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ユダへのおくりもの

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ユダへのおくりもの

2 - 第2話「普通だった人々」

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2022年11月21日

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おはようございます。今日は良い天気。いつも通り歯を磨き、朝食を済ませ服を着る、これらが終われば仕事がはじまる。

私の仕事はおくりもの達の管理をすること。塔の作りは少し複雑。パノプティコンに近いようで少し違う。各部屋は他のおくりものの部屋ではあるが、部屋同士は繋がっていておくりもの達同士の会話などが可能である。何かあればすぐ駆けつけられるように真ん中の管理室と部屋には通路などもある。この建物は慣れなければすぐに迷子になってしまうし、色々とたいへんである。

まずは年齢順でおくりものの様子を見る。

「おはようございます」


「あぁ、おはよう管理人さん。今日は良い天気かい?」

友好的に挨拶を返してくれたのは黄色と白を基調とした服を着て、静かに椅子に腰掛けている少年のレパ。正確には少年の姿をした老人、とでも言うべきだろうか。彼はこのプレゼントボックスができた時から居るそうだ。

バーン!!

「おはよう!!!お兄ちゃん!!かんりにんさん!」

隣の部屋から元気にやってきたのは3年ほど前からこの塔にやってきた少年のヒューゴ。彼は身体が大きく手や目が複数ある異形な姿。だが彼の年齢はまだ8歳。ここは子供までもが入れてしまうのだ。

「まっったく…俺は兄貴じゃねぇって何度言ったら分かるんだ?本当におバカさんだな。」

呆れたように彼は返事した。

「みぇへへ!でもお兄ちゃんはお兄ちゃんだもん!」

明るく話している。ヒューゴは何故かレパさんを”お兄ちゃん”と呼び慕っている。兄弟に似ているのだろうか。彼が普通の人間だった頃の記憶はとても薄い。


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コンコン

誰かがノックした。

「おはようございます、管理人さん。ヒューゴくんとレパは元気そう?」

「暇だからアタシ達も来たわよ〜。他の子達は見る限りだいたい寝てたわ。」

「ご協力ありがとうございます。お2人もお元気そうで」

やってきたのはレパさんの次に長く居るヴァイトさんと、スカビオサさん。どちらもとても美しい容姿をなさっているが、スカビオサさんは呪いで耳からスカビオサを咲かせているし、ヴァイトさんも目と頬に変わった模様が付いていて少し不気味ではある。

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「あ、そういえば管理人さん。入口の方に死体が転がってたけど、、新人さん来るんだっけ?」

「え、特にそのような事は連絡されていませんが…確認してきます。」

スカビオサさんが少し怖いことを言ってきた。新人さんは大体が人間不信で暴れん坊。この塔が怖くて怖くて仕方がないのだろうが、とても困る。野良犬を飼い慣らすような感覚だ。

とにかく急いで入口へ行った。

「………むぅ〜…………みゃ!みゃうみゃう!」

私に