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⚠️ATTENTION⚠️
・血が流れる表現があります。 だいぶグロいです。
・モブですが軽く死人が出ます。
・反省はしてます。後悔はありません。
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血の匂いの充満する道を歩く。
その狭い路地裏のような道には、何かを引きずったような血の跡がべっとりと張り付いて続いていた。
その血痕を辿るようにして歩く。
そして目的の場所に着き、足を止めた。
まず目に入るのは引きずった血痕の先にある大きな血溜まり。
建物の壁にまで血飛沫が及んでいる。
その血溜まりの中に、探していた人物が何かを抱えて座っていた。
卐 「…日帝」
彼からの反応はない。
私に背を向けているため表情も分からないままだ。ただ私はこの血溜まりの血が彼自身のものでは無いと知っていた。
卐 「日帝」
今度は肩に手を添えて言った。
☀︎「……!」
私に殺気を向けながら振り返る。
その赤い瞳は狂気を収めて鈍く光っていた。
☀︎「……せん…ぱい、?」
私の姿をしっかりとその瞳で捉えると、彼ははっとしたような顔になる。
卐 「…全く、任務の後は血を拭けといつも言っているだろう」
☀︎「ぁ…ふふ、済みません」
日帝の顔に散った血飛沫を拭いてやる。
卐 「ところで…標的は?」
彼の瞳に再び鈍い光が宿るのを見逃さなかった。
彼はこの場にそぐわないような無邪気な笑みを浮かべたあと、ずっと抱えていた“それ”を私に見せた。
☀︎「もうなくなりました」
“それ”は今回殲滅すべき標的の死体だった。人間だったとすぐにはわからないほど形は崩れている。亡くなった、のではない。無くなった、のだ。
卐 「…そうか どうやった?」
☀︎「護衛の者が2名いたので先に首を落として…“これ”は刺して処理しました」
無邪気な表情のままそう言った。
標的の亡骸から少し離れたところには、首をなくした変死体がふたつ無造作に転がっている。
標的の体も、ただ刀で一刺しではない。滅多刺しにしたのだということが見てわかる。
卐 「最後に聞こうか。何故何度も刺した?」
☀︎「先輩を裏切ったんですから。このくらい当然の制裁でしょう?いいやこれでも足りないくらいですね」
それは狂気すら窺える純粋な笑み。
純粋な破壊は、知性なき害獣の破壊とよく似ている。
両者とも目に見えるものを全て破壊し尽くしてしまうからだ。だが本質は全く別物だ。純粋な破壊をする者は、それを破壊だと気づかないのだから。
卐 「はは、そうか。よくやったな」
☀︎「有難うございます」
彼は血のついた刀を払い、鞘に収めると抱えていた死体をどちゃりという鈍い音をさせながら血溜まりの上に落とす。
そして立ち上がる。
私は後から来た部下にここの後始末をするように指示した。
☀︎「…帰りましょう」
彼が子供のように無邪気に笑いながら私にそう言う。私もそれにつられて微笑んだ。
密度の高い夜の闇に、飽和するほど広がった血液の匂いを感じながら。
正しく汚れていく彼を、私はどうしようもなく気に入ってしまった。
あまりに残虐的な、それでいて美しささえ感じる彼になにもかも魅せられているのだ。
***