私の名前は、ルキア=アルブム。この国の公爵令嬢だ。
今日から王立学園に入学する為、王都にある屋敷へと向かっていた。
馬車に乗って揺られている間、窓から外を見て楽しんでいたが……ふと気になる人を見つけて視線を向ける。
そこには仲睦まじい様子の男女がいた。
女性は亜麻色の髪をしており、可愛らしい容姿をしている少女だった。男性の方を見ると、金髪碧眼の美少年。
二人はとても楽しそうにしているので、思わず微笑ましく眺めていると――突然、女性がこちらを見たのだ。目が合ってしまい、慌てて逸らす。
(うわぁ、まさか見ていたの気付かれた!? しかもバッチリ目があったよね?)
内心冷や汗を流しながら、そっと女性の様子を窺ったのだが……特に気にしている風はなく、そのまま男性との会話