第6話「憧れ」
「はぁ…」
…ボサボサの青と白の羽根を見て、ため息をついた。
「あんな…綺麗な見た目になりたい。」
昨日見た白狐の、白くて、光る毛、かっこよかったなぁ…それにしーも、赤メインの輝く毛…羨ましい。
「僕も綺麗だったら、皆みたいになれるかな」
「見た目を変えたいのか?」
後ろから低い声がした。あれ?しーかと思ったけど…しーじゃない。
「誰?」
「やぁ、新人君」
昨日見た白い狐…いいなぁ…
「うわぁ…やっぱり…近くで見るともっと綺麗だね…」
「…は?」
白い狐は目を丸くした。
「貴様、何をしている」
「ちょっとー?新人君いじめかい?」
今度こそしーの声!もう一人は…
「たまごのお兄さん!」
「ごめんよー、この白い奴、自分より下の子をいじめるのが好きみたいでねぇ」
たまごのお兄さんが白い狐を取り押さえ、白い狐が隠し持っていたポーションを白い狐の鞄から取り出した。
「それは?」
たまごのお兄さんに聞いてみたら、やれやれという顔をされた。
「素材ポーションだね」
「素材ポーション?」
たまごのお兄さんは僕に素材ポーションを一つ使った。すると、少しだけ僕の羽根が光ったではありませんか…!
「ぼ、僕の羽根が!」
「このポーションは、そんな感じで見た目を大きく変えることができる」
たまごのお兄さんはにっこり笑って、白い狐に言った。
「これで…なにをするつもりだったのかな?」
「チッ」
白い狐はたまごのお兄さんの手から残ったポーションをもぎ取り、そそくさと逃げて行った。
「あ!ちょっとぉー?もう少し新人君とお話してもいいと思うんだけどー?」
「ふん、好きにさせればいい。えっと…どうだ、羽根は」
しーは僕の光っている羽根をみつめた。
「とってもいいよ!僕、しーやあの白い狐さんみたいにかっこよくなりたい!」
「えー?僕は?」
「たまごのお兄さんは…優しい!」
「嬉しいこといってくれるね、ありがとう」
僕は光ってる部分と汚い部分を見比べてみた。
「んー…」
「どうした」
しーが端っこに座り、静かに聞いてきた。
「僕、他のところも綺麗にしたい」
「…」
しーは少し考え、言った。
「…飼い主なら、ポーションを用意できるかもしれない。できる素材はランダムだ。か
なり時間がかかる…それでもいいなら、頼んでみるといい。あと、これは我の手持ちだ。」
素材ポーションと5万円を受け取って、飼い主の元へ向かおうと出入口まで走った。
「あれ、どうしたの?はきゅ」
出入口から入ってくる飼い主、チャンスだ。あ、でも僕は…あまり上手く意思疎通ができないんだった…
「はぁ…」
しーがゆっくりと起き上がり、飼い主に言った。
「はきゅが白狐の奴みたいに、綺麗になりたいらしい。」
「なるほど、わかった!」
話してくれたおかげで、なんとかお願いできた。
「はきゅ、ちょっと待っててね、しーのお世話するから」
「待て、はきゅがいる前でそれは…」
嫌がって奥に逃げるしーを飼い主は慣れた手つきで追い込んだ。
「いい加減にしろ、はきゅがいる前では嫌だ」
「わかったからお利口さんにしててー」
飼い主が顎を撫でると、しーの喉が鳴った。
ごろごろ…
「よしよし、毛の手入れするからじっとしててねー」
嫌がりキレるしーと、全然余裕そうな飼い主…そして…なんか出ちゃうごろごろ…
「可愛い…?」
「なっ…!」
照れるしーを見て、僕は思わず笑ってしまった
「あははははっ」
「…早く終わらせてくれ。」
「はいはい」
横で大笑いするはきゅ。
「あー、面白くてお腹の毛が逆立っちゃう」
「そんなに面白いか、我の…ごろごろごろ…」
言いかけたところで飼い主に阻止された。
「あぁもう、勝手にしてくれ!!」
「えへへ、僕もしーみたいにごろごろしてみたぁーい!」
真似したいって…それでいいのか?よくわからないが…いいか。
コメント
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少しずつほんわり入れていきたいと思った結果。もっとマシなのが書きたい...