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もしも彼女が生きていたら?
そんな考えは儚く散り、私は夜の夜景と寒気を堪能した気分になっていた。
私は罪悪感を抱きしめるかのように、彼女の死体を抱きしめていた。
唯一自分の存在を尊重してくれた彼女。
希望となってくれた彼女。
今までの人生が一変した。
しかしそんな彼女を私はその希望と共に殺してしまった。
初めて本気で愛した彼女の隣を歩いていたのは男だった。
殺意が芽生え、家に帰ってきた彼女の首を手で締めて殺した。
その後スマホを指紋で開けて中身を確認したところ、あの男は弟だった。
一時的な感情で彼女を殺してしまった。
しかし罪悪感はその時抱かなかった。
これで私だけの物になる。
本気でそう思った。
彼女の冷めていく肌を感じ、だんだんと私の愛も冷めていった。
もう思い残すことは何も無い。
「今までありがとね」
彼女を強く抱きしめた。
私は1歩1歩前に進む。
夜景が綺麗だ。
本当ならこの夜景も彼女が生きてるうちに一緒に来たかったな。
叶わぬ願いを夜空につぶやき。
私は重力に従い彼女と共に夜景の空に落ちた。