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自分の幸せのために、
俺はたくさんの人を傷つけた。
〈深澤side〉
昨日の夜、
俺は翔太の告白を断った。
翔太の気持ちを踏みにじった。
自分でも最低なのは分かってる。
でも俺は、
照を忘れられないままだった。
“家を出ます。
ごめんね。
今までありがとう。”
置き手紙を残して、
俺は翔太の家を出た。
翔太から逃げたかった訳じゃない。
ただ、
俺の気持ちを知ったまま一緒に過ごすのは、
あまりにも翔太がしんどいと思った。
なんて言い訳をしてるのも、
結局は罪悪感から逃げたいだけだった。
家を出ても、
俺には帰る場所がなかった。
前まで照と住んでいた部屋は、
今では照と目黒さんの部屋。
俺が入る隙なんて一切ない。
それでも俺は、
下の方に埋もれた照の連絡先を探した。
“会いたい。”
そんなメッセージを
消しては打ってを繰り返した。
送信ボタンに手を近づけると、
目黒さんの言葉が蘇ってきた。
目 “照には俺がいるんです。
邪魔、しないでくださいね。”
照には恋人がいる。
邪魔しては行けない。
そう思った 俺は、
メッセージを消した。
モヤモヤとした気持ちが残ったまま、
俺は仕事を終えて会社を出た。
帰る場所がない俺は、
駅近くの居酒屋で飲んでいた。
深 “早く家探さないとな。”
現実逃避していても、
時間はすぐに過ぎていく。
終電が近くなって、
俺は居酒屋を出ようとした。
その時、俺は強い眠気に襲われた。
疲れているからか、酔っているからか。
視界がぼやけてきて、
そのまま眠ってしまった。
次に俺が目を覚ますと、
そこは居酒屋ではなく外だった。
深 “ん、、?”
起き上がると、
横には照が座っていた。
俺がいたのは居酒屋近くの公園だった。
岩 “大、丈夫か、?”
深 “……なんで、”
岩 “ここ、俺の最寄りだから。
通りかかったらふっかが潰れてて、
店の閉店時間もあるし、
とりあえずここまで連れてきた。
深 “ごめん。
ほんとにごめんね。
俺…、全然記憶なくて。”
岩 “俺は大丈夫だけど、
ふっかが潰れるまで飲むって、
なんかあったのか、?”
深 “……何も無いよ。
仕事で疲れちゃってさ。”
岩 “そう、か。
もう終電ないし、
タクシー乗って帰るか。”
深 “いいよ。
適当にネカフェでも泊まるから。”
岩 “でも、明日も仕事だろ。
そんなんじゃ疲れ取れないって。”
深 “じゃあホテルでも探すよ。
家まで帰るには遠すぎるし。”
岩 “ほんとに大丈夫か、?”
深 “大丈夫、心配かけてごめん。”
岩 “…分かった。
なんかあったら連絡して。”
深 “うん、ありがと。
じゃあね。”
タクシー乗り場に向かう照を、
俺はずっと見つめていた。
どんどん離れていく照との距離が、
俺の心を揺るがせた。
照には目黒さんがいる。
行ったらダメだ。
そんなことは分かってる。
分かっている、はずなのに。
俺は照の元に駆け寄って、
キスをした。
深 “照………、
好きだよ。”
俺は、
自分の気持ちを抑えきれないまま、
過ちを犯した。