ドラマの撮影終わり、マネージャーさんの車に乗って家へ向かっていた。
通知音が鳴りスマホを確認すると1件のメッセージが来ていた。
『今日時間あったら俺んちこーへん?』
そういえば最近家行ってなかったな。
もちろんグループでの仕事や雑誌の撮影では会うことはあったが家に行くことは最近めっきり減った。
朝から夜まで仕事をして遅い日には深夜に帰宅することも少なくはなかった。
帰宅してからは疲れのせいか、何もやる気が起きなかったがとりあえず風呂と軽い食事をなんとか済ませ吸い込まれるようにベッドへ倒れるのがほとんど。
家に行くのはいつぶりだろうか。
今は20時過ぎ。今日は早く帰れる。
先程来たメッセージに『行く』と一言返信し、マネージャーさんにも康二の家に行って欲しいと伝えた。
康二とは恋人関係であり、前はよく家に行って手料理を振舞ってもらったりベランダに出て二人で星を見ながらコーヒーを飲んだりゆっくり過ごすこの時間がとても好きだった。
体を重ねることも何度か。お互いにお互いを求め心と体で愛を確かめ合うこの時間も好きだった。
久しぶりに康二と二人で過ごせることに楽しみな気持ちと少しの期待を抱いていた。
早く着かないかな
マンションの近くで降ろしてもらい『着いた』と送るとすぐに既読が付き、『はいよー!』と返信が来た
インターホンを押すとドタドタと微かに聞こえる音に口角が自然と緩む。
「蓮くん!!」
ドアが開き満面の笑みで康二が中から出てきた
めちゃくちゃ可愛い。
愛しさのあまりまだ中にも入っていないのにその場で康二を引き寄せ抱きしめた
「おわっ、…へへ。蓮くんお疲れ様」
「…ん」
肩に頭をぐりぐりと押し付けると「可愛いなあ」と背中を優しく摩ってくれた
「寒いから中入ろ?」
離れていく温もりに寂しさを感じながらも康二について行った
「はい、ぎゅー」
リビングに入ると今度は康二から抱きしめてくれた。
「おかえり蓮くん」
「ただいま康二」
康二から少し離れて頬に手を添え優しくキスする。
んふふと嬉しそうに笑う康二にまたキスすると、今度は顔を少し赤らめて
「明日、オフやんな」
「え、うん」
これ、期待していいってことかな
顔を赤くしてもじもじしながら俯く康二の顔を覗き込んで
「ねえ康二」
「……したい、蓮くん」
俺が言う前に康二から可愛くお誘いをされた。
そんなのYes以外に答えはない。
「可愛い康二」
「うう、だって久しぶりやもん、」
恥ずかしくなったのかまた抱きついて俺の胸にぐりぐり頭を押し付ける。
何回かしてるはずなのに初々しい康二が可愛すぎる。
そんな康二の可愛さに浸っていると「あっ!」と思い出したように声を上げる
「蓮くん夜ご飯まだやんな?」
「うん。時間なかったからまだ食べてない」
「今日なグラタン作ったんよ!」
「え、まじ。食べたい」
「あっためるからちょっと待っててなー!」
さっきまでの初々しい康二くんはどこにいったのやら、ぱっと俺から離れてキッチンの方へ向かっていった。
ソファに座り、付いていたバラエティ番組を見ながら待っているとキッチンの方からチーズのいい匂い。
少ししてトースターの軽快な音が聞こえた
お盆にグラタンを2つのせてダイニングテーブルに置いて俺の隣に座る
「うわ、めっちゃうまそう」
「やろー?康二くん特製のグラタンやで」
「ねえもう食べていい?」
「んは、ええけどまだめっちゃ熱いで?」
待ちきれずグラタンを口に運ぶと案の定熱くてはふはふしながら食べる。
「そんな急がんでもグラタン逃げないで蓮くん」
「やば、美味すぎる。店出せる。」
お世辞なしで本当に美味い。
「んもう嬉しいこと言ってくれるわぁ」
康二もふーふーとグラタンを冷ましながら食べ始める。
「ご馳走様。ありがとう康二」
「いいえー!一緒に食べれて嬉しかったわ」
そういえば俺のドラマの撮影いつ終わるか分からないのに、しかも最悪来れないかもしれないのにグラタン2つ作っててくれたのか。
「今日撮影早く終わってよかった。」
「今日な、そんな感じしてん!張り切ってグラタン作ってもうたわぁ」
「俺来れなかったかもしれないのに?」
「俺の勘ナメちゃあかんよー?当たる時は当たるんよ!」
「ふはっ、お見事だね」
「やろー?」と得意げにしている康二の頭を撫でると、俺の肩に頭を預けてすりすりしている。
可愛い。
「それにな?今日蓮くん来れんくても明日オフやから、蓮くんのお家行ってグラタン持ってこうかなって思ってたんよ。」
「ふふ、嬉しい。」
「までも結果的に今日食べれたし、蓮くんと少し長く一緒におれるし!」
それから暫くソファに座ってゆっくりしていた。
「蓮くん先お風呂入って来てもええ?」
「うん。いってらっしゃい」
「ちょっと遅くなるかもしれんからテレビ見て待ってて」
「ゆっくり入ってきな」
諸々準備もあると思うしね。
いつの間にか時刻はもう22時。
今日康二のドラマじゃん。
チャンネルを変えてドラマを見る。
最近のドラマの康二は普段のキャラクターとは一変してクールな標準語のお兄さんって感じ。
タイでの役柄もそんな感じ。
いつもの康二も可愛くて好きだけどドラマに出て演技をしている康二もギャップがあってまた新しい一面が見れるから好きだ。
この1年色んな康二を見た気がする。
でも俺にしか見せない康二の一面もある。というか見せたくない。
いつもメンバーに甘えたな康二だが恋人の俺の前ではより甘えたになる。
元気がない時や疲れている時真っ先に俺のところに来て無言で隣に座る。
俺が抱きしめると嬉しそうにすりすりと擦り寄ってくる。
体を重ねる時には蕩けた顔でハニーベージュの瞳を潤ませ、必死にれんくん、れんくんと名前を呼ぶ艶やかな姿は何回見ても慣れない。
そんな康二の可愛い姿を思い出していると
「上がったでー!」と脱衣所の方から声が聞こえた。
「入ってくるね」
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