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「別れちゃったんですか?」
「そうなの。先週そういうことになってね。河原さんには話さなきゃと思ってて……」
職場で唯一私たちの関係を知っている彼女には知らせておかなければならないと思い、夜勤明けにランチに誘った。
河原さんが行ってみたいと言っていた韓国料理の店だ。
「そうなんですね」
河原さんはそれだけいうと口を閉じた。もっとリアクションがあるかと思っていたけれど、そうではなかった。
私はこのことを誰かに聞いてほしくてたまらなかったのだけれど、夜勤明けにランチに付き合わせてまで話す内容ではなかったのかもしれないと反省する。
「……聞きたくなかったよね、こんな話。ごめんね」
「いえ。話せば楽になるんでしたら付き合いますよ」
「……ありがとう」
「ところで竹光さんは今どこに住んでるんですか?」
豚のバラ肉を鉄板に乗せながら河原さんは続ける。
「たしか一緒に暮らしてましたよね、先生と」
「ああ……うん。それがまだ先生のマンションに住んでるの。安西先生は病院に寝泊まりしてる状態だから部屋が見つかるまでは住んでいていいって言ってくれたの」
本当にありがたい申し出だったとはいえ、私はすぐにでも出ていかなければならない立場。それなのに先生に甘えてまだ住まわせてもらっているのは我ながら情けない。
「そうなんですね。早く部屋見つかるといいですね」
「本当に。早く見つけないと」
あれこれ言ってこないのが河原さんのいいところだ。別れた理由も聞いてこないし、憐れんだりもしない。
「というわけで、食べようか。聞いてくれてありがとうね」
私は焼き色のついたお肉と特製の辛みそをサンチュに巻いて口に運んだ。お腹もすいてていて味もとてもおいしいはずなのに、どうしてだろう……あまり食べたいと思えない。
「竹光さん? どうかしました?」
「あ、ううん。なんでもない……」
幸い、河原さんがたくさん食べてくれたので料理を残すことはなくてほっとする。締めのデザートまで二人分彼女の胃袋に治まった。
「本当いにいいんですか? おごってもらっちゃって……」
「いいのいいの。今日は私が誘ったんだし」
会計を済ませて店を出ると買い物をして帰るという彼女と別れた。電車に乗り最寄り駅で降りると、マンション近くの不動産屋の前で足を止めた。
「分かってはいるけど……」
敷金と礼金と二か月分の家賃と、初期費用を合わせたらかなりの出費だ。
先生と暮らすようになって実家への仕送りを増やしていたのであまり貯金もできていなかった。
この辺りで部屋を探すのは諦めて、郊外へ引っ越すべきなのかもしれない。通勤時間はかかっても致し方ないだろう。
「絢香?」
そう呼ばれて振り返ると、鷹藤さんとヴェガの姿があった。
「鷹藤さん。ヴェガも」
「こんなところで何してるの? 僕はベガのトリミングの帰りだけど」
より毛艶の増したヴェガが自分を見てと言わんばかりに「ワン」と鳴く。私はしゃがんでヴェガの頭を撫でてやる。
「よしよし。素敵になったね、ヴェガ~」
「……もしかして引っ越すの? 物件情報念なんて真剣に見たりしてさ」
「はい。彼と別れちゃって……」
私は鷹藤さんの方を見ないまま、答える。すると鷹藤さんはいきなり驚くような提案をする。
「じゃあ、僕の家に住めばいいよ。今日からくる?」
思いもよらない言葉が頭から降ってきて、私は慌てて立ち上がった。
「えっ?」
「さ、行こう!」
「いや、ちょ、待って下さい。それはさすがに……」
“ムリ”というものだ。
いくら別れたからといって鷹藤さんの部屋に転がり込むなんてできるわけがない。
「平気平気。僕居ないから」
「いない?」
「そう。明日からひと月、全国ツアーで部屋を空けるんだよ」
「ツアー?」
鷹藤さんが言うには、ピアノのコンサートツアーで明日、北海道に発つという。その後、主要都市を回り東京に戻るのが一月後だという。
「家賃もいらないし、ヴェガもペットホテルに預ける予定だから安心して」
「でも……」
「悩むってことは住んでもいいかもって思ってるんだよね。じゃあ、決まりね」
「え、ちょっと待ってください」
「待てないよ。時間ないし……」
渡りに船、といったところだけど無償で住まわせてもらうわけにはいかない。
「じゃあ、ヴェガのお世話をさせてください! 住み込みで」
「それでいいの? ヴェガは喜ぶだろうけど、大変じゃない?」
「いえ、何か住まわせてもらう理由が欲しいんです」
ただ甘えるわけにはいかない性分だ。ベガのお世話係という理由さえあれば鷹藤さんの提案を受けさせてもらえる。
「じゃあ、決まりね」
「はい。よろしく願いします」
その足でマンションへ帰り、私物をスーツケースに詰め込んだ。もともと荷物も少なかったし、先生に買ってもらったものはここに残していく。
