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───翌日
「シオンちゃんと会うと本当に元気になるわ、ありがとうね」
『いえいえ!此方こそいつもご贔屓にありがとうございます♪
今日は暑いですからお気をつけて〜』
買ったパンを手に持ち、店を出る客を笑顔で見送る
そんなシオンを見つめるミア
「…シオンちゃん、こっちおいで」
『はい?』
「やっぱり、昨日何か嫌なことでもあった…?メイクで隠してるつもりだろうけど…」
『え?あー、えへへっ…ちょっと泣ける映画見ちゃって〜!』
そう笑うが、どこか無理しているように見える
それに唇もカサカサで荒れているし
「絶対嘘、シオンちゃんったらなんでも抱え混むんだから」
『いやいや、本当に大丈夫ですから…』
「いーや!大丈夫じゃない!!」
『大丈夫ですから…!!』
───カランカラン、
『あ、いらっしゃいま───エッ!?』
「あら、こんにちは〜」
そんなことを話していると、店の扉が開き現れた人物に驚く
「申し訳ありません。お仕事中に」
『ジ、ジプソさん!?どうされたんですか…?』
「此方を渡すよう伝えられましたので…」
そう言って渡されたのは小さな紙袋
中を見てみるとフシデが入っていたダークボールに昨日カラスバに投げつけた赤色の口紅に焼き菓子が沢山入っていた
「昨日は申し訳ありませんでした。」
『えっ!?えっ、あ、いや!全然……』
「お仕事中にお邪魔して申し訳ありません、では」
そう言ってジプソさんは颯爽とパン屋を出ていった
「……えっ?やっぱ昨日なんかあったってことじゃん!?」
『ゔぐっ…で、でも大丈夫ですから…』
「サビ組って事は、もしかしてあの背の低い男の人?」
『ほ、本当に大丈夫ですから!!』
聞こうと必死なミアに対し、シオンは逃げるように裏の工房へ入っていった
「はぁ………大変だった…」
あれからミアの鬼の質問をうまくはぐらかすのが大変だった
まさかジプソが来るとは思いもよらなかった
歩きながら、近くのベンチに座り紙袋の中を見る
『私が好きなお店の焼き菓子だ……』
袋をひとつ開けて、焼き菓子を頬張りながらもう一度紙袋の中を見ると黒色の手紙が入っていることに気づき、焼き菓子片手に手紙を見る
〖昨日は本当にすまんかった。
お前はなんも悪くないのに、自分の感情ひとつ抑えきれずお前に当たってしまった
封筒の中のもんは、お前のもんやから自由に使ってええ。
これくらいで許されるとは思っとらんけど、受け取ってや
本当にすまんかった。〗
『封筒…?』
手紙で隠れて見えなかったが、これまた黒色の封筒が入っていることに気づきそれを開ける
『……ひぇっ!?』
封筒の中に入っていたものを見て驚く
封筒の中に入っていたもの、それは全人類喉から手が出る程欲しい〖黒色のカード〗だったから
『えっ!?え!?えっ!?ななな何してんのあの人!?』
慌ててカードを封筒の中にしまい紙袋の中に突っ込むように入れる
『ブラックカードなんか初めて見た…
えっ!?どういう事!?』
〖チャ?〗
戸惑うシオンをアチャモが不思議な顔で見ていた
「カラスバ様はご不在ですので…」
『いや居ますよね!?ぜっっったい居ますよね!?』
「いえ、ご不在です」
カードを見てからすぐに事務所へ向かうが門の前でまるで来ると分かっていたと言うような顔をしたジプソに止められる
『ッー!!ならこれ渡して下さい!!』
「いえ、そちらは受け取るなと言われておりますから」
『なっ!?』
「お引き取り下さい」
そう言って、事務所をそのまま追い返されてしまう
『連絡も全部ブロックされてるし…!!』
〖ヂャヂャ!!〗
嫌われた訳ではないだろうが、あからさまに避けられているのは分かる
『でも確かに…私…馬鹿なことしたな……』
ベンチに座りながら考え、昨日自分のした事に落ち込む
沢山喜んでもらえて、褒められたから完全に浮かれてしまってた
カラスバさんの気持ちを知っていたのに、違う男性から受け取った物を身につけて会いに行くなんて馬鹿にも程がある
こんなのカラスバさんに嫌われて当然だ
逆に嫌わず、こんなモノを渡してくるカラスバさんの心は広い
『カラスバさんに…謝りたいのにな……』
アザミは朝にしばらく会えないと言われてしまってるし…
「あれ?シオン?」
『ん?セイカ?』
ため息を着き落ち込んでいると、前からガイが手を振りながらこっちに向かってきていた
──カフェ・ひとめぼれにて
『ってことで…どうしたらいいかな。全然会えなくて…』
「うーん…カラスバさんだもんね〜……」
まだ若いセイカには、〖自分が原因で喧嘩をしてしまってカラスバさんに会って謝りたいが面談拒否されている〗というていで話している
「でも、あのカラスバさんがシオンに対してそんな風に出るなんて珍しいね」
『えっ?』
「だってカラスバさん、よくバトルする時も会った時もシオンの事ばっか聞いてくるから余程好きなんだなって思ってたの」
セイカ曰く、カラスバはよく私の事をセイカから根掘り葉掘り聞いていた様子
『…だから色々知ってるんだあの人……』
「というか、シオンはカラスバさんが好きなの?」
『えっ!?えっ、そ、れは……ゔ……』
セイカの言葉に顔を赤くし、ゆっくり頷く
「えー!?なんでカラスバさん!?ガイは!?」
『え、と……カラスバさんの方に気持ち動いちゃったというか…ガイは…好きな人居るみたいだし………』
「えっ!?そうなの!?誰だろ…デウロ?それかあの手伝いの……」
いや、アンタ!!とツッコミたくなるのを何とかこらえる
『セイカはガイのこと好き?』
「え?まぁ、なんやかんやで憎めないよね〜!」
そう言って笑うセイカの笑顔が眩しい
「とういかズレちゃったね、もう日も暗いし今日はホテルに来たら?デウロ達も会いたがってたし!」
『うーん、じゃあそうしよっかな…』
〖ンチャ!〗
そう笑うとアチャモも嬉しそうに一鳴きした