TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

枯れた花

一覧ページ

「枯れた花」のメインビジュアル

枯れた花

8 - 第8話

♥

110

2024年05月26日

シェアするシェアする
報告する


ふっかに告白して1週間。


振り向くはずはないと分かっていても、

俺は淡い期待を抱いたままだった。


〈渡辺side〉

深 “ただいま。”

渡 “おかえり、遅かったな。”

深 “うん。

  ちょっとね。”

渡 “そう、か。

上着頂戴。掛けとく。”

深 “ん、ありがとう。”

ふっかから手渡された上着からは、

ほのかに甘い香りがした。

間違いない。

さっき会った時の照と同じ匂いだ。

渡 “ふっか。”

深 “ん、?どした?”

渡 “……いや、やっぱいいわ。

先風呂入ってきな。”

深 “分かった、ありがとう。”


やっぱり、

ふっかはまだ未練があるのだろう。

そう分かっていても、、

いつかは振り向いてくれるかもしれない。

そんな期待を捨てきれなかった。


深 “お風呂上がったよー。”

渡 “ ………なぁ、ふっか。”

深 “ん、、?”

渡 “ちゃんと話したい。”

深 “え、何を、?”

渡 “今日、照と会ってたのか?”

深 “…なんで。”

渡 “上着、照の匂いがした。

  それに、普通に会っただけじゃ、

  匂いなんてつかないだろ。”

深 “……ごめん。”

渡 “謝って欲しいわけじゃなくて。

  言うなら、ハッキリ言って欲しい、

  …ふっかはさ、誰が好きなんだよ。”

深 “ほんとに…ごめん……、

  …翔太じゃないです。

  俺、やっぱり照が忘れられない。”

分かっていても、

直接放たれた言葉は、

俺の心を抉った。

渡 “そう、だよな。”

深 “翔太が俺の事を、

  大切にしてくれてるのは分かってる。

  翔太の思い踏みにじってごめん。

渡 “謝んなって、笑

  俺は大丈夫だよ。

  それに、最初っから分かってたしさ。

  応援するよ、お前の恋。”

深 “でも俺翔太のこと_”

渡 “お前の隣に居るべきなのは、

  俺じゃない。

  照だろ、?

  俺の事振ったからには、

   ちゃんと幸せになれよ。

  また泣きついてくるとかごめんだし、笑”

俺は咄嗟に強がってしまった。

今にもこの場から逃げ出したかった。

渡 “よし、ならこの話は終わり。

  俺眠いしもう寝るわー。”

必死に涙を堪えて、

俺は部屋から出た。


渡 “やっぱ……

  俺じゃダメだよな、

  あいつのこと、

  すげぇ好きだったのに、泣”

俺の恋は、

儚く砕け散った。

この作品はいかがでしたか?

110

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