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「ただいまー」
いつもなら返ってくるはずの声が聞こえない。
靴はあるのにリビングに彼の姿はない。
夜ご飯作ってくれるって言ってたのに。
不安になり部屋を探すと寝室でうつ伏せになっている直弥を見つけた。
「なおくん!?大丈夫?」
「ん、あ、颯斗、ごめんもうそんな時間、ご飯」
「どうしたの?疲れてたなら平気だよ、ご飯ウーバーでもしよ?」
「ごめん、ちがう、大丈夫だよ。 」
なおくんの様子は明らかにおかしかった。
元気がないというか、心ここに在らずな状態。
「颯斗、」
なおくんは俺の名前を呼んで手を広げていた。
俺は全てを包み込むようになおくんを抱きしめた。
「颯斗は結婚とかしたいと思わないの?」
「急にどうしたの笑
俺はなおくんと一緒ならどんな形でも良いよ」
「うん、ありがとう」
そう言ってなおくんは覇気のない顔で俺にほほ笑みかけた。
「ねえ玲くん、なんか昨日からなおくんの様子がおかしいんだけどなんか知らない??」
なおくんはまだ心ここに在らずな状態が続いていた。
「うーん、なんだろ。強いていえばだけど昨日ちょっとあいつの話が出たくらい。
でもほんとに少しだけ、名前が出たくらい。」
「また、あいつ、、か笑
なんかずっとぼーっとしてるんだよね。
それに、急に結婚がどうとかいう話してきた。」
「結婚!?なにそれはまた急だね。
なんだろう、俺もちょっと探ってみる。」
「ありがとう」
なおくんがこんなふうになるのは初めてのことでは無い。
毎年、あの人の誕生日は俺のことなど目に入らないくらい心を閉ざしてしまう。
5年経った今でも。
それでも今回はまだそんな時期でもない。
直弥から出た“結婚”という言葉がなんだか引っかかる。
嫌な予感がする。
内容薄いけど筆か進むので一気にあげます!