テラーノベル
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お願いだから、もう、誰も私のことを見ないで欲しい。
「ああ…透明人間になれたら、どれだけいいことか……」
別に死にたくはない。そういう訳じゃない……けど。
人から見られることが、苦しい。
みんなからの、期待と好奇の目が、その目が、たまらなく恐ろしい。
でも、不登校になりたい訳じゃないの…
考えるだけで、頭の中がぐるぐるする。
言葉を出さなきゃ。なんて、わかってるのに。
出ない。声が、出ない。出せない。心臓の音がやけに大きい。震えが止まらない。涙が出てきそう。
もう、嫌。
「透明人間に…なりたい」
もう、誰からも見られないように。意識されないように。
………あれ。
ふと、自分の体を見る。鏡に映るはずの…自分の体を。
…ない。
映って……ない。
透明人間に…なれたんだ。
私、透明人間に……!
やった…やった!
もう、誰からも期待されない。見られない!
失望されることも、軽蔑されることも、笑われることも!
もう、ないんだ!
どこに行こうか…どこでも行ける気がする……!
どこに行っても怒られない!何をしても嫌われない!
もう怯えることはない!
ああ、楽しい…外に行きたい!
夜ってなんでこんなに楽しいんだろう……
このまま…どこか…遠くへ………
「ねぇ君」
…え?
「こんな時間に、1人?親御さんは。というか、どこの学校?」
……ああ
「ダメじゃないか、深夜に未成年が1人なんて。親御さんに連絡するからね。番号と…」
…聞こえない。聞こえない。
「だから…しょ…ごうを…てる?」
……透明人間になんか、なれっこないんだ。
コメント
5件
うわあ…これは、心にズシンときました。最初の「透明人間になりたい」という願いが、叶った瞬間の解放感の描写がすごく生き生きしていて、思わず「よかったね!」って応援したくなったんです。なのに、あの警官の一言で全部ひっくり返されるラストが切なすぎる…。見られることの恐怖、社会の目から逃れられないもどかしさが、たった1話でこれだけ胸に迫るのは、心理描写の巧みさゆえですね。透明になんかなれっこない、という現実の重みが、最後の一文でどっと押し寄せてきました。続き、どうなるんでしょう…いや、この1話で完結としても、すごく深い余韻を残す作品だと思います。
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なつめ
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#心のSOS