テラーノベル
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今日は雑誌の撮影とインタビュー。
俺はメンバーカラーである赤のVネックのニットカーディガンに、センタープレス入りの黒のワイドスラックスという、綺麗めな服装で臨んだ。
俺の他にあと2人、太ちゃんと柔太郎も一緒だ。太ちゃんもさすがに今日はおしゃれな出立ちで、黒いオーバーサイズのブルゾンにワイドデニムを合わせたスポーツミックスなコーディネイトでとてもよく似合っている。
柔太郎もデニムセットアップで、中に着た白いニットがすっきりと綺麗な雰囲気を出していて、柔太郎の手足の長さとさらりとした長身が上手く活かされている。
広いソファに3人、ゆったりと深く腰掛けた。
既に撮影は順調に終わっており、残す所はインタビューだけとなっている。
「はーい、今日もよろしくおねがいしまーす」
馴染みのライターさんとあって、かなりリラックスした雰囲気でゆるりと始まっていく。半分以上は記事にならないことも理解しているものの、ひさびさメンバーで話せるのが楽しくて、いろいろと話したいことがありすぎて、時間内に終わる気はしていない。
「そういえば、今日は、年上組がいないんですね〜、いないからこそ言えるお話とか、なんかあります?」
話題はついに、今日この場にいない残りのメンバーに移った。
「勇斗と仁人なぁ〜なんやろ、むしろありすぎて何から話そう」
「せやんな!ありすぎるんよなぁ、あの二人」
「それで言ったら、俺この間また二人だけの空間になってるの見ちゃったんだよね」
「えっ、なになに?」
俺は、自分も話そうと思っていたエピソードトークを一旦保留し、柔太郎の話に食い付いた。
「なんかぁ、ライブ終わりに二人は仁ちゃんとご飯食べに行ってたじゃん?あのYoutubeで流れてたやつよ。あれ、ホテルに帰ってきた後、知ってる?」
「え、何?」
柔太郎の柔らかで落ち着いた話し方に、太ちゃんが食い気味に被せた。
「そもそもね、俺と勇ちゃんはホテルのバーにいたのよ、ライブ後の打ち上げも兼ねて今後のグループの方向性とかね、結構真面目に話してたのよ、そしたらホテル戻った仁ちゃんがそこに来てさ、柔太郎これ、ってとうもろこし揚げをお土産に持ってきてくれたのね」
「えっ!仁ちゃんほんまに買ってたんやあれ!」
さすがリーダー。
「そしたら、勇ちゃんが、え俺には?俺にはないの?って仁ちゃんに詰め寄ってさぁ、仁ちゃんも、勇斗には何もないよっていつもみたく冷たく言い返したもんだから、勇ちゃんが俺のこと思い出してくれなかったの?って拗ねちゃって」
「あ〜いつもの甘える感じね」
言いながら太ちゃんは、勇ちゃんの真似なのか顎の下にぐーの手を揃えて待っていく。そのポーズがナチュラルに可愛いのは、仁ちゃんだけやで思う。
「もぉそこからは完全に二人の世界よ。仁人俺のことなんてどうでもいいんだ〜みたいな勇ちゃんに、いつも勇斗のことばっかり考えてるよって、呆れながら仁ちゃんが言ってあげてさぁ、でも結局納得いかなかった勇ちゃんに連れられて二人して部屋に戻っちゃったんだよね、俺のこと置いて」
「えぇ!?まじで!?」
話を聞いてたライターさんまでもが驚きの声を上げる。
「で、バーには俺ととうもろこし揚げだけが残されたってわけ」
「やってんなぁー!あの二人!でも、俺も会ったんよね、勇斗と仁人に」
柔太郎のエピソードに続いて、太ちゃんが話し始めた。またもや俺は聴く側に回る。
横に着いていたカメラマンさんが、カシャリと談笑シーンを収めた。
