コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜の深い闇に包まれた神域の広場。そこに、零と渋谷が向かい合って立っていた。二人の手には巨大な鎌が握られ、殺気があふれている。
零は渋谷を見据えながら不敵に笑う。
「死神同士、どちらが本物か試してみようじゃないか。」
渋谷は冷静そのものだったが、目の奥には鋭い光が宿っている。
「自ら死神なんて名乗るのは気が引けるが、お前を止めるにはこれしかないな。」
零が先に動いた。鎌を一閃すると、空間そのものが裂けるような黒い波動が渋谷に襲いかかる。
渋谷はその一撃を間一髪でかわしながら、鎌を振り返して反撃に出る。渋谷の鎌から放たれる一撃もまた、鋭く地を抉り、零の足元を粉砕した。
「いい動きだな。だが、続くか試してやる。」
零は楽しそうに笑いながら、次々と攻撃を繰り出す。
渋谷も負けじと鎌を振るい、一つ一つの攻撃を寸分の狂いもなく受け止め、切り返す。鎌同士がぶつかり合うたび、鋼の悲鳴が響き渡る。
長時間の攻防で、二人の鎌は次第に削れ始め、ギザギザに欠けていった。
零が疲れを見せず攻め続けるのに対し、渋谷も決して引くことなく応戦する。お互いの間合いが詰まり、ついに二人は互いの鎌を激しく打ち合う形となる。
「渋谷、お前がここまでやるとはな。」
零が呟く。
「当たり前だろ。狩り手は簡単は倒れない。」
渋谷が低く答える。
互いに消耗しきった中、零と渋谷は最後の一撃を繰り出した。
零の鎌が渋谷の肩をかすめ、黒い波動が貫く。一方、渋谷の鎌も零の腹部を深く切り裂き、二人の体が同時に吹き飛ばされた。
零は地面に倒れ込むと、微かに笑みを浮かべた。
「やるじゃないか…渋谷。」
一方、渋谷も苦しげに息を吐きながら倒れた。
「…まだまだ甘いな、零。」
二人とも意識を失い、動かなくなった。周囲には、削れた鎌の破片と、二人の残した爪痕だけが残されていた。