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病室を覗くと、北斗がしんどそうにしながら横になっていた
まだ意識は戻っていないらしいが、とても苦しそうだった
「はぁっはぁ…」
乱れた呼吸を繰り返す北斗は、自分の頭を強く掴んでいる
「脳腫瘍ってどんなの?」
俺は思わず聞いた
すると医者に説明を受けた樹が
「北斗の場合は膠芽腫?とか言うやつで、脳腫瘍の中でもすごい…悪いやつらしい。腫瘍の場所的に完璧にとることはほぼ不可能らしくて…あと、もって1年だって」
と答えた
もって1年、1番ききたくない言葉だった
こんなにも簡単に幸せは崩れてしまうのだなと思った
「…ぇ…みんな?」
俺たちがずっと求めていた、馴染みのある声が聞こえた
「北斗!」
思わず俺たちは北斗に駆け寄り、抱き締める
これが、いやこれしか、俺たちにできる事はなかった
「俺…倒れたの?めっちゃ頭痛いんだけど」
「撮影場所で急に倒れたんだよ、北斗。
でさ、受け入れられないかもしれないんだけど、今から俺が話すことよく 聞いててね、」
状況がよくわかっていない北斗に樹が小さい子をなだめるようにして言った
「北斗は、膠芽腫っていう悪性の脳腫瘍だったんだ。これから北斗はしばらく入院して、手術を受ける。
でも、腫瘍がある場所的に完全には取れないらしくて、だから、その」
樹の目にも北斗の目にも光るものがあった
「もう…いい。一旦、みんな出て行って… 」
北斗は樹を含めた俺たちを病室から出した
耐えられなかったのだろう
重苦しさを感じる病室の扉の隙間から、北斗の泣き声が聞こえた
それから少しして、医師が北斗の病室に入って行った、これからの説明をするのだと言う
医師が出てきたその後、北斗の病室に入るとこちらを謝った
「本当にごめんなさい…なんでこんな事になったんだろう。ごめんなさい。ごめんなさい。SixTONESは、もう終わっちゃうのかな?」
俺は、動けなかった
なんにもしてあげられない自分の無力さに気付いたからだろうか?
体調が悪かった北斗をもっと心配できなかった のだろうか?
過去を悔やんでも何も変わらないのはわかってるけど、こんなの…あんまりだ
「京本…!どうしたの、」
俺が余計なことを考えている時、大我は北斗を抱きしめていた
大我は泣きながら北斗へ、
「謝らないで!ネガティブになるなよ!どんな事があってもSixTONESはなくならない、たとえ誰かがいなくなっても、でも!精一杯生きろ!北斗は今までもずっと頑張ってきたでしょ。どこまでも俺達が支えるから!もっと頼っていいから…大好きだから! 」
SixTONESという名の物語が、また始まったような気がした…