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クロエッツェ帝国〜
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1902年
まだ幼さの残る日本帝国は、大英帝国と出会った。
「共に歩もう。君は、私を退屈させない唯一の友になれる」
その日から、俺にとってイギリスは「神」であり、唯一無二の「光」となった。
彼に褒められるだけで、世界が輝いて見えた時代だった。
早く対等になりたかった、褒めてほしかった
だから清と戦って
日英同盟を結ぼうと言ってくれたときはとても嬉しかった。
始めて俺と対等に付き合ってくれたから。
ロシアの南下を食い止めたいからだなんてわかっている。
でも
会議へいくときはいつも玄関で待っていてくれた。
外を歩くときだって気づいたら彼がエスコートしてくれていた。
いつか恩返ししたいって思っていたし
ずっとこの関係が続いてほしいと思っていた。
1920年
国際連盟、常任理事国。
隣の席には、いつものようにイギリスが座っている。
日本帝国は胸を張り、彼と同じ景色を見ていることを誇らしく思っていた。
ふとした瞬間にイギリスがアメリカと親しげに目配せをするのを見て不安に襲われる。
やはりアメリカとイギリスは家族なのだ。
家族に嫉妬するなんて自分でもおかしいと思っている。
でも…ダメだった。
もっと、もっと彼に相応しい存在にならなければ、捨てられる
思考回路は崩壊しそれしか考えられなくなっていた
1923年
土砂降りの雨。
同盟解消を告げられた夜、日本帝国の理性を繋いでいた糸が、音を立てて引き千切られた。
「ロシアからの誘いを、私がどんな思いで断ったか、貴方は知っているはずだ!」
俺の拳が、イギリスの端正な顔を殴りつける。
口の端から紅い液体が垂れて白い服を汚していく。
抑えたかったのに、でも
愛したいし愛されたいし
でもぶっ殺したいし殴りたい
抱き締めたいし抱き締められたい
泣かせたい、苦しませたい…
俺だけのものになってほしいッ!
「それで気が済むなら殴れば良いです。なにも変わらないのですから」
無抵抗な態度に、俺はさらに逆上する。
殺したいほど憎いのに、その温もりが欲しくてたまらない。
殴りたい。壊したい。けれど、それ以上に、俺だけを愛してほしい――。
なにも考えられないまま彼に向かっていった。
静まり返った部屋。窓から差し込む朝日は、昨日までの平和が死んだことを告げていた。
俺はベッドの端に座る
……ああ、やっちゃったなぁ
憧れだった「神」を、自分はこの手で汚してしまった。
隣では、ボロボロになった彼が、首の赤紫の指跡を隠そうともせず、気だるげに起き上がる。
「……おはよう」
その皮肉な微笑。
やっぱり俺はこの人が好きだ