翌朝、私は荷物をもって鷹藤さんの部屋へ向かった。
「じゃあ、これスペアキー。それと、ヴェガのお世話についてはこのメモを参考にしてくれる? 分からないことや困ったことがあればいつでも連絡してくれていいから」
「はい。ありがとうございます。ツアー、頑張ってくださいね」
「うん。頑張る。じゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
鷹藤さんを見送ると、私はヴェガを散歩に連れいった。というより、私が散歩されているような感じがする。お気に入りのルートなのかまるで案内をするように細い路地をすいすいと進んでいく。
「ウォン」
「ん? どうした」
ヴェガが立ち止まったのはオープンテラスのあるカフェの前。
白いレトロな倉庫風の建物で、アンティーク調の椅子やテーブルはそぞれがとても個性的なのにもかかわらず見事に調和していた。
「ここに入るの?」
そう尋ねると私を引いて店の入口へと歩きはじめる。
「待ってよ、ヴェガ。ここって入っていいお店なの?」
ペット同伴OKのカフェじゃなかったら店側に迷惑がかかる。私は急いでリードを引いた。けれどヴェガは中へ入っていってしまう。
「いらっしゃいませ」
「すみません。ここって--」
ペットOKでしょうか?と聞こうと思ったが、
「おや、ヴェガ? って、あれ? 今日は琉加くんと一緒じゃないのか」
店のオーナーらしき中年の男性はヴェガに連れてこられた私を見て少し驚いたようにそう言った。
「あなたペットシッターさん?」
白髪交じりの口ひげを触りながら聞く。
「まあ、はい。そんな感じです。この子の飼い主が家を留守にするので代わりにお世話をすることになりました」
私がそう説明すると男性は思い出したように頷いた。
「ああ、そういえば全国ツアーが始まるって言ってたな。それより、ヴェガ。琉加君以外に懐かなくて困ってるって聞いてたけど、いい人が見つかってよかったな」
返事をするようにヴェガは「ウォン」と鳴く。
「そうなんですか、鷹藤さん以外に懐かないんですか……知らなかった」
はじめて会った時から人懐っこい子だと思っていたけれど、どうやらそうじゃないらしい。私のことを気に入ってくれたということだろう。ヴェガのことがさらにかわいく思えてくる。
「コーヒーでも飲んでいかれますか?」
「はい。ヴェガはいつも何を?」
「ヴェガはいつも水だけですよ。すぐにお持ちしましょう」
「ありがとうございます」
銀のトレイに入れられた水をヴェガは嬉しそうに飲み、私はその様子を写真に撮って鷹藤さんへ送った。
一日一度は送るようにすれば鷹藤さんも安心して仕事に専念できるだろう。
そうこうしているうちに陶器のカップに入ったコーヒーが運ばれてくる。
「どうぞ、ダンデライオンです」
「いただきます」
私は運ばれてきたコーヒーを一口すする。なんとも不思議な風味がした。
「お口に合いませんか?」
そう聞かれて私は慌てて首を横に振った。
「あ、いいえ。でもこれ、コーヒーなんですか?」
「正確にいうと、ハーブティーですね。タンポポコーヒーと言ってノンカフェインで胃腸にも優しいんですよ」
まるで私の体調不良を言い当てられた気がしてどきりとする。最近胃の調子もよくないし、何となく体がだるいのだ。
きっと先生と別れて気持ちが落ち込んでいるせいだろう。
でもようやく部屋も出ることができたし、気持ちを切り替えていかないといけない。そんな風に考えていたのだけれど――。
数日後、出勤した私は安西先生に呼び出された。
普段あまり使われていない面談室に入ると先生は内鍵をかけた。
「話ってなんですか?」
「昨日帰ってみたらこれが置いてあった」
先生は白衣のポケットから部屋のカギを出して私の目の高さにぶら下げた。
「それに、俺がプレゼントしたものもすべて置いてあった……」
先生の声が震えていた。これ以上彼の顔をみていられなくて、私は視線を床に落とす。そして静かに頭を下げた。
「今まで住まわせてくださってありがとうございました」
「もうやり直せないのか……俺たち」
「はい」
私ははっきりとそう口にした。
先生が仕事をセーブしない限りよりを戻しても同じ結果になる。でもそれは無理だろう。私が出てったことも数日間気が付かなかったようだし。
「でも俺、これからは仕事もだいぶ減るし絢香との時間――」
「……ごめんなさい」
先生の言葉にかぶせてそういうと、まるですべてを吐き出すような深くて長いため息を吐いた。
「そうか、分かった。幸せにしてやれなくてごめんな」
「私も、いい彼女になれなくてごめんなさい。これからは同僚としてよろしくお願いします」
私は逃げるように面談室を出た。悲しむ資格なんてないのに涙が込み上げてくる。
ナースステーションに戻ると同僚ナースの西田さんが心配そうに声をかけてくれた。
