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わがまま

1 - 第1話

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2022年09月24日

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わがまま



三ツ武


同棲して約1年半


最近の三ツ谷くんはデザインの仕事で忙しそう。

たまには俺に構ってくれてもいいのにな。

そう思って付き合いたての頃に作ってもらった服に腕を通した。

昔着た時は

「かわいい。」

って言ってくれた。

恋人から言われる褒め言葉は何よりも嬉しい。

最近は俺がご飯を作っている。

仕事を頑張ってる三ツ谷くんのために少しでも楽してもらいたいからだ。

作り終わって三ツ谷くんを呼びに行った。

武「出来ました!」

三「今行く。」

会話は長続きはしなかった。

席に着いて「いただきます」と言ったあとも会話は無くて、三ツ谷くんはご飯を食べながら真剣に書類を読んでいた。

食べ終わってすぐにまた部屋に戻って仕事を始めてしまった。

お気に入りだったはずの洋服を着ても何も言ってくれない。そもそも見てすらいなかった。

その事が悲しくてご飯の後に泣いてしまった。目が赤く腫れていたいた時に三ツ谷くんとタイミングよく廊下であってしまった。

目はあったはず。だけど俺の頭に手を軽く置いてすぐその場を去ってしまった。

気づいて欲しくなかったけど、本音は少しでも俺のことを見て心配くらいして欲しかった。



そして、今回出すデザインの提出が終わるとまた前のように優しく声をかけてきた。

三「長い休み入ったから武道が好きなところに遊び行こうよ」

武「うん…!」

大変なのはわかってる。忙しい三ツ谷くんの邪魔するつもりはなかったし応援したいって思ってたから黙って笑っていた。

優しいところが好きなのに。

何故か1番嫌いなところでもあった。

こんなこと言ったらきっと「恋人」って関係も終わっちゃう気がしたから。何も言わずに黙ってたの。

付き合いたては同棲なんかしてなかったからそばに居るだけで幸せだった。

一緒に居れるだけで何も要らないと思えるほど幸せだった。



そしてまた仕事が忙しくなった。

ただ俺の方を見て欲しかった。だから俺はわざとコップを落とし、割って指を切った。

コップが落ちた時に三ツ谷くんは急いで駆けつけたけど。

三「おっちょこちょいだな。指少し怪我してるけどそんなに深くないから大丈夫だと思うぞ。」

そう言うとまた部屋に戻って仕事を始めた。

もう少し心配して欲しかった。

恋人が少し怪我したくらいじゃもう気にしないってことでしょ。

くだらないって笑ってもいいからただ隣にいさせてよ。

きっとここから。今見てる限り何も変わりはしないって思ったから。何にも言わずに笑って自分で割ったガラスの破片を拾った。

その日リビングで1人、昔のことをずっと考えた。

毎日かわいいって言ってくれてた。大好きだって。手だって握ってくれてた。1日過ぎるのがあっという間で凄く楽しかった。凄く幸せだった。

幸せ。

幸せだったのにな。そう考えると凄く悲しくて涙が出てきた。

三ツ谷くんは何も悪くない。そりゃ学生の時みたいにずっと惚気けたような生活ができるなんて1ミリも思っていなかった。

ずっと成長できてない自分が嫌で。

何にも気づいてくれない三ツ谷くんも嫌いで。

今泣いている自分も嫌になった。

三ツ谷くんの仕事の邪魔をしたくないと思った矢先。思いつきではあるが俺は家を離れることを決意した。

三ツ谷くんには何も言っていない。

軽く荷物をまとめるとすぐに家を出ようとした。

ドアノブに手をかけた時に三ツ谷くんに声をかけられた。

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コメント

2

ユーザー

え…好こ♡( ᵕωᵕ♡ )

ユーザー

続き待ってます(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

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