことが好きなんだ。 ツンとした態度で隠していた本当の気持ちを、 今日、初めて見せてもらった。
俺はせんせーの髪を優しく撫でて、 小さく囁いた。
「ごめんね、せんせー。 もう絶対に、そんなこと言わないから」
せんせーはまだ涙を流したまま、 俺の胸に顔を埋めて、 小さく頷いた。
その夜、せんせーは結局、 俺の胸の中で眠りに落ちた。 俺は眠れずに、 ずっとせんせーの寝顔を見つめていた。
(せんせー……ごめん。 俺、もっとちゃんと好きだって、伝えるよ)
ツンデレのせんせーが、 初めて見せた本当の弱さ。 それを抱きしめた夜は、 俺たちの関係を、静かに、でも確かに変えていった。
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残念ながら滑り込みでいけませんでした
エイプリルフールでついた嘘って実現しないらしいですね!
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