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戦いの激しさが増す中、法師とルナが対峙する。二人の間に張り詰めた空気が流れ、周囲の戦闘音は一瞬だけ沈黙する。
法師は冷静な表情を崩さず、常に敬語で話す。
「ルナ様、私の力量を試していただけるのですか?」
その声には、どこか冷徹な響きがあった。
ルナは足を組み、挑戦的に法師を見つめる。
「ふふ、試すって言うか、まぁ、あんたがどうしようもないボケナスだったら楽勝だけどね。」
その言葉には余裕が感じられる。
法師の目がわずかに細められる。
「無礼な言葉ですね、ルナ様。それはさておき、戦いを始めましょう。」
ルナは瞬時に両手をかざすと、空気中に血液の操縦が始まった。彼女の異能が発動し、血液を自在に操る力が溢れ出す。法師の目の前でその血液が結晶のように形成され、鋭い刃となって襲い掛かる。
法師はその刃を冷徹に避け、迅速に反撃を繰り出す。
「血液を操作するとは、なかなかの異能です。しかし、その反動を甘く見ないほうが良い。」
その一言が、戦況を決定づけるかもしれない。
ルナはにやりと笑って、血液の刃をさらに鋭くし、空間を切り裂く。
「反動?そんなもん、気にしないっての。だって、私が勝つんだから!」
その言葉と共に、法師は再び冷静に対応する。
「しかし、どれだけ強力な攻撃でも、無茶をすれば自分を傷つけるだけです。」
ルナは微笑んで、血液の刃を再度法師に向けて放った。しかし、彼女の体にも異常が現れ始めていた。
「おっと、来たか…反動。」
血液操作の力を使うことで、ルナ自身にも膨大な量の血液が流れ込み、内臓から血を逆流させている。彼女の体内で異常が起き、次第にその顔色が悪くなり、足元がふらつき始める。
「ふふ、これが限界か…でも、私は負けない!」
ルナは自分を鼓舞しようとするが、体の力が次第に抜けていく。
法師は一歩後退し、冷静に戦況を観察していた。
「ルナ様、すでに勝敗は決しています。このままでは、命を落とすのはあなたです。」
ルナは目を見開き、最後の力を振り絞って血液の刃を放つ。その刃が法師に迫る。しかし、法師は軽々とそれを避けると、静かに呟く。
「戦いにおいて、自己犠牲を強いてはいけません。命を賭けてこそ、本当の勝者です。」
その瞬間、ルナの身体が完全に崩れ落ち、血液が溢れ出す。
ルナは倒れながらも、最後の力で微笑む。
「くっそ、勝てなかったか…でも、あんた、面白かったよ。」
その言葉を残して、ルナは意識を失う。
法師は冷徹に言葉を返す。
「お疲れ様でした、ルナ様。ですが、戦いはまだ終わりではありません。」
その後、法師もまたルナの血液操作による反動を完全に受けて、倒れる。
「これも…反動か…」
そのまま法師も目を閉じ、静かに息を引き取る。
「命を賭けるべきは、常に戦いの最前線であり、冷徹な判断の中でこそ勝者が生まれる。」
――法師
「ふん、戦って死んだだけだろ、あんたらもさ。私は、まだまだ楽しみたかったのに。」
――ルナ
その言葉は、二人が生きた証として、戦いの記憶に刻まれることとなった。