テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
取調室の机の上に、一本の古い警察支給の拳銃『サクラ』が置かれていた。そのシリアルナンバーが示す持ち主は、警察の副総監「小山伸一」。15年前に勇一と輝道の父親を無実の罪で追い詰めた張本人であり、殉職した小山萌子の実の父親だった。
「小山副総監……あいつが、裏組織のトップか」
勇一は押収された銃のデータを睨み、拳を握りしめた。パイプ椅子に座る輝道が、冷徹な目で告げる。「ああ、兄さん。佳奈子を操って朝原卓の身分を偽装させ、裏社会の金を牛耳っていたのはあの男だ。萌子を俺たちの警護につけたのも、佳奈子が失敗した時のための『保険(人質)』だったのさ。実の娘すら道具にする、本物のイカレ野郎だ」
萌子の葬儀の翌日。勇一の前に小山伸一本人が現れた。
「高橋刑事。娘の萌子は、脱獄犯の亀井輝道に突き落とされて殉職した。……これ以上お前がこの事件に関わる必要はない。輝道の身柄は、本庁の別班に引き渡せ」
「黙れ!」
小山は副総監の権力を誇示し、娘を失ったことへの悲しみなど微塵も見せず、ただ証拠の隠滅を急いでいた。その冷酷な目を見た瞬間、勇一の心に迷いは消えた。
「…拒否します。亀井輝道の取り調べは、私と所轄が最後まで行います」
「……そうか。ならば、お前も『父親』と同じ道を辿ることになるぞ」
小山は冷たく言い放ち、取調室を去った。
コメント
1件
うわ…第12話、一気に核心に迫ってきましたね。小山副総監が裏組織のトップで、実の娘すら「保険」として扱っていたという衝撃。萌子さんの葬儀の翌日に現れて証拠隠滅を急ぐその冷酷さに、勇一さんが「黙れ!」と叫ぶシーン、鳥肌立ちました。父親の無実を晴らすために、権力に立ち向かう決意が固まった瞬間、すごく熱かったです。次が気になります。レッドゾーンさん、続き楽しみにしています!