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「ちょっと渚〜?あんたまたボーッとして、、、早くしてよー!」
「、、、うん」
「あらやけに素直〜、、、って、人の話聞いてないだけでしょ!遅れたら店長に怒られるよー」
「あっ、それは嫌だ。全力回避」
私は四つん這いで準備を始める
「次からの脅し文句決定したわ」
瑠衣は楽しそうにそう呟いた
朝ごはんはごはんと味噌汁、さらに小さな容器に入ったサラダだった
全速力で流し込んで、時計を見た
まだ時間があったので、家でメイクを済ませることにした
メイク用のでっかい箱から使えそうなのを取り出して、私用の鏡の前に立った
昔親につけられた首の火傷の跡にふれる
ガスバーナーを押し付けられた時は流石に
泣き叫んだ
生々しくて、苦手な人は見ただけで発狂しそうだ
瑠衣は、家出中変装するためメイクを一から学んだらしく、私に火傷の隠し方を教えてくれた
自分の手が器用なのが救いだった
いつも通り顔のメイクから始める
本当はナチュラルメイクでふんわり可愛くしたいんだけど、仕事上そうはいかない
より白い肌とより赤い唇、長いまつ毛が求められる
さらに茶色のカラコンを入れ、髪をコテで巻き、ピアスをつければ仕事場での私が完成する
「瑠衣、準備できたよー」
「あんた準備だけは早いよね、尊敬。
よっし、じゃー行くよ。鍵忘れないでよね」
「わかっとるわい」
家を出て、鍵を閉めた
階段を降り、私たちは都心部中の都心部まで電車でやってきた
私たちが住んでるところもなかなか賑やかだけど、スクランブル交差点とか見てたら、あー、ここが本当の都会なのよねってなる
駅から15分ほど歩くと、私達が働く人気ガールズバーが見えてくる
そう、私達はそういう仕事をしているのだ
でもこのお店は比較的安全で安心
店長は癖の強いイケメンだけど、私達の過去のことや未成年だということもきちんと考慮してくれている
隣に座るとか、アフターとかは一切なし
変な人にお店で絡まれたらすぐに対応してくれる
加えて、朝から夕方という安全な時間帯で働かせてくれている
「てんちょーおっはー」
「あら渚ちゃん瑠衣ちゃん!おはよう〜!早いわねぇ。今朝はよく眠れたの〜?」
「まぁ、普通って感じっす」
「えぇ〜!睡眠不足はお肌の敵よ!きちんと早寝早起きしなさいね!」
「それ毎朝言ってますよ-」
20代のイケメンなのに、、、癖強いでしょう?
明るくていい人だから、大好きなんだけど
ロッカーで着替えて、仕事仲間や瑠衣とおしゃべりしながらカウンターに立つ
いつも通りの日常。
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