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ふっかに告白して1週間。
振り向くはずはないと分かっていても、
俺は淡い期待を抱いたままだった。
〈渡辺side〉
深 “ただいま。”
渡 “おかえり、遅かったな。”
深 “うん。
ちょっとね。”
渡 “そう、か。
上着頂戴。掛けとく。”
深 “ん、ありがとう。”
ふっかから手渡された上着からは、
ほのかに甘い香りがした。
間違いない。
さっき会った時の照と同じ匂いだ。
渡 “ふっか。”
深 “ん、?どした?”
渡 “……いや、やっぱいいわ。
先風呂入ってきな。”
深 “分かった、ありがとう。”
やっぱり、
ふっかはまだ未練があるのだろう。
そう分かっていても、、
いつかは振り向いてくれるかもしれない。
そんな期待を捨てきれなかった。
深 “お風呂上がったよー。”
渡 “ ………なぁ、ふっか。”
深 “ん、、?”
渡 “ちゃんと話したい。”
深 “え、何を、?”
渡 “今日、照と会ってたのか?”
深 “…なんで。”
渡 “上着、照の匂いがした。
それに、普通に会っただけじゃ、
匂いなんてつかないだろ。”
深 “……ごめん。”
渡 “謝って欲しいわけじゃなくて。
言うなら、ハッキリ言って欲しい、
…ふっかはさ、誰が好きなんだよ。”
深 “ほんとに…ごめん……、
…翔太じゃないです。
俺、やっぱり照が忘れられない。”
分かっていても、
直接放たれた言葉は、
俺の心を抉った。
渡 “そう、だよな。”
深 “翔太が俺の事を、
大切にしてくれてるのは分かってる。
翔太の思い踏みにじってごめん。
渡 “謝んなって、笑
俺は大丈夫だよ。
それに、最初っから分かってたしさ。
応援するよ、お前の恋。”
深 “でも俺翔太のこと_”
渡 “お前の隣に居るべきなのは、
俺じゃない。
照だろ、?
俺の事振ったからには、
ちゃんと幸せになれよ。
また泣きついてくるとかごめんだし、笑”
俺は咄嗟に強がってしまった。
今にもこの場から逃げ出したかった。
渡 “よし、ならこの話は終わり。
俺眠いしもう寝るわー。”
必死に涙を堪えて、
俺は部屋から出た。
渡 “やっぱ……
俺じゃダメだよな、
あいつのこと、
すげぇ好きだったのに、泣”
俺の恋は、
儚く砕け散った。