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4 - 第4話

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2022年08月10日

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「ねぇ、渚ちゃん」

「!綺羅榴さん!?」

3年先輩で21歳の綺羅榴さんが、休憩中に話しかけてきた

綺羅榴さんは、仕事を探していた私と瑠衣に声を掛けてくれた人

このバーで働くきっかけになった人だ

ここ1ヶ月間は勤務時間が私と全く逆で、全く話せていなかった

避けられているのかな、とも思っていた

「お久しぶりです!どうしたんですか?」

「うふふ、こうやって話すのはいつぶりかしらね」

「本当にそうですね、、、最近、全然話せてなくて、ちょっと引っかかってたので」

「うふふ、ごめんなさいね。それはそうと、、、あのね、渚ちゃん」

「はい」

それまでの明るい笑顔から一変、急に綺羅榴さんは声のトーンを落とした

「あなた、瑠衣ちゃん以外のカウンターで働く人の中で、唯一私にだけ、過去のことを話したって、言ってたでしょう?」

「、、、はい」

「だから、うっかり口を滑らせないように、あなたの過去のこと、忘れたつもりでいたの」

綺羅榴さんらしいと思った

優しくて、人のことをまっすぐに考えてくれる

だからこそ、そんな綺羅榴さんの話の続きが気になった

「何かあったんですか?」

「、、、渚ちゃん」







「あなたのご両親が、あなたを探しに東京まで来ているわ」

「、、、!?」

頭を殴られたような衝撃を受けた

あの化け物が、、、

東京まできている、、、!?

「、、、1ヶ月前のことよ」

「、、、、、、」

「いつも通り、私は出勤していたの、、、夜勤だったから、6時くらいだったかしら、、、あなたにそっくりな綺麗な女性を見かけたわ。前に見せてくれた、お母さんの写真に、、、そっくりだった」

「、、、、、、!!!」

「気のせいだと思った。疲れていたからね、、、その日はそれで終わったわ。でも、ほら私、口がゆるいじゃない、、、あなたに話してしまうかもしれないと思った。あなたは過去のことを思い出すとトラウマで発作を起こすから、、、って店長が言ったのを思い出して、私はあなたを避けていた」

、、、だから避けていたのね、、、

なんとか話を頭に入れ込む

「、、、そして、昨日、、、私はまた、あの女性を見た。隣には、大きな男の人がいた。そのまま、通り過ぎようと思ったわ、、、余計なことをしてしまいそうだったから、、、そしたら、あの人たち、私の腕を掴んで、、、渚ちゃんの、顔写真を私に突きつけてきた、、、この女を、見たことはないか、と、、、地獄の底から這い上がってくるような声で、、、私はもちろん、知りませんと答えたわ。見覚えがないと。でも二人は、見かけたら電話しろ、あいつのことだから何も考えず東京にきたに違いないからって、電話番号の書かれた紙を私に突きつけてきたの」

そして、綺羅榴さんは電話番号の書かれた紙を私に渡した

「、、、これが、あいつらの、、、」

低く恐ろしい声と、私を侮辱するような話し方、、、間違いない、あいつらだ

懸命に震えを止める

「渚ちゃん、店長には話してある。今まで以上にあなたを守ると言っていた。自分の安全を第一に考えなさい」

「、、、ありがとう、綺羅榴さん、、、、、、でも」

「?」

「、、、もう、逃げるのは嫌なんです、、、あんな奴らのためなんかに、、、」

「渚ちゃん、、、」

「、、、綺羅榴さん、この紙もらってもいいですか?」

綺羅榴さんは、心配そうに私を見た

「えぇ、もちろんよ、、、無理しないでね」

「ありがとうございます」








夢の少女と親、2つの出来事が、

私の人生を大きく変えようとしていた。

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