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今日は色々ありすぎた。


カッポーーン。


もくもくと上がる湯煙。時計は深夜を回っていた。


「数日入ってない気分だぜ…。」


父上、母上、兄上たちの棟には個人の大浴場はそれぞれ存在するが、うん年前に俺のとこにも大浴場建設の話が出ていたが、上層部の大浴場を一時的に貸切にして使うだけで十分だしその浮いたお金を種をとわず国にある、あらゆる孤児院に寄付するよう俺は命令したためにこの棟に俺の専用風呂は存在しない。


「今日は自分のところに所属するメイドが逮捕されるわ、暴れるわ、侵入者が冥龍崇拝する純血冬将軍ドラグナーだわ、とんでもなく濃い一日だったなー。」


リリスはだんまり…か。


龍神族は国家が指定している絶滅危惧種族に指定されている。混血も含めメルティニア全体人口であわせても5%とかなり少なく、龍神族を積極的に保護対象にしているメルティニア外にでれば数は更に少ない。


相当なことがない限り殺処分にはならないが、リリスは血統虚偽で出生は不明。更に国籍も偽装、偽名使用、スパイ容疑がかかっていることが判明した。

極刑は免れているものの、国の財形物を破壊し、数多の同族を死の危険に晒した罪などから極刑の次の次くらいに重い刑を受けることが確定となり、国王の指示により封印付きの独房へ投獄されてしまった。

裁判は一週間後だそう。無言を貫いているらしい。


「(カグヤのことを匂わせておいて)」


あのあと、カグヤが前読んでいた古い書物を王国図書館から探し出した。カグヤははじめから、彼女が純血種で、この国の何かを探ろうと潜入してきた諜報員だとはじめから気がついていたのかもしれない。カグヤは以前からの顔見知りではないと言っていた。ということは下調べでカグヤのことを知ってからリリスは入ってきていたのだ。


「しっかし、ヴァイオレッタがリリスに何をしたかはさっぱりだな…」


何者かがリリスを唆し、誰も知らないはずのカグヤの情報を与えていることは確かだった。


カグヤとの儀式を俺は思い出した。

光に包まれて俺が俺でなくなるような、俺がいなくなるような感覚を今も覚えていて、覚えていない間に誰かを傷つけてしまうのが怖くてあの一件以降から俺は安易に純血種の醒乳を吸おうなんて思えなかった。

しかしリリスが純血種であるならば、何故リリスの醒乳の魔力は気が付かなかったのか。


…俺は自分自身に未熟さを感じる。こんなことを言い出すと、甘ちゃんと言われるかも知れない。

俺に想いを寄せるリリスに同情しているのかもしれないが、リリスを母国に引き渡し、返してやることはできないのだろうか。

俺の意識の中にぼんやりとある〝何か〟が、ずっとそう言ってる。警鐘をならしているのだ。


状況説明に追われるカグヤとムイ、ヴァイオレッタ。

カグヤも何か言えない理由があるのか?



俺は何も知らない。なんなら、まだ自分のことさえも何も………。


「………。」



ちゃぷ…

お湯を両手ですくい顔にばしゃっとかけると、両肘をかけて大きくため息を吐いた。





ふと、湯煙の奥から人影が見える。

「……ん?おーい、今日は俺の貸切…」

もくもくと煙る熱気の奥からうっすらとふさふさの耳が出てきた。

シルエットがだんだん姿を現わす。



その姿にはひどく見覚えがあった。

メガネ。ポニーテール。小麦色の肌。

げぇっ。こいつは………

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