「竹光さん、もしかして体調でも悪い?」
「いえ、全然大丈夫ですよ」
私は笑顔を作る。すると同僚はホッとした様子でこう続けた。
「じゃあ、今日、仕事終わったら飲みに行かない? 横田先生のお祝い」
横田先生というのは安西先生の少し上の先輩医師だ。
「横田先生のお祝いって? 何のお祝いなんですか?」
「それがね、私も今朝知ったんだけど先生の奥さん妊娠していたらしくって。切迫早産で長い間入院していたみたいなんだけど、この間無事に生まれて今は里帰りしてるらしいよ」
「へえ、そうだったんですね」
そんな話、安西先生からも聞いていなかった。切迫早産で入院してたから無事に生まれるまで公表しなかったんだろうか。
慎重派な横田先生らしい。
「それで、今夜行ける?」
「はい。参加します。あ、でも私、少し遅れてもいいですか?」
仕事が終わると私はすぐに帰宅した。ヴェガを散歩に連れ出して食事を与え、軽く部屋の掃除をする。
「ごめんね、ヴェガ。あまり遅くならないうちに帰るからね」
少し寂しそうなヴェガに後ろ髪をひかれつつ、私は横田先生のお祝いが開かれているイタリアンレストランへと急いだ。
店に到着すると既に会は盛り上がっていた。
テーブルをいくつか合わせて縦長にしてあって、上座のいわゆるお誕生日席に横田先生が座っている。私は空いていた端の席に座った。
病棟のスタッフ以外にも声をかけたのだろうか、オペ室の看護師や麻酔科の先生の姿もあったが安西先生の姿は見当たらない。ホッとしてしまう自分がいた。
「竹光さん、お疲れ。なに飲む?」
この会に誘ってくれた西田さんが私の席まできてメニューを開いて渡してくれる。グラスワインをオーダーすると取り分けて置いてくれた料理に手を伸ばした。
冷めてしまっていたせいか、どれもおいしいと感じない。せっかくのワインも一口飲んでグラスを置いた。お腹は空いているはずなのに食欲がわかないなんてどうかしている。いつもなら楽しめるはずお酒の席が苦痛でしかないなんて。
「みなさーん! そろそろお時間なんですが、この会の主役、横田先生から一言いただきたいと思います!」
その声に押されるようにして横田先生が恥ずかしそうに立ち上がる。結構お酒を飲んだんだろう。顔が真っ赤でふらふらと体が揺れている。でも先生の顔はとても幸せそうに見えた。
「えーと。本日はこんな素敵な会を開いてくださってありがとうございました。医者のくせに我が子の事となると素人同然で、産まれる瞬間まで生きた心地がしませんでした。産科の先生にも妻にも叱られてばかりで……」
そう先生が言うと、どっと笑いが起きる。
先生が叱られているなんて全く想像ができなくて、でもとても微笑ましいと思った。
「妻は切迫早産だったので家にいてもほぼ寝たきりで、出産までのひと月は入院もしていたんですけど、僕が妻に付き添えたのは安西先生が仕事を引き受けてくださったからです。当直とか、緊急手術の呼び出しとか、何も言わずに代わってくれて……本当に感謝しています」
大きな拍手に包まれて、横田先生は目に涙をためていた。そんな姿を見て自分の愚かさを悔やんだ。
「そう、だったの……」
知らなかったとはいえ、安西先生が同僚のために必死で仕事をしていたというのに、私は彼を責めてしまった。
なんで構ってくれないのと、わがままを言った。
『でも俺、これからは仕事もだいぶ減るし絢香との時間――』
あの時こういったのは、横田先生の代わりに仕事をしなくてよくなったからだ。今までのように私と過ごす時間を作れるよといたかったのだ。
それなのに私は彼の言葉を遮って別れを決定的なものにしてしまった。
教えてくれたらよかったのに。
横田先生の事、知っていたら忙しい先生のこと支えられたのに――なんて、タラレバなことを言っても仕方がないだろう。
あの時の私の気持ちが、態度が、本質だ。
たとえ今回の件をやり過ごしたとしてもいつか他のなにかに置き換わって先生を傷つける。
最低だ、私。
***
「ねえ、ヴェガ。後悔ってしたことある?」
私の言葉にヴェガは困ったように「クゥン」とないて私に体を摺り寄せてきた。
「慰めてくれてるの? ありがとう」
ヴェガの艶やかな毛並みに手を滑らせていると少しだけ気持ちが落ち着いた。こんな時、独りじゃなくて本当に良かったと思う。
「明日は夜勤だから、昼間にお散歩行こうね」
翌朝、私は昼頃起きてヴェガと散歩に出かけた。昼間の散歩のコースはいつも決まっていて、必ず例のカフェに立ち寄る。
「こんにちは」
「やあ、いらっしゃい」
マスターともすっかり顔なじみだ。
「ダンデライオンをお願いします」
席に着くとメニューを見ずに注文する。
「ダンデライオンだね。ああ、そういえば、部屋探してるって言ってなかったかな?」
「はい、探してます。なかなか見つからなくて困ってるんですよね」
