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結婚相手を間違えました

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結婚相手を間違えました

35 - 第35話 裏切りにはそれ相応の制裁を③*

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2025年03月02日

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偉央いおが激情にかられて結葉ゆいはの舌をなぶるたび、そのまま舌を噛みちぎられて殺されてしまうのではないかという恐怖と闘っている結葉ゆいはは、当然そのキスから快感なんて得られるはずもなくて。


ボタンを引き千切るように乱暴に前を肌蹴させられて剥き出しにされた胸に触れられても、ただただ怖いとしか思えないから、下もちっとも濡れてこない。


そうして、こういう時の偉央いおは、胸もまるで罰でも与えるみたいに強く揉みしだくから、ただただ痛くて怖いだけなのだ。


大抵こんな風に乱暴に胸をもてあそばれた後は、しばらくの間まるで所有痕しょゆうこんででもあるかのように、偉央いおの指の形にアザが出来てしまうのが常になっている。


それはキスマークとは違って、明らかに打ち身に似た鈍い痛みを結葉ゆいはの身体に残すのだ。



結葉ゆいはは僕が怖い?」


そんな結葉ゆいはの耳元、偉央いおがささやくようにそう問いかけてきて。


結葉ゆいはは素直に「はい」とうなずくのが正解なのか、「そんなことありません」と首を振って嘘をつくのが正解なのか分からなくて戸惑ってしまう。


「――僕はね、結葉ゆいは。キミが僕を恐れてくれればいいと思ってる」


何も答えられずにギュッと縮こまってしまっている結葉ゆいはの耳朶を少し強めに噛んで、偉央いおが吐息を落とした。


「そうすれば、いくら馬鹿なキミだって、僕から逃げようなんて愚かなこと考えなくなるだろう? そんなことをしたら後が怖いからね? ――そう、例えばこんな風に……!」


言うなり、偉央いお結葉ゆいはの頭をグイッと押さえつけて、そそり立った屹立きつりつの前にひざまずかせた。


くわえろ」


言って、結葉ゆいはの唇にグイッとそれを押し付けてくる。


結葉ゆいはは涙に濡れた目をギュッとつぶって、恐る恐る偉央いおのものを口に含んだ。


懸命に偉央いおのものを頬張った結葉ゆいはの後頭部をグッと押さえつけるようにして、喉奥にわざと刺激を与えると、結葉ゆいはが苦しそうにくぐもった声を上げる。


そのたび、喘ぐように開かれた口の端から唾液が溢れて偉央いおを濡らしていく。


「僕が……こうするのはっ、……結葉ゆいはの、ためでも……あるん、だよっ?」


結葉ゆいはの髪の毛を掴んだまま乱暴に彼女の頭を揺り動かしながら。

結葉ゆいはの口淫から与えられる刺激のためだろう。

時折吐息を漏らしながら偉央いおが言う。


結葉ゆいははっ、僕がこんな風に折檻すると……濡れ、てこないから、ね? こうやって濡ら、しておかないとっ、挿入いれられた時、辛いだ、ろっ?」


実際には偉央いお自身も濡れていない結葉ゆいはに無理矢理ねじ込むのは痛みを伴う。


最初のうちはそれでも何度か乱暴にかき回すうち、彼女が懸命に蜜を吐き出してくるからそれに任せていたけれど、最近はこうやって予め結葉ゆいはに舐めさせる方がいいと学んだ偉央いおだ。



わざと時折結葉ゆいはの喉奥を突くようにして彼女に苦しい思いをさせるのは、こんな目に遭いたくないなら二度と自分を裏切るような真似はするなという牽制けんせいも兼ねている。


だけど偉央いおの知る限り、結葉ゆいはと言う女性は、これまでにも偉央いおを怒らせることを何度も何度も引き起こしているのだ。

その度に「もう二度と同じてつを踏まないで?」と言う願いを込めて痛い目に遭わせるのだが、結葉ゆいは偉央いおの感覚はズレているのだろうか。彼女は――恐らく悪気なんて微塵もなく――偉央いおを苛立たせることをしてくれる。


いつになったら結葉ゆいは偉央いおが望むような「従順な妻」になってくれるのだろうか。


偉央いおだって愛する結葉ゆいはに笑っていて欲しくないわけじゃない。

だけど彼女の手綱たづなを緩めることで、結葉ゆいはが自分から離れて他の男とどうこうなる姿を見せられるくらいなら、結葉ゆいはの笑顔を消しても構わないから、永遠にこの部屋に閉じ込めてしまおうかとすら思ってしまう。


ギリギリのラインで結葉ゆいはを物理的に縛り付けることだけはセーブしている偉央いおだったけれど、それも正直そろそろ限界な気がしている。


そんなことを暴露したら、結葉ゆいははさすがに自分から逃げようと足掻くだろうか。




結葉ゆいは、あっちを向いてひざまずけ」


ズルリと結葉ゆいはの口腔内から固くなったモノを抜き取ると、肩で息をするように喘ぐ結葉ゆいはに休む間を与えずそう命令を下す。


結葉ゆいはにとって無理難題を吹っかけるのは、偉央いおにとってある意味結葉ゆいはがどのくらい自分に服従出来ているかを知るための儀式だったりする。


偉央いおさっ、……私っ――」


結葉ゆいはがバックを嫌うのは想定の範囲内だ。

後ろから突き上げられると、奥まで届き痛みを伴うらしい。

それを知っていて、偉央いおは敢えて後ろを向けと命じたのだ。


「もしかして……『出来ません』とか言うつもりじゃないよね?」


結葉ゆいはのあご下に人差し指を添えると、ツッと顔を上向かせて畏怖いふの念に揺れる彼女の瞳を覗き込む。


「いまの結葉ゆいはは僕に逆らえる立場?」


畳み掛けるように退路を塞いで冷ややかな声音で問い掛ければ、結葉ゆいはが絶望的な顔をして潤んだ瞳を曇らせた。

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