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、、、、、ね!なんだ?なにか聞こえる・・
、、、らぁ!
五月蝿うるさい。静かにしろ。
、、死ねぇ!
ああ、もう。静かにしてくれ。
??「はっ!」
目が覚める。
突如眼に入った快晴の空に、目を閉じる。
急な光に耐えられない。
左から、雄叫びが聞こえる。
自分は、何をしているんだ・・・?
兵士「死ねぇ!」
敵「兄貴の仇ぃ!」
思い出した。
今は戦争中だ。
俺は・・・吹っ飛ばされたのか?
敵は近くにいない。
顔を左に向ける。
剣を持った奴らが、戦い合っている。
斬って、斬られ、倒れていく・・・
そうだ、俺は吹っ飛ばされて気絶していたんだ。
そして、やる事も思い出す。
国を守らなければ。
体を持ち上げる。
右足が痛い。多分折れている。
でも、そんなの関係ない。
左足で補助しつつ、進む。
敵を見つける。
敵「む!?敵見つけたり!!」
??「ウオラァ!」
腰に挿していた剣を抜き、斬りつける。
敵「グハァ!!??」
切り口から血が噴き出る。
顔につく。
相手が倒れる。
??「はぁ・・はぁ・・まだだ。」
次の敵を見つける。
??「うおぉぉぉ!!!」
次々に、敵を斬りつける。
返り血を浴びて、鎧が赫く染まる。
鋼色に染まっていた刃も、血が滴っている。
国を守るため、あいつを守るため、
敵を、斬らなければならない。
夢双の一太刀、第一話「守るため」
352年、羅華王国、城内・・・
日が明けて4時間が経った。
国王「ドルバよ、よくやった。」
ドルバ「はっ。」
国王「1日中敵を殲滅したと聞いたぞ。見事だ。」
ドルバ「容易い事です。」
国王の部屋は、あまりにも質素だ。
無駄なものは何一つない。
小さな机、書斎の棚、国王の武器・・・
だが、それが良い。そう思っている。
無駄な圧に押されないような、静かな空間・・・
国王「報酬は、3日後また呼び出す。遣いを送ろう。」
ドルバ「分かりました。有難うございます。」
国王「堅苦しい。我の前で足を崩しているくせに・・・」
ドルバ「そうですね・・・慣れてしまったというか。」
部屋の中には、国王とドルバしかいない。
机の周りには、座布団が二つ。そこに、国王とドルバが座っている。
窓の光が2人を照らす。
そして、ドルバが城を出て、家に向かった。
ドルバ「3日後の報酬が楽しみだ・・・ん?」
雨が降ってきた。
2ヶ月ぶりの雨で、民衆は喜んでいた。
降らなくても大して困らんのに・・・
歩いて五分ほど経った時、雨宿りしている女性を見つけた。
少し質素な服を着ていて、この周辺では珍しかった。
その瞬間、空が白く光った。
ドルバ「お!!雷が落ちる・・・!?」
光って1秒もしない間に、目の前に雷が落ちた。
落ちた雷の中に、あの女性がいた。
ドルバ「なにっ!?」
目の前の女性に、雷が落ちる。
その反動で、雨宿りさせていた店の店主も気絶する。
ドルバ (最悪だ・・・!)
すぐにその場に駆け付ける。
ドルバ「大丈夫か!?意識は!?」
女性に反応は無い。
ドルバ「くそっ・・・城に戻るしかない!」
女性を担ぎ、走り出す。
2分ほどで、門に辿り着く。
ドルバ「誰かいないか!?女性が落雷に打たれた!!」
10秒もしない間に、国王と医療班が駆け付ける。
国王「なんと!?落雷・・・!」
ドルバ「俺がいたっていうのに・・・!」
国王「医療班、すぐに治療室へ!」
医療班「はっ!」
女性を担ぎ、医療班は城内へ走っていった。
ドルバ「くそ・・・もっと早く反応していれば・・・!」
国王「まだあの女性が死んだと決まったわけじゃなかろう。」
重い空気が流れる。
国王「私の部屋で待っておるのだ。」
ドルバ「え、いいんですか?」
国王「彼らはプロだ。治療速度も伊達じゃ無い。すぐ終わる。」
ドルバ「・・・はい。そうさせて頂きます。」
国王「私はこれから少し用事がある。1人で待つんだ。」
そう言い残し、国王は門から左の方に向かっていった。
国王の部屋に入り、15分経った。
ドルバは、やりきれぬ気持ちを込めたまま、長いようで短い時間を過ごしている。
ドルバ「大丈夫だろうか・・・。」
その時、思い切り階段を駆け上がる音が聞こえてきた。
ドン!
勢いよく襖が開けられる。
医療班「女性の意識、戻りましたっ!」
ドルバ「本当か!?」
医療班の後を追い、治療室へ向かう。
中に入ると、そこには薄い布に巻かれた女性が居た。
体に目立った外傷は無いらしい。
医療班「あ、あなたを助けてくれた恩人が戻ってきましたよ。」
医療班の1人は声をかけると、女性は驚いたような顔をして、
女性「本当ですか?どんな姿でしょうか?」
と言い放った。
ドルバ「え・・と、見えてないのでしょうか・・・?」
女性「すいません、落雷後、目が見えていないのです・・・。」
ドルバ「そんな・・・・!」
その場に膝から崩れ落ちる。
自分がいたのに、すぐ助けれたと思ったのに・・・!
遅かったのか・・・!
女性「あなたのせいじゃありませんよ。自然のわがままみたいな物ですよ。」
ドルバ「いや、俺のせいです。すぐ気づけなかった・・・俺のせいです・・・!」
「何か、俺に、出来ることはありますか・・・・?」
医療班「!?」
女性「え・・・・?」
ドルバが頭を下げる。
ドルバ「貴方の目が見えなくなったのは、俺のせいです。そう思っていて下さい。」
「だから、何か一つ、願いを言って下さい。必ず叶えて見せます・・・!」
医療班「ちょっと、それは・・・」
女性「じゃあ、1つあります・・・。」
ドルバは覚悟していた。
大金でも、自分の命でも、なんでもやると、覚悟していた。
女性「私と暮らして貰えませんか?」
ドルバ「・・・え?」