「じゃあさ、明日一部屋空くんだけど、どうかな」
マスターは天井を指さす。
「え、もしかしてこの上ですか?」
「そうそう。二階は倉庫だから部屋はここの三階になるんだよ。しばらく美大生の子に貸してたんだけど、留学するんだってさ。十畳のワンルームで家賃は七万円。もちろん、見てもらってから決めてもらっていいよ。内見する?」
「見てみたいです」
「了解」
そう言ってマスターは電話をかけ始める。
「見に来ていいよって」
「ええっ、今ですか? いいんですか?」
「どうぞ」
私はマスターに連れられて店の裏側にある階段を上がった。丁度上がりきるころ、部屋のドアが開いた。
中から出てきたのはピンク色に染められた髪を無造作に束ねた小柄な女の子だ。
「マスター。あたしちょっとコンビニ行ってくる。部屋の中勝手に見ていいから」
「わかったよ」
すると私たちの横をすり抜けて階段を駆け下りていく。慌てて声をかけた。
「あの、突然すみません。お邪魔しますね」
聞こえていたと思うが、彼女は振り返らなかった。マスターは言う。
「いい子なんだけど、極度の人見知りなんだよ。さあ、中へどうぞ」
部屋の中は白い漆喰の壁とヘリンボーンの床がカフェとお揃いでとてもおしゃれな雰囲気だ。水回りはリフォームされているらしく綺麗で使い勝手がよさそうだ。
広さは十畳と聞いていたがセミダブルベッドとパソコンが置かれた机、ハンガーラックしかないせいかとても広く感じる。玄関わきには引っ越しのダンボーが積まれていた。
「いいお部屋ですね」
窓からは店の敷地に植えられた桜の木がすぐそばに見えて、やわらかな日の光が降り注いでいる。
「ここに住みたいです」
自然と口に出でいた。いくつか内見した物件はあったが心惹かれる部屋はなかったから。
「いいですか?」
「もちろん。あなたのような人が住んでくれたら安心です」
月末までに契約することにして、私は散歩の続きに戻った。それから15分ほど歩いてマンションに戻る。昼食を食べ、シャワーを浴びるとあっという間に出勤時間になった。
「ヴェガ、いい子にしていてね」
ヴェガの水と食事をセットして部屋を出る。病院についてロッカーで白衣に着替えると控室へ荷物を置きナースステーションに向かった。
「おつかれさま。よろしくね、河原さん」
同じ夜勤のシフトに入っている河原さんをみつけて声をかける。
「おつかれさまです。竹光さんと一緒の夜勤、久しぶりですね」
「確かにそうだね。“落ち着いている”といいね」
私がそういうと河原さんは驚いたように目を見開く。
「ああっ! それ禁句ですよ! それ言っちゃったら忙しくなるじゃないですか」
「ごめん、つい」
私たちにはジンクスがある。“落ち着いている”とか“静かだ”と口にすると途端に忙しくなるという。
だから私たちはあまり口にしないようにしているのだが、なぜか今日に限ってうっかり口にしてしまったのだ。
「も―」と言いながら頬を膨らませる河原さんにもう一度「ごめん」と謝りながらカウンター近くのパソコンにログインする。
担当する患者さんのカルテに目を通しワークシートをプリントする。それに今夜の注意事項なんかを書き添えていく。
ほらやっぱり、今夜の病棟は落ち着いてそう。
「ねえ」
カウンターの向こう側から呼びかけられて、私は即座に顔をあげた。入院中の患者さんだと思ったからだ。しかし、目の前に立っていたのは患者さんではなかった。
「なんだ、あなたか。名前、なんだったっけ?」
そう言って私胸につけてある職員証に視線を這わせたのは佐藤和美だった。ハイブランドのワンピースに大きなサングラス。病棟に似つかわしくない異質な存在感を放っている。
いったい何しに来たんだろう。って、想像はつくけれどここは病院。部外者は立ち入り禁止だ。
「申し訳ございません。面会のご家族以外は病棟への立ち入りはご遠慮ください」
感情を押し殺してそういうと、佐藤和美は「おお怖い」といってサングラスを外した。
「私、椎名です。正臣に会いに来たんだけど呼んでもらえますか?」
「……お約束ですか?」
「いいえ、違いますけど」
約束しているのならば取り次いでもいい。だけど仕事中にいきなりやってきて先生を呼び出すなんて非常識だ。
「お引き取りください」
そう言ってパソコンに視線を戻した。けれど、彼女は引き下がろうとしない。
「なんなのあんた! そうやって会わせないつもりでしょ! 別れたくせに何様のつもりよ」
驚いて顔をあげると勝ち誇ったような顔で私を見下ろしていた。
「な……んで知って……」
先生が話したんだろうか。だとしたら……ううん、だとしてもだ。私にはもう関係ない。先生が佐藤和美とよりを戻しても。
「なにぐずぐずしてるの、正臣を呼べって言ってるの!」
あまりにも大きな声を出したのでナースステーション内が静まり返った。
「――すぐお呼びします」
そう言ったのは河原さんだった。