「俺は、二人が部屋に入るところで会ってさ。もう寝ようと思ってたから声だけ掛けたのよ、どうしたん?て。そしたら、今から勇斗の部屋で二人で飲み直すって言ってて、まぁ、会議も含めてってことだろうから、年長組は大変やなぁ〜とは思ったんだけど、な〜んか怪しかったんだよねぇ、だって勇斗ががっしり仁人の肩抱いててさ!」
「てかさ!最近の勇ちゃん、仁ちゃんのこと触りすぎじゃない?」
「ほんまほんま!まっじで、仁ちゃんにベタベタしすぎやろ!俺、ライブ中もあの二人の絡みに割って入る演出あるやん、あれ勇ちゃん、仁ちゃんに触りたいだけやと思てるもん」
「それなぁー!!」
柔太郎と太ちゃんの声が重なった。
ここまで、あくまでもネタ的なエピソードトークに、俺はこの後自分が見たことを話すか話すまいか、一瞬迷う。
炭酸@サイダー🌠💙🎧️
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迷った上で、やっぱり話したいから話そうと心を決めた。だって、一人でモヤモヤしとるの嫌やもん。
「あんなぁ、俺もあの日二人に会ってん。時間的には結構遅かったと思うんよなぁ、たぶん深夜は回ってたような気がする」
「そんな遅く?」
「そう!俺、人がいなくなったら露天風呂入ろう思ってたやん。で、男風呂に向かったら、顔真っ赤にした仁ちゃんを抱えた勇ちゃんとすれ違ったんよ!しかもお姫様抱っこ!」
「えぇえ!?」
柔太郎が間抜けな声を上げた。
「な?やばいやろ!?何があったん!?って勇ちゃんに駆け寄ったら、二人で露天風呂に長いこと浸かってたら仁ちゃんがのぼせちゃったんやって。水とか買ってこようか?って聞いたんやけど、いらないって言われちゃって」
「それさぁ、まさかだけど…」
柔太郎の言葉に俺は咄嗟に耳を塞ぐ。
「やめてー!それ以上はあかんてー!」
周りのスタッフさんたちを見れば、みんな顔を赤らめている。
そやんな?そやんな?そういう反応になるの普通やんな?
今日まで気まずい気持ちを一人で抱えていた俺は、皆に共有できたことで心が晴れてきた。
「まぁー、でも例え二人がそういう関係だったとしても、俺たちは優しく守ってあげような?」
太ちゃんはもう興味をなくしたのか、それとも早く家に帰りたいのか、優しそうな台詞とは裏腹に真顔で言った。
本気なのかネタなのかわからないトーンだったけど、後日出来上がった記事には、最後に「(笑)」と書かれていて、一連のエピソードが面白おかしく仕上がっていたので、編集の力は偉大だと改めて感じた。
「……」
あの後、別の撮影のためにメンバー全員で集まった楽屋で、出来上がった雑誌を仁ちゃんに渡した。
インタビュー記事に、思いの外、仁ちゃんと勇ちゃんのことが長々と書かれているのを見て、じわじわと顔を真っ赤に染め上げた。
「…こ、これ…、俺、舜太に会ったっけ…?」
どうやら最後の話については記憶がないらしい。
「まぁ、仁ちゃんのぼせてたんやもんなぁ、覚えてないんもしょうがないよ」
フォローなのか、さらに差し込んだのか自分でも分からないが、俺の言葉に仁ちゃんは項垂れた。
「…も、外歩けない……」
小さく溢れた声は、騒がしい楽屋に飲み込まれていった。
コメント
1件
うわ〜待ってこれめっちゃいい!💕 雑誌のインタビューって形でメンバー同士の仲良しエピソードが次々出てくるのが楽しかったです!特に勇ちゃんの仁ちゃんへのベタベタっぷりとお姫様抱っこはもう完全にアウトじゃないですか…?!最後に雑誌見て真っ赤になる仁ちゃんも可愛すぎます🫣 あんこさんの書くグループの空気感がすごくリアルで、読んでてこっちまでニヤニヤしちゃいました🌙