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『 』
自分はその場を誤魔化そうと自分の鞄に手を伸ばした。
あれ?無い。
落としたのかと後ろを見るとさっきまで皇后陛下に釘付けになっていた人達は全員自分を見ている。
まぁおかしな行動を取ったのだからしょうが無い
パッとぺいんとの目と目があった
ごめん、何か勝手にさ… は?
いつもキラキラと眩しいほどの瞳を持つぺいんとの瞳は輝きなどは失っていてまるで怯えているようだった。
あの夢が脳内を過る
周りの人もそうだ。怯えてる。
何で?何に?
一人が悲鳴を上げた。
キーーン
耳鳴りがまた鳴った。耳を塞ごうとする。
だが、体が言うことを聞かない。
理性が効かなくなり、突然目が見えなくなった。
何か触ってる?
体をコントロールしようとするがそれは叶わない。
嗅覚、視覚、聴覚、味覚
全てが機能しなくなった。
機能するのは触覚だけ
動きが止まった。
嗅覚、味覚などの五感が徐々に回復して来るのがわかる。
う”っなんだ
顔をしかめる
鉄臭いにおい、独特の味
そして恐る恐る目を開ける
思わず息を吞んだ
あんなに騒がしかったのが嘘のように静かで
そして、
人が、多くの人が死んでいた。
勿論、家族も、知人も、全員
誰がやったのかはもう分かっていた。
そうだ。ぺいんとは?
ちゃんと逃げたのか?
もうすでに自分はパニックに陥っていて冷静に考えられない。
パニックになり近くにあった屋台を壊す。
駄目だ、落ち着かないと。
落ち着くどころか悪化する一方
聞き覚えの声が聞こえた。
「ちょっと痛いで」
そう一言放ちパラパラと白い羽が舞った。
そこで意識は途切れた。
「ほらみどり君速く!」
「速いヨ皆~」
みどりがバテながらも必死に走る。
「おい見ろ、あれ」
「うわ、やばいねきょーさん」
コンタミが少し焦った口調で言う
「はよ行かな手遅れになる」
きょーさんはパーカーから白く輝く 翼 を出しひょいと木の枝に乗った。
「ちょっと行ってくるわ」
「うぇぇ!?ここから!?」
ダンッと枝を蹴り空を飛ぶ
その姿はまるで美しく飛ぶケツァールの様だった