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うちの中学と高校はほぼ持ち上がり、受験はあるけど。
高1になっても2個隣のクラスには天才が居る、そして吹奏楽部のメンバーも対して変わらない、多分少し減った位。あんま興味ないから分かんない。
先輩もこんな先輩いたかもしれないって位。
だって俺の方が上手い、天才がいないから。俺だって努力して上手くなったんだ、天才への劣等感からだ。
練習中にふざける先輩なんかより俺の方が上手い、たった1年早く産まれただけで努力した人間より上手いはずない。
そして俺より下手な先輩に興味なんてない。
だから二度目で最後の機会、春の高校バレー通称春高、兄貴が守りの音駒のエースで守護神であれる最後の試合。
音駒高校対宮城代表烏野高校
俺は今度こそソロを吹けた、兄貴の真後ろ、繋げの横断幕を掲げて堂々と。
結果は最後にうちのセッターが手を滑らせて音駒の負け…あのセッターに恨み節を言うつもりは無いけどもっと兄貴が大きなコートを駆け巡る姿を見たかった。
俺にはあと1年半吹奏楽部にいれる期間があるけどこれ以上悔しいことなんて起こらないだろう。そう思うくらい兄貴の姿はカッコよくて負けるなんて思わなかった。
応援の帰り道、 三人の音駒ジャージ の足が止まり背筋が伸びる。
そして綺麗な礼をされた、兄貴以外始めてみる人だけど多分3年の人たちだろう、思いとか信念とかそういうのが詰まった大きな背中だった。
俺達も釣られて礼をした、トランペットのマウスピースが肋に刺さる感覚が忘れられない。視覚も感覚もあの人たちに魅了された、ほんとにかっこよかった。
「兄貴、ありがとう。」俺に応援させてくれて、かっこいい姿を見せてくれて、俺に音楽をくれて、ありがとう
一番大きくて小さい背中にそう投げかけ俺は帰路に着いた。
その帰り道、寒風がケースを持つ左手を刺激してやけにピリリとしびれていた。
春の高校バレー全試合終了、音駒を破った烏野高校はその次の試合で敗退し優勝はよく知らない高校だったらしい。
兄貴のバレーが終わった今俺は怠慢期に入ってしまった。
自分がなんのために吹奏楽をしているのか分からなくなってしまったから、なんの目標もないし、張り合いがいのある天才もいない、顧問は怖いし練習は厳しい。
なんでこんなことしてるんだろ
もうやめようかな
でも、小さい頃買って貰ったトランペット。ケースの革は所々剥がれてトランペットも少しベルが凹んでる。新品とは比べ物にならないくらいいいものとはいえないけど兄貴が褒めてくれたもの。吹奏楽部は好きじゃないけどトランペットは好き。
だけどコンクリートジャングルの東京で吹奏楽部以外悠々とトランペットを愛でれる環境なんてない。
どうしよっかな