畢生のジオラマ
prorogue―――
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俺の周りでは、いつも大事な人達が消えてゆく。
最初は大の親友。
遊びに出かけた日、交差点で一台の車が親友を撥ね、そのまま目を覚ますことはなかった―――
次は幼馴染。
クラスの影でいじめに遭っていた彼は、耐えきれずに マンションのベランダから飛んだ。
一番彼のことを見てきたはずの俺が、一番彼のことを知らなかったんだ。
その次は俺が長年恋していた人。
ある日彼女の家が家事に遭い、帰らぬ人となった。
―――俺の近くにいた人は、ほとんどがこの世を去った。
―――誰も信じてはくれない。
―――皆が俺を避ける。
俺の周りにいると、死んでしまうから。
そこからだ。
俺に友達ができなくなったのは。
心を支えてくれていた彼らは、遥か遠くの空へと旅立った。
俺の友達でさえなければ、きっとこんなことにはならなかった。
俺はこの責任から解放されることはない。
すでに俺は心が折れていた。
同時に、俺に対してのいじめも深刻化していった。
ついに俺も、ずっと目を背けていた事実に目を向けた。
そして気付いた。
「(そうか)」
「(最初から、俺がこの世に存在する意味なんてなかったんだ)」
「(生まれたときから神様に嫌われてたんだな)」
「(俺は救われないんだ)」
もう涙も流せない。
全て枯れるほど流し尽くした。
「(もう俺は何も出来ない)」
「(そうだ)」
「死のう…………」
皆と同じ場所に行こう。
俺もあの世で幸せになろう。
神様に嫌われているのなら、あの世に行けばいい―――
誰も俺を必要としてない。
あの世に行こう。
空へと飛ぼう。
彼らに会うために。
もう一度会うために。
言えなかったことを伝えるために――。
コメント
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第一話をお読み頂きありがとうございます🌸 作品投稿順序 「たった一コマに詰められた青春でも」を優先させて頂きます。完結も近いです! この作品は後回しになってしまう可能性が高いです💧 第二話投稿まではもうしばらくお待ち下さい🌸