「お手数ですが1階のロビーでお待ちいただけますか?」
「もちろんよ! あなた、話が分かるわね。……ああそうだ。これ、皆さんで召し上がってください」
佐藤和美は途端に上機嫌になると手に持っていた紙袋をカウンターに置きヒールを鳴らしてエレベーターホールへと歩いていった。
「……あ、ありがとう河原さん」
へなへなと力が抜けていく。そんな私の肩を河原さんはそっと支えてくれた。
「だいじょうぶですか? 竹光さん」
「うん、平気。ごめんね、ほんと助かった」
「いえ。それよりなんなんですかね、あの人……先生にきちんと叱ってもらいましょう」
いいながら安西先生へ電話をかけ始める。
電話に出た先生に河原さんは佐藤和美をロビーで待たせてあるということ、手続きなしに病棟へやってきたこと、業務妨害になることを端的に伝えて電話を切った。
「さて、仕事しますか。それと何だろうこれ……」
河原さんは紙袋を覗き込む。
「マカロンですね。超高級なやつ。捨てるはもったいないし、とりあえず休憩室に置いておけば誰かが食べるでしょう」
河原さんの言った通り、私が夜勤の休憩に入るころにはマカロンはほとんどなくなっていた。日勤終わりのスタッフが食べたのだろう。私は食べる気にはならないけれど……。
そもそも食欲がないし、胃がむかむかしてずっと車酔いをしているような感じだ。ストレスなのだろうけれど、このまま続くようなら消化器内科の先生に相談しようかとも考える。
「お弁当を作ってきたけれど食べたい気持ちにはならないなぁ」
私は小銭入れをもって自動販売機へ向かった。
消灯後の院内は薄暗く、自販機の光がやけに眩しく光ってみえる。経口補水液を買いしばらくぼんやりとそれを眺めていると不意に肩叩かれた。
あまりの驚きに声も出ずその場にしゃがみ込むと「そんなに驚くなよ」と安西先生の声が降りてくる。
「もう。やめてよ……心臓が止まるかと思った」
「ほら、立てるか?」
先生は私の腕を掴んで立たせると手から転がり落ちたペットボトルを渡してくれる。
「……体調悪いのか?」
「え? どうして……」
「だってそれ」
経口補水液を持っていたらそう思うのも無理はない。健康な時に飲んでもあまりおいしいと感じられるものでもないし……。
「別に……飲みたかったから」
苦し紛れにそういった。でも先生はそれ以上追及するつもりはなさそうだった。
「……そうか」
「じゃあ、病棟に戻るので失礼します」
軽く頭を下げて歩きだす。すると先生は私を呼び止める。
「絢香。あー、のさ。悪かったな。さっき……」
「ああ、佐藤和美さんのこと?」
「そう。いきなり来てすげぇビビった」
ビビった、のはこっちの方だ。病棟で大声出されて“別れた”とか言われて……勘のいい人なら私と先生になにかあったんだって気付くと思う。
「だったら別れたこと言わなきゃよかったでしょ! あの人の性格ならああやって会いに来ることくらい想像つくでしょう?」
「……は? 俺、話してねえぞ。そもそも連絡取れないようにしてるし。だから今日急にきてめちゃくちゃ驚いて……」
先生はなんでこうも詰めが甘いのだろう。そこが好きだった時期もあったけれど今はもう、ただイライラするだけだ。
「誤魔化さなくていいよ」
「誤魔化すって、そんなことしねえって。本当にあいつに話してなんていないんだ」
「信じてくれよ」そう言って先生は泣きそうな顔で懇願する。
一瞬だけ信じてしまいそうになった。この人はこんなうそを吐く人ではないと知っているからだ。でも、信じて裏切られて、結局傷つくのは私だ。
「よりを戻すならご自由にどうぞ。でも、病棟に来るのだけは止めるように言ってよね。じゃあ、失礼します」
私は先生に背を向けると足早にその場を立ち去った。
病棟に戻ると救急カートを押してナースステーションから出てくる河原さんが見えた。私は慌てて駆け寄る。
「どうしたの?」
「患者さんが急変したんです。当直の先生を呼んだけど、電話がつながらなくて」
河原さんと病室へ向かうと、もうひとりの夜勤のナースと研修医が処置を始めていた。けれど、状態は改善するどころか悪化しているようだった。
一刻も早く的確な判断を下せる上級医を呼ばなければ患者は助からないかもしれない。
「救急科の先生は?」
河原さんは首を横に振る。
「それが電話したんですけど、忙しいみたいで。外科当直がいるだろって電話を切られてしまったんです……」
「そう」
私はポケットに入ったPHSを引っ張り出すとすぐに電話をかけた。
――まだ絶対に院内にいるはず。
「もしもし、安西先生? 助けてください。急変です」
こんな風に頼りたくなかった。でも私のつまらない意地のせいで患者が助からないのだけは嫌だ。
先生はすぐに駆けつけてくれてすぐに患者さんを診てくれた。
「まずは落ち着いて。河原さんはエコー持ってきて。竹光さんは採血と輸血用のルート確保してくれる?」
