【琴葉視点】
「ねぇ、みてあれ、噂の鈴瀬さん。」
「相変わらずあれだよねぇ…」
私が廊下を通っただけで誰かが私の噂をするんだ。
…そういえば、今日、ずっと気持ち悪い…
しかも、生理すら、2ヶ月ほど来てない…
まさか…
い、いや、そんな事ないよね、
でも、1つ、心当たりがあった。
あいつ…!
まぁ、ただ来てないだけで、これから来るだろうし、
考え事をしているうちに、教室前についた。
ふぅ…
「おはよう!」
もちろん、誰の挨拶も帰ってくるわけでもない。
「ねぇ、また鈴瀬さん新しい彼氏さん作ったらしいよ。」
「今度は大学生だって。」
「男好きだから誰とでも付き合うらしいよ?」
「このクラスの人とほとんど、てか、学校の人たち全員と付き合ってたって噂あるらしい」
「すぐ別れてたっぽいけどね」
少し離れたところでそんな噂が聞こえてくる。
まぁ、あながち間違ってないけど、
でも、男好きでは、無いのに…
うっ…
今日、一応、妊娠検査薬、買って検査してみるか…
「陽性…か」
間違いない。
SNSを開き、多分あいつだろう、と言うやつに連絡をする。
[ねぇ、妊娠しちゃったんだけど、避妊してって言ったよね??]
証拠写真も送り、返信を待つ。
既読ついたのに、10分以上連絡が来ない…
もしかして、逃げられたっ…?
本当、無責任すぎるでしょ?!
私はなんども付けてって言った!!
私の目から、涙がこぼれ落ちる。
少し歩いたところに、人の少ない公園があり、そこの木のしたで蹲る。
本当に最悪、
なんで、男となんかの、子供…
これ、婦人科行かないといけないのかなぁ…
相変わらず、あいつから連絡が来てない。
多分、ブロックしたんだろう…
他のアプリには、浮上しているし、あいつは連絡が早い。
はぁ…これから、どうしたらいいの…??
「ううっ…」
すると、近くから物音がした。
「えっ、鈴瀬さんっ…?」
この人は確か、
「あ、杉山さん…」
この出会いが、私を変えたんだ。
【琴葉視点 完】
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