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《曽野舜太》
____考え続けた末に____
最後まで分からへんかった。
正解があったんか
順番が決まってたんか
それとも、みんな偶然だったんか。
考えても、
考えても、
答えは出えへん
せやから俺は、最後まで考えていた。
この部屋には、もう誰もおらへんかった。
声も、
足音も、
笑い声も。
あるんは、ガラスの向こうに立つ四つの存在だけ。
塩﨑太智
山中柔太朗
吉田仁人
佐野勇斗
それぞれが、動かんまま、意味だけを残している。
「……俺だけ、か、、」
そう口に出したとき、不思議と怖くはなかった。
残った、というより、遅れてきただけや。
みんなが決断したあとで、ずっと後ろから考え続けていただけやから。
俺はいつもそうや
即断せえへん。
勢いで決めへん。
一度立ち止まって、別の可能性を探す。
そのせいで、チャンスを逃すこともあるし、 誰かを待たせてしまうこともある。
それでも、それが俺の生き方やった。
一つ残った空のガラスケースの壁に描かれたライラックは、静かな色をしていた。
派手やない。
でも、確かにそこにある。
花言葉は、
【思い出】
【友情】
そして、
【静かな決意】
「……あぁ、笑」
ようやく、腑に落ちた。
みんなは、自分の役割を行動で示した。
太ちゃんは覚悟を
柔ちゃんは祝福を
仁ちゃんは言葉を
勇ちゃんは希望を
ほな、 俺は…?
考えることしか、してこんかった俺は…
答えは、 最初からあった。
見届けること。
そして、 意味を固定すること。
動かない存在になることで、この物語を終わらせる。
それ以上、 誰も選ばなくててええように。
何年も兄たちの背中を見てきた俺ならわかる。
「……これで、 終わりにしよ…」
誰に言うでもなく、俺はそう呟いた。
それは諦めやない。
逃避でもない。
考え抜いた末の、結論や。
ガラスの前に立つ。
自分が中に入ることを、初めて選んだ
迷い続けた人間が、最後に選んだんが動かないことやなんて、少し皮肉やと思った。
でも、
それでええんよ。
標本になるというのは、消えることやない。
問いを、問いのまま残すこと
答えを出さず、誰かに委ねる。
それは、考える人間にしかできない役割やった。
四人を見た。
誰もこちらを見返さない。
でも、確かに繋がっている。
「……結局"誰か"を犠牲になんで出来んよな、、ほんま俺たちらしいわ笑…ありがとう。大好きやでみんな。ほな、また会おうな、」
いつでもおもろくて一緒にふざけてくれる太ちゃん
いつも俺を肯定して背中を押してくれる柔ちゃん
歳関係なくちゃんと真っ向から言葉をくれる仁ちゃん
そして俺がのびのびと入れるように甘やかしてくれる勇ちゃん
俺の大好きなメンバーやで、ほんまに、笑
ちょっと長くなったな
俺ももう、いくわ
その言葉を聞く者はいなかったが、それだけは、はっきり出た。
番号⑤
曽野舜太
俺は【友情】を置いていった
そして、五人は新たな出会いを求めた。
花は、 五つ揃った。
意味も、
役割も、
これ以上増えない。
だから、これでいい。
物語はここで固定される。
それぞれの枷となった感情と共に____.