「はい」
「研修医の先生は採血と輸血のオーダー入れて当直医を探してきて。おそらくオペが必要だ」
「は、はい!」
安西先生が来てくれたことで現場の雰囲気は明らかに変わった。この患者さんはきっと大丈夫、そう思わせてくれる安心感と的確な判断。
「先生。来てくれてありがとございます」
「どういたしまして。医者としては頼ってもらえるんだってわかったから安心した」
力なく先生が笑う。これじゃまるで私が先生の事、全否定してきたみたいじゃないか……責任を感じる。
「それは……当然です」
そこへポータブルのエコーを持った河原さんが戻ってくる。先生は患者の腹部にエコーのプローベを当てると「やっぱりか」と言った。
「腹腔内で出血している。血圧が下がったのもこのせいだ」
私は納得したように頷いた。術後の経過があまりよくないと申し送られていた患者だったからだ。すぐに対応できたのは河原さんが注意深く看ていてくれたおかげだろう。
「じゃあ先生、すぐオペ出しの準備します。河原さん、ご家族に電話」
「20分後に到着するそうです」
「ありがとう」
それから私たちは緊急手術の準備を始めた。
手術室へ向かう直前、到着したご家族と患者さんは会うことができた。安西先生は家族へ説明をして同意を取ると研修医を連れてオペ室へ向かった。
当直医はというと、手術が終わるまではナースステーションで待機するように安西先生からきつく言われたようで……不満そうな顔でずっとスマホをいじっている。
「なんなんですか、あれ。目障りなんですけど」
こそこそと河原さんが耳打ちする。
「まあまあ。また連絡つかなくなるよりはいいと思おう」
最近入ってきたこの若い先生は今時というべきかガツガツと仕事をこなすタイプではない。回診の時以外は病棟に立ち入らないし私用だといって休むことも多くて顔と名前が一致していないスタッフもいる程だ。
実は私もそうで、カルテ上では先生の名前を見ることはあったけれど実物をこんなに間近で見たのははじめてかもしれない。
名前は確か、相原先生。
「あの~看護師さん」
「はい? 私ですか?」
その相原先生にいきなり話しかけられて驚く私の顔をその人はマジマジと見つめてくる。河原さんとの会話、聴かれてしまったのだろうか。
「何か御用ですか?」
「ああ、ええと。顔色が悪いなとおもって。大丈夫ですか? 初期こそ無理は禁物ですよ」
「初期?」
「やっぱり気付いてないんですね……」
「なんでんすか? スピリチュアルな話?」
「まさか、違いますよ。もっと現実的な話です」
相原先生は河原さんの方をちらりと見た。
「彼女に聞かれてもよければ話しますけど?」
どんな話だろう。幸いもう一人のスタッフは休憩中でしばらく戻っては来ない。
「いいよね?」
そう河原さんに聞くと戸惑いつつ頷いてくれる。いつも巻き込んで申し訳ないと思うが、訳の分からなそうな話を独りで聞くのは怖かった。
「じゃあ、端的に。妊娠してますよね?」
思わず息をのんだ。ずっと見ないふりしていたものを目の前につきつけられたような気分だ。
「こ、根拠は?」
「僕の実家、産婦人科の病院やってるんですよ。それでよく手伝わされてるんですけど。妊娠初期の患者さん大体あなたみたいな感じなんでそうかなって思っただけです。根拠はありません」
「……まさか。違いますよ……妊娠なんて」
「って、みんな言いますよね。とにかく調べた方がいいですよ。産むにしても産まないにしてもきちんと向き合うべきです」
丁度そこにオペ室から電話が入った。先ほどの患者さんは術後、ICUに入ることになったという内容だった。
「ということは、僕はようやく解放されるってことですね」
ん-と背伸びをすると先生は椅子から立ち上がる。
「これ、もしよければ」
そういうと先生は名刺を差し出した。みると予約が取れないことで有名な産婦人科医院の名前が書いてある。
「本院は混むから駅前にあるクリニックの方をお勧めします」
「あ、あの」
「じゃあ、おつかれさま~」
相原先生はナースステーションを出ていってしまった。安西先生が戻ってくるまでいた方が印象はいいと思うのにそういう体裁はどうでもいい人なんだろう。
「いっちゃいましたね、先生」
河原さんは呆れたような顔をする。
「そうだね。……ああ、なんだかごめんね、河原さん。変な話に付き合わせて」
「いえ。私もそうかなって思ってました」
はっきりとそう言われて私は面食らった。
「竹光さん体調悪そうにしてたし、もしかしたらつわりなんじゃないかなって……生理きてます?」
「ううん……来てない。ストレスで遅れてるのかなって思ってて……」
「つまりそうやって真実から目をそらそうとしていたわけですね」
「そう、だね」
観念したように項垂れると、河原さんはまっすぐに私を見て言った。
