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及川「 」🌸『』
透と手を繋いで街を歩いていると、数分もしないうちに異変に気づいた。
——視線。
特に男の人たちの視線が、やたら刺さる。
透はそのたびに私の手をぎゅっと強く握ってくる。
「……ちょっと、見られすぎ」
声が低い。
さっきより明らかに不機嫌。
『透、大丈夫だよ。気にしなくていいって』
そう言っても、透は全然納得しない。
「気になるに決まってるでしょ。
……俺の彼女なんだから」
信号待ちでふいに腕を引かれ、
胸に抱き寄せられた。
「くそ……ほんと、かわいいのが罪だよ」
耳元で小さく言う透。
その顔はもう限界ギリギリ。
そして、ふっとため息をついたあと——
「……ねぇ、もう帰ろ。
外にいられる気がしない」
『え?』
「もう無理。
誰にも見せたくない」
はっきり言い切った透は、
そのまま私の手を引いて駅へ向かう。
帰り道、ずっと腕を絡めて離さない。
エスカレーターなんて完全に密着状態。
⸻
お家に着いた瞬間、甘いスイッチが入る
部屋に入った途端、
透が玄関で私を壁にふわっと押し寄せるように抱きしめた。
「……やっと俺だけのところに戻ってきた」
声が甘く落ちる。
「外はほんと無理だった…
ずっと不安で、ずっと嫉妬して、
ほんと、泣きそうだった」
さっきの強気な態度が嘘みたいに、
胸に顔を埋めてくる。
『透…大げさだよ』
「大げさじゃない。
……好きすぎてどうかしてる」
ぎゅうっと抱きしめられて、
腰に手が回される。
「ねぇ、今日はもう外行かない。
ずっとここにいよう?
俺とだけ、いちゃいちゃして」
顔を上げた透の目がとろんと甘い。
「キス……していい?」
聞くくせに、
聞き終わる前にそっと唇が触れる。
軽いキスから始まって、
抱き寄せる腕が強くなっていく。
「ん…外で我慢した分……
いっぱい甘えてもいいよね?」
耳に落とされた声が震えてて、
その後はもう、透の独占欲と甘さに包まれるまま——。
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