桃葉side
誰も死ななかった
その嬉しさで私達は話しながらゆっくり体育館へ向かった
瀬梨「明日で最後だよね…よかった…やっと終わるんだ…」
桃葉「よかったです。本当に…」
…帰ったら作品…見せてくださいねと私は呟いた
彼女には聞こえていたのか大きく目を見開いた
瀬梨「その話まだ続いてたんだ…でも…ありがとう!」
0日目にみせた笑顔を彼女は浮かべた
…元気になったようでよかった
ふと隣を見てみると…薫さんが暗い顔をしていた
桃葉「薫さん?どうしました…?」
そう聞くと彼はさっきまでの顔とは一変し、微笑んだ
薫「あっ…えと…少し考え事してて…すみません」
…考え事してただけか…
薫「あの…先に僕体育館行ってパソコンいじってますね」
そう言うと彼は足早に体育館へ向かっていった
梓「…ずいぶん熱心な人ですね。本業だからかもしれませんが」
梓さんは彼の後ろ姿を見ながら呟いた
でも…本当にその通りだと思う。どこかの誰かさんにも見習ってほしいものだ
私はチラッとクロネさんを見ると…
クロネ「なっなんでこっち見るの!?」
あなたに見習ってほしいからですよ!?
霊「でも~僕もみんな優しいと思うよ」
霊「フウリンだってきっと訳ありだよ~」
純粋な子供の目で霊さんは全員を見渡した
梓「…霊、早く行くよ」
誰も彼の言葉に何も返せなかった
…純粋な子供の考えを否定するわけではない。でも…
…そんなことを考えながら私達はゆっくりと体育館に向かった
体育館
体育館に着くと…なぜか懐かしさを感じた
…ここでは授業は起きない…そんな安心感があるからだと思う
薫さんはというと…体育館のステージをテーブルにしてパソコンをいじっているようだ
…でも…寝ているのか…少しぐったりとしているようにも見える
梓「薫さん…お疲れ様です。今はどう…」
梓さんは彼に近寄り顔を覗き見た
梓「み、みな…さん…」
梓さんは真っ青な顔をして私達を振り返った
…え
…なんで…今は授業もしてないし遅刻も…校則違反もしてないはず…
霊「…なんかパソコンに書いてあるよ~」
薫さんを見ないようにして霊さんはパソコンの画面を指差した
そこには…
「この文章を皆さんが読んでいるということは、僕はもうこの世にいないんでしょう
名指しになってしまいますが桃葉さん、すみません。僕はあなたに嘘をつきました
本当はずっと体調が悪かったんです。きっと毒の効果が残っていたか…
無駄話はここまでにして、できる限りパソコンで入手した情報を渡したいと思います
俺と僕の日記に出てきた利雨とリヴは同一人物
タイとリヴ…そして僕の日記の筆者はゲームマスター仲間です。
筆者の名前まではロックされていて見れませんでした。すみません
そして皆さん薄々気付いてるかもしれませんがフウリンは人間ではなくAI
星鐘 湊(ほしがね みなと)という女性によって作られたAIです
といっても…星鐘 湊が彼女の本名ではありません。いわゆる偽名というやつです
でもこのゲームに彼女はあまり関わっていないので詳細は避けます
一番重要なのは副GMの正体です
副GMの名前はタイ…俺の日記の筆者です
フウリンが言っていた通りタイは僕らの中にいます
いえ、今はいなくなったと言った方が正しいでしょう
彼はゲームから脱落することで放送室から安全に僕らを監視していたんです
放送室に鍵がかかっていたのも副GMと接触しないためでしょう
放送室といえば…放送室の中には裏口があり、あそこから出口に繋がっていると思います
いろいろと書いてしまいましたが…副GMは
…文章はここで終わっている
きっと書く前に…
梓「…死ぬ前に情報を落としたかったから…急いで向かったんでしょうか」
梓さんは力なくそう言った
自分のことより彼は短い時間を過ごした人達を優先したんだ
瀬梨「薫…君…」
瀬梨さんはポロポロと泣いている
クロネ「…あの…」
彼は…今言っていいんですかね…と呟く
桃葉「どうしました?」
クロネ「タイ…をローマ字にするとTAI」
クロネ「これを並び替えると…」
続く
コメント
25件
やっぱり薫さんの奴だけ解毒剤じゃなかったんですね😇 副GM知愛さんだったのかぁ…確かにゲーム始まる前に×んだの可哀想だなあとは思ってたけど…。 そういえば、最初の方でタイさんらしき人がキャラ作りすんじゃなかったとか言ってましたよね〜…。
は?はははははははは?(情報量が多すぎて脳がパンクしました)
、、、、なるほどね、、並び替えか、