テラーノベル
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急展開かも
R無し みじかい
「かーッ!!これこれ!」
「おぉ。すげー飲みっぷり」
梅サワーを1口飲む俺の前で出てきたビールジョッキを迷わずグッと流し込んで疲れを吹き飛ばすくらいの大きさで声を出す向かい側にいるおかめ。
呆れるように微笑んで言葉を押し出すとうるさいなぁなんて笑いながら返される
「俺もビール飲もうかなぁ」
「お。頼んどくね」
「のむとはいってな、」
「すみませーん!!」
やっぱ酔いきったこいつは止められないようだ。
頬を赤く染めあげ楽しそうに笑ってるこの顔に合わずして手にはジョッキから出た水が伝って色気を孕んでる。
おかめの指がジョッキに触れ、縁をなぞりながら店員さんへ次々と注文を入れる。次第に俺の目は指からそいつの横顔を追って目がそらせない
「ねー、なにー?」
「え。なにが」
「視線感じまくりなんだけど」
無駄に敏感なこいつはやっぱ目線に気付いたらしい
店員さんの背中を軽く見たあとすぐまた顔を向けられる。わりぃわりぃなんて言いながら反省する気は無い
「ふふ。思ってないって書いとるわ」
「ばれたか。」
いつも笑って話すヤツだが、酔ってると無駄に色気を孕んだ顔で笑われる
いつもは見せない笑顔、ヤってる時にはない顔、自然と出たその上がった口角が堪らなく心に刺さる。
俺のものにしたいなんてぐちゃぐちゃな独占欲が頭を渦巻いて嫌になるな。
「……」
何気ない沈黙が続きじっとおかめが俺を見て口を動かす
「てかはんにゃさー、なんか最近雰囲気違くない?」
「え、そう?」
「うん。違う」
沈黙後に急に核心を突くような言葉を投げ掛けられて心臓が早まる。たしかに、相手がオメガになってから’’そういうの’’はあったかもしれない。でも要因なんて考えたくないって頭がグルグル変に回る感覚だけ残される。
なんで急に。なんで口が対応しない?
「はんにゃ。」
気付いたら机に置いた手は優しく包まれていて
汗がつたり落ちる気分は良いとは言えず、そのまま目をおかめに向けるとそこには
いつになく真剣で、囚われてしまいそうなほどギラりと紫に光る眼の中に閉じ込められる
「そんな、こと…ねぇ、、から。」
歯切れも悪く汗は止まらず心拍数が下がることもなく口も、縫われてしまいそうな程震える
「めぇみて。ちゃんと、逸らそうとしないで?」
親指で手を撫でられゆっくりと言葉を掲げられる
「ちゃんと言葉にして。なんかあるなら言って欲しい」
呪いになるまで優しい言葉がハッキリと、頭へ残る
「わからない、くせに…」
ゆっくりと静かに。聞こえるかも分からない声でそう言うと不思議そうに首を傾げて
ん、ちゃんと、ね。そんな言葉を優しく言う顔にはなんだか慈悲が見えて、偽善なのかも分からない程に俺を見て離しはしない
「…」
狡いだろって言葉を拒まれるから、ふわりとした髪に目を入れて逃げようとすることにした
この無言も、きついから
「言って。般若」
…なんか、苦しいかもしれない。
「っ、、、!」
「なんっっも知らねぇ癖にっ、、!」
あぁ。言ってしまった、前には驚いた様に悲しそうな顔。後悔なのか虚しさなのか、分からないまま、言葉を考えず紡ぐ事にした
コメント
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