「夜勤終わったら病院行ってきてくださいね。もし一人で行くのが怖いなら私付き合いますよ」
「河原さん、ありがとう。ひとりで大丈夫」
「ちゃんと向きあうから」そう自分に言い聞かせるように呟いて私は下腹部にそっと手をあてた。
***
「竹光絢香さん。どうぞ、お入りください」
診察室に呼ばれていくときれいな女医さんが迎え入れてくれた。
「はじめまして。院長の相原です」
相原先生が紹介してくれたのはセレブ病院で有名な有名産婦人科病院の分院であるクリニック。院長の名前は相原有理。顔が似通っていて姉弟なのかもしれないと思った。
「よろしくお願いします。竹光絢香です。実は今、相原有紀先生と同じ病棟で働いてまして、それで……」
なんとなく黙っているのも変かなと思って、紹介してもらった経緯を簡単に説明した。
「そうでしたか。弟がお世話になっています。あの子、ちゃんとやれてる?」
ちゃんと、とはどの程度のことを言うのだろう。よくわからないけれど、余計なことは言わないに越したことはない。
「……あ。はい」
「あはははは。その間でなんとなくわかっちゃったわ。ごめんなさいね、いろいろと」
「いえ、そんな」
「それでね、診察前にして頂いた尿検査の結果ですけど、陽性でしたよ」
陽性。そう言われることは覚悟していたはずなのに実際に告げられると理解が追い付いていかない。
「それって……つまり」
「妊娠されてますね。エコーでも見てみようと思いますが、おそらく8週目くらいかな」
「8週目……」
「ええ。この週数だとちょうど……」
問診票にかいた生理の日にちを確かめながら先生は丁寧に説明をしてくれる。でも私は理解が追い付いていかない。
本当に妊娠していたなんて。
おそらくあの時授かった子だ。先生以外の男性と体の関係を持ったこともないし……だから先生の子だ。先生と私の赤ちゃんがここにいる。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
「竹光さん?」
「は、はい」
相原先生は心配そうな顔で私の見つめている。
「大丈夫?」
「はい……大丈夫です」
「これから隣の部屋に移動していただきますね。内診、させてもらっていい?」
「お願いします」
看護師さんに促され、私は診察室の隣にある内診室へと進んだ。
「おズボンと、下着を脱いでこちらの椅子におかけください」
「あ、はい……」
なかなかデニムのボタンが外れなかった。指が勝手に震えている。心臓がバクバクと拍動して胸が痛い。
ピンク色の椅子に腰を下ろすとひやりとしてなぜか悲しくなった。
涙がじわりと滲んでくる。本来ならば喜ばしいはずの出来事のはずなのに、私は今、不安に押しつぶされそうになっている。
そんな私の気持ちをよそに診察は進んでいく。
私は目を瞑り、痛いくらいに拳を握り締めた。
「分かるかしら、ここが頭ね……竹光さん?」
先生に呼びかけられてハッとして目を開けた。白と黒の液晶画面に映し出されているのは小さな小さな命。
「これが手、足、心拍もちゃんと確認できるわね」
「……ほんとだ……すごい……本当にここにいるんですね」
おなかの中で懸命に生きようとしている姿を目の当たりにして、この子を全力で守らなければと思った。
なぜそう思ったのかなんてわからない。不思議と迷いはなかった。きっとこういう感情は理屈ではないのだと思う。
「次回の診察までに母子手帳、もらってきてくださいね」
受付の女性にそう言われて私はその足で区役所へ向かった。
指定された書類に必要事項を書き込んで提出すると母子手帳とパンフレット、マタニティーマークをもらった。私はそれを大事にバッグにしまって家に帰った。
「ヴェガ、ただいま」
駆け寄ってくるヴェガの頭を撫でてやり、水を変えて餌をお皿に盛り付ける。嬉しそうに食べる様子をソファに寝転んで見ているとついうとうととしてしまった。
目を醒ますとすっかり日が暮れていた。飲まず食わずで寝てしまったせいで喉が干からびて声も出ない。
のそのそと起き上がり水をコップ一杯飲み干す。部屋に住みにいたヴェガが足元にすり寄ってくる。
「おそくなってごめんね。お散歩、いこうか」
リードを付け、エレベーターに乗り込む。体調は相変わらずすぐれないものの、理由がはっきりしたからか以前よりは辛くは感じない。
途中の階で一組の男女が乗り込んでくる。私はヴェガのリードを短く持ち直す。
女性はゆったりとしたワンピースを着ていたが、おなかが大きいのが分かった。一緒にいた男性は気遣うように彼女の腰に手を回している。
彼女も同じ妊婦だ。でも私と違うのは赤ちゃんのパパがそばにいてくれるということ。
どれほど心強いだろう。
独りで育てていくにはどれほどの苦労があるのかは想像もできない。父親がいないことでこの子が辛い思いをするかもしれない。私が病気にでもなったら……もしそんなことになったらどうしよう。
責任取れる?
「クゥン」とヴェガが鳴いた。もうすでにエレベーターはエントランスに到着していた。
「ごめん、ごめん。行こうか」
ヴェガは私の変化に気付いているのだろうか。いつもよりゆっくりと歩いてくれている。涼しい風にあたると吐き気も少し治まった。
いつもの散歩コースをたどり、帰宅すると簡単に夕食を済ませてお風呂に入った。
ここでの生活もあと十日ほど。鷹藤さんは最終公演のため都内にいるのだけれど私が部屋を借りているからホテル暮らしをすることになってしまっている。
ヴェガだって飼い主に会いたいに違いないし、部屋が決まった今、一刻も早くここを出ていくべきなのかもしれない。
風呂上がりに私は鷹藤さんへLINEを送った。ヴェガの写真とともに。
すると少しして電話が掛かってくる。
『もしもし、絢香? 話したいことなに? もしかしてなにかあった』
まるで“何か”を知っているような口ぶりに私はかすかな違和感を抱く。
「どうしてそう思うんですか?」
『だって話があるなんて言うから何かあったのかと思ってさ』
どうやら思い過ごしのようだ。私の身に起きているいろんなことを鷹藤さんが知るはずがない。
きっと心が不安定になっているからだろう。少し冷静にならないといけない。
「……あ。そうですよね。驚かせてしまってごめんなさい。いま、外ですか?」
電話の向こう側はガヤガヤと賑やかで大勢の話し声が聞こえる。
「急ぎの要件ではないので後でもいいです」
『平気さ。スタッフと食事に来てるだけだから。大事な電話があるっていってきたし、しばらくは戻らなくても大丈夫。それで、話って何?』
「早めに部屋を出ようかと思ってます。鷹藤さん都内に戻ってきたのに家に帰れないなんて不便だろうなって」
『ありがとう、絢香。僕に気を遣ってくれて。部屋、決まったんだね』
「はい。だからいつでも出ていけます」
『絢香さえよければ出ていかなくてもいいんだよ。前にも言ったけど僕は君のことが好きだし、』
「ごめんなさい!」
話を遮るように私は言った。
「いろいろとお世話になって感謝はしてます。でも、鷹藤さんの気持ちは受け取れません」
もしかしたら今後、彼の気持ちを受け入れる選択肢もあったかもしれない。でも、安西先生と子を授かってこの子と二人で生きていくと決めたから……。
『絢香。それでも僕は諦めたくない』
「鍵はマンションのコンシェルジュに預けておきます」
そうとだけ言ってスマホの電源を落とした。
私はスーツケースに荷物を詰めるとヴェガの水を替えてドッグフードを皿に追加する。
ヴェガはくーんと鳴いて私の足元に擦り寄ってきた。
「ごめんね、ヴェガ。勝手な私を許してね。鷹藤さんは都内にいるから安心して」
彼のことだ。明日にでもここに来るだろう。
戸締りを確認し、ガスの元栓を切る。毎日掃除を欠かさなかったから部屋もきれいだ。封筒に入れたわずかなお金をテーブルの上に置いて私はマンションを出た。
幸いなことに明日明後日と仕事は休みだ。今夜はホテルにでも泊まって明日、オーナーの所に引っ越しの相談に行こう。
大丈夫。すぐ住んでもいいと言ってくれていたし、どうにかなる。
コメント
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みぅです読ませてもらいました〜 妊娠判明、しかも先生の子って…😭 最後まで一人で生きていく覚悟を決めた竹光さん、本当に強くて泣ける…。エコーで赤ちゃん見た瞬間の「守らなきゃ」っていう本能的な決意、すごく響きました。ヴェガもずっとそばにいてくれてたんだね。鷹藤さんの告白断るシーンも切なかったけど、竹光さんの覚悟が伝わってきました。続きが気になります!
#恋愛
水羽凛
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#医者
GUMI。
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