桃葉side

瀬梨「…知愛君…？」

ついさっきまで泣いていた瀬梨さんが突然泣き止む

瀬梨「でっでも…知愛君がそんなことする理由…」

梓「…犯罪者の思考なんて分かりませんよ」

梓「とにかく…これで副GMの正体は分かりましたし…出口がどこかも分かりました」

霊「でもさ～どうやってフウリンから鍵奪うの～？」

…フウリンはずっと鍵を首に掛けている

不審な行動をすればすぐ銃を打たれて…

フウリン「あら…皆様お揃いで」

桃葉「フウリン…！！！」

フウリン「かわいそうですね。8人もいたのに今はもう5人…いや、まだ多い方ですね」

淡々と言う彼女が不気味で…不気味で仕方なかった

フウリン「あぁでも…これを渡した私も悪かったですね」

彼女はどこからか瓶…解毒剤と書かれたテープが貼られた瓶を取り出し…

テープを剥がした

そこには…

オレンジジュース

…そう書かれていた

フウリン「この瓶を選んでしまった時点で彼の死は決まっていたんですよ」

フウリン「それとも運命を変える…なんてロマンチックなことでも言いますか？」

フウリン「ねぇ？探偵さん？」

…彼は何も言わない…他の人も誰も言わない

いや、何も言えない

運命は変わらない…この数日でそれがよく分かったから…少なくとも私は…

フウリン「…釣れないですね…まぁいいでしょう」

フウリン「…さあ、良い子は寝る時間ですよ。おやすみなさい」

彼女はそれだけ言い残し体育館から消えた

瀬梨「だっ大丈夫…だよ…あと1日で終わりなんだから！」

瀬梨さんは明るい顔を作る…少し震えていた

霊「あと1日で終わるよ～！」

…なんだかんだ…霊さんは私達を励ましてくれていたのかもしれない

…私の勘違いだったら恥ずかしいけど

クロネ「梓さん、少しいいですか」

梓「？…はい」

クロネさん達は何かを話すとどこかへ行ってしまった

…少し羨ましい…と思ってしまった

悩み事かは知らないけど…ああやって頼られるって…

…その思いに私は気付かないフリをして…

桃葉「…瀬梨さん！霊さん！少しお話しましょう…！」

数分後…クロネさん達は帰ってきて、ほぼ全員マットに入った

…あと少しで全てが終わる

そんな希望を抱えながら

…でもこれが終わったらどうなるんだろうか

前みたいに暮らせるんだろうか

…少なくとも…前みたいに暮らせない人達はいる

…その人の後悔を背負って…

幸せな毎日を過ごさなければいけない

…これは誰が何と言おうと…私達に与えられた義務だ

2日目終了

死者

・神崎　薫

続く