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「フハハハハハハハハ!!!見るが良い!これぞ小野麗尾肉油大焦熱地獄なり!!!」
小野麗尾城の物見櫓から眼下の地下牢でワセリンとオイルを体に塗りたくったバルクさんとゴブリンズに抱き着かれて全身の骨を折られて油まみれになって俯せにグッタリした身体に王王王に着火されて火達磨にされた神橋君の姿が……
「何を言っているし」
はっ!
「ここは何処……!?何故俺は寝ていた……!?はっ!?」
慌てて身体に掛かっていたシーツの中を確認すると、そこには下着だけ纏った俺の体が……
さっき声を掛けてきた露理葉さんをキッ!と睨むと顔を背けて肩を震わせながら、
「この獣(ケダモノ)……!?」
「何を勘違いしているし。アタシはアンタが目を覚ますのを待っていただけだし」
何だと……
「それってつまり」
「何か変な勘違いするなし。アンタが目覚めないとイベント進行できないし」
残念ながらフラグが足りなかったようだ。いつもの事だな!
「済まないけど、決勝戦開始直後から記憶が曖昧なんだ。俺はどうしてこうなっていたんだい?」
それを聞いた露理葉さんは観察するように俺をじっと見つめると……
やめてくれ、その視線は俺に効く。
「何顔赤くしてるし。マモルッチってもしかして童貞?」
「お、俺はど、どどどど童貞だが、確かに正真正銘のまごうことなき童貞だが!!!」
おかしい。最近似たような遣り取りがあったような。
「え~ホント~?」
「彼女いない歴=年齢の清く正しくフツクしき童貞ぞ」
「そこまでは聞いていないんですけど~」
なら君は処女なのかと問い詰めたいが、男女が逆になるとセクハラ扱いになる不条理。
童貞だけが辱められる世の中はどうかとおもうんですよ、ボカァ。
「まぁ、マモルッチの童貞は置いておいて」
振ってきたのは露理葉さんの方だが。
「決勝戦、残念だったね。マモルッチ、神橋君に銃で撃たれたの。顔と喉、最後に口の中を」
ウワァオ、殺意高ァい。ボブ、ビックリ。神橋君、どんだけ俺を殺したかったんだ。
「で、直ぐに決勝戦終了になったけど、小野麗尾君が中々目を覚まさないし、一旦イベント中断してるし」
神橋君のヒーリングと解説の雷さんの召喚モンスターの回復スキルでも即座に目覚める事はなく、肉体的な異常は無かったので医務室にて安静という事になったそうな。
「んじゃ、お待たせしても申し訳ないから早く行こうか!」
「ちょっ!?服!服着ていくし!?」
「そういえば防具ドコー?」
「こっちのロッカーに入っているし!アタシはアンタが目覚めた事を伝えて来るし!」
人を呼んでくる間に着替えておくし!、と言って部屋を出て行った。
彼女は将来、面倒見のいい姉さん女房になるんだろうな、と思った。
そして防具は見事にフェイスガードが割れていた。ちょっと待て。俺はこれから笑顔でヨモツシコメを選ばなきゃならんのだが、
よりにもよって素顔を晒して……!?
なお、神橋君が最速最善の射殺を行わなかった場合、冒頭の地獄絵図が+αして現実化した模様