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魔物たち(怪物)
ムーンサイドにひそんでいます。かれらは悪さをします。
月が空にある間は、ムーンサイドは安全な場所ではありません。
でも、彼らは夜になると姿を消してしまいます。
彼らの姿を見た者は誰もいましぇん。
この世界では、月に背を向けた者が負けなのです。
だから、月を見上げて歩く人は安全です。
なぜなら、この世界では月だけが唯一の味方ですから。
夜空に輝くあの大きな星々は、地上に住む人にとっては、 恐ろしい怪物たちよりももっと恐ろしい存在かもしれません。
しかし、月にだけは善良さがあります。
そして、月は常にわれわれを助けてくれています。
月がなければ、わたしたちはみな、暗闇の中でさまよい続けるしかないでしょう。
また、もし月がなかったとしたら、この惑星のあらゆるものは死に絶えてしまうことでしょう。
つまり、月は地球にとってなくてはならないものなのです。
月は我々にとって最も身近な友であり、家族でもあります。
もしも、月から目を離してしまったら……。
その時はきっと、あなたの心の中に潜んでいる悪魔たちが、あなたを破滅させてしまいます。
そして、その日からあなたの魂は二度と元に戻ることはないのです。
だから、絶対に月から目をそらしてはいけないのです。
そうすれば、たとえ地獄に落ちてもこの胸の中の思いだけは忘れずにすむだろうか? 地獄の業火の中で燃えつきるまで、決して消えることはないのだろうか? たとえ罪深い人間だとわかっていても、あの人への愛しさがなくなることは絶対にないと誓えるのに……。
*****
「―――
ロザリーさま」
そっと肩を叩かれて私はハッと目を覚ました。
いけないわ。眠っていたなんて。それにしても、なんという悪夢を見たことかしら。
恐ろしくなって震えながらあたりを見回すと、そこには心配そうな顔をしている仲間の姿があった。
「あの人はいったいなんだったんだろう……」
そうつぶやくとみんなも同意するようにうなずく。
ぼくたちは顔を合わせてうなずき合うと、再び前を向いて進み始めた。
すると突然、目の前に大きな門が現れた。
大きな門にはこう書いてあった。
『この先、ムーンサイド町』
【ムーンライトマンション】
「ここはムーンライトマンション。
町の中で一番高い建物ですよ。」
「このエレベーターに乗ってください。」
「降りたい階のボタンを押せばいいんです。
そうすれば下に降りられます。」
「ではよい旅を。」
ポチッ
「あちらは階段ですよ。
気をつけて下さい。」
ガチャン(鍵がかかる音)
ガチャガチャ
「あのエレベーターの扉を開けなさい! 私は市長の娘よ。」
カチャリ キィイイーーー パタン
「エレベーターさん、わたしを運んでください。
上まで連れていってくれませんか?」
「お安い御用ですよ。
それでは行きましょう。
エレベーターは動きだしました。
どんどん上がっていきます。
さあ着きましたよ。
お代は結構です。さようなら。」
(レストランにて)
「お客様のお食事はまだですか?」
「まだだけど。」
「あんたがあの有名なジェンかね? へえぇ、そうかい、あんたか。
まあいいけどよ。ヒッヒ」
「ここはおれんちよ。ヒッヒ。
だから何をしようが勝手さ。
あんただって自分の部屋くらいあるぜ。
もちろん鍵付きさ。ヒッヒ」
「あんたの部屋はこの廊下の一番奥にあるよ。
もう寝たいのかい? おれはまだ起きてるぜ。
なんでまだ起きてんのかって? そりゃおまえさん、おれが人間だからさ。
人間の世界には昼があるんだよ。
昼間はみんな仕事に行ってるし、夜になったら家に帰って寝ちまってるよ。
おれは毎日ここで暮らしてるんでね。
朝っぱらから夕方まで働きづめの奴らとはちっと違うのさ。
それにしてもこの月面旅行ってのは最高だな! 地球を離れて一年になるけど、まるで夢みたいな気分だぜ。
みんなと一緒だし、何よりここは空気がきれいだからな。
あ~あ、また宇宙旅行ができるといいんだけどなぁ。
今度はどんなところに行けるかな? 楽しみだぜ。(プーカの笑い声)
おっ、あれは何だ!? 何か近づいてくるぞ……
あれは……宇宙船じゃないか! しかも、あの形は間違いない。
俺達が乗ってきた船と同じ形をしてるぞ! やった! これで助かった! これで地球に帰れ……ってちょっと待ってくれ! なんであいつらはいきなり攻撃してくるんだよ! そりゃ確かに俺達は無断で乗り込んだかもしれないけどさ、少しぐらい話を聞いてくれても良さそうなもんなのに。
仕方がない。こうなったら逃げるしかないか。
でもどこへ逃げればいいんだろう? とにかくこのまままっすぐ進んでみよう。
ん? あれは一体何なんだ? 向こうの方からも船がやって来てるみたいだけど。
あっ、やっぱりそうだ! これはきっと仲間に違いない。
よし、早速助けを呼びに行くか。
「俺は地球から来たんだ! 頼むから話を聞いちゃくれないかね?」
うわっ、すごい勢いで追いかけてくるぞ! こうなりゃもう戦うしかあるまい。
ちくしょう、なかなか手強い相手だな。
だが、こっちにも武器がある。
そう簡単に負けるものか。
「そこまでだ! これ以上悪さをするというのならば容赦しないぞ!」
「うるさい! 貴様らの悪事はこの俺が許さん!」
「正義の味方参上!」
「このホテルではお客様が快適に過ごせるように様々なサービスを提供しております。例えば、お客様の部屋の鍵穴に鍵を差し込む前に、こちらで合言葉を唱えていただければ、部屋の扉が開きます。また、エレベーターの操作方法についても説明させていただきます。まず、最上階のボタンを押してください。次に、行き先階を押してください。これで目的地まで直行します。」
「ムーンサイドはいつでも真夜中なので、時間について気にすることはありません。
しかし、時計を持って歩く人がいるかもしれませんし、町中にある大時計を見て時間を確かめたりします。
町のあちこちに立っている大きな柱時計を見ると、この世界が何時であるかを知ることができます。
また、町の真ん中に大きな噴水があり、そのそばの柱時計にも時間が刻まれています。この町では、朝になるとどこからともなく鳩が集まり、噴水の縁に降り立つのだ。その日も例外ではなかったのだが、一つだけいつもとは違ったことがあった。噴水の水の上に一人の男が浮いていたことだ。男は全身血まみれだった。男は水の上に浮かんでいたまましばらく動かなかったが、やがて静かに沈んでいった。誰も助けようとしなかったし、見向きもしなかったので、結局誰にも気付かれずに死んだようであった。しかし、この話はそれで終わらなかった。しばらくして再び同じ男が同じ場所に姿を現したからだ。しかも今度は傷だらけの状態で。その後も同じことが続き、ついに町の人々は気味悪がり、噴水に近づくこともなくなったという……。
「おいらは、おいらが見えない連中が大嫌いなんだ。
だから、みんな消えちまえばいいと思わないかね? おいらもそう思うんだよ、ヒッヒ」
「おいらに話しかけるとはいい度胸だぜ、あんちゃん。
でも残念ながら、おいらのことは見えなかったみたいだねぇ。
あんたが話しかけたのはそこの噴水だけだよ。」
「ああ、そういえば最近おかしな話があるぜ。
夜中に死体があちこちで見つかるっていう噂さ。
なんでも首を切り落とされたらしいけど、誰がやったのかわからないとか。ヒッヒ。
変なことばかり起こるから、もう近づかないことだね。」
「おいらが見えるなんて珍しいこともあるもんだ。
でも、気をつけたほうがいいぜ。
この町の連中には妙なものに取り憑かれてる奴が多いんだ。
例えば、あの時計の中を見てみなよ。
あれはただの時計じゃない。
人の心を読む機械なのさ。ヒッヒ」
「おいらは、おいらが見えない連中が大嫌いなんだ。
だから、みんな死んじまえばいいと思うのさ。
おいらも同じ気持ちさ、ヒッヒ」
「おいらが見えるなんて珍しいことがあるもんさ。
でも、気をつけなよ。
この町には妙な力を持った奴がいるんだ。
例えば、あいつはサイコキネシスを持ってる。
それに、もう一人の方は透視能力を持っている。
他にも色々持ってるようだけど、詳しくは知らないね。
知りたいんなら教えてやってもいいけど、高いぜぇ。ヒッヒ」
「俺のことか?俺は別に気にしねえぜ。」
「ここはどこなんだ?何にも見えねえよ!」
「お前さんたち、いったいどこにいたんだい?」
「そうかね、そりゃよかった。」
「さあさあ、お茶でもいかがですか?おいしいですよ。」
(メニュー)
「あんたが飲みたいものを頼んでくれよ。
なんでも注文してくれれば、おれが運ぶよ。」
「おまたせいたしました。」
「ありがとうございます。」
「お客さまのお口に合うといいのですけど。」
「まいどありぃ!」
(宿屋に行く)
「お客様をお泊めするのは久しぶりなのです。
さあお部屋へどうぞ。」
(メニュー)
「もう寝ちまったぜ。
明日になったらまた来るんだな。」
「ハロー、そしてグッドバイ! またのお越しをお待ちしておりませんけどねぇ、ヒッヒ」
「そこのおまえさんたち、この手紙を持ってってくれないか? そうすりゃわしらは助かるんだよぉ」