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すれ違い
『……そっか』
電話越しの那月の声は、少しだけ寂しそうだった。
その瞬間、奏音は心の中で叫ぶ。
(違うの!!)
でも今さら「やっぱいる!」なんて言えるわけもない。
「え、えっと……」
『ごめん、変なこと聞いた』
「ち、違くて……!」
『ん?』
那月の優しい声に、余計焦る。
「……その……」
好きな人はいる。
でもあなたです、なんて無理。
奏音が言葉に詰まっていると、那月が小さく笑った。
『奏音、無理しなくていいよ』
「……っ」
その言い方が優しすぎて、胸が痛くなる。
結局、そのまま電話は終わってしまった。
コメント
1件
わあ…第32話、読み終えました。電話越しの「そっか」と、心の中の「違うの!!」が、もう完全に胸に刺さりましたね。奏音の「好きな人はいる。でもあなたです、なんて無理」って、その心理描写がとにかくリアルで…。那月が「無理しなくていいよ」って優しくて、でもそれが逆に奏音には痛い。この「伝えたいのに伝えられない」すれ違い、めちゃくちゃ切なくなります。続きが気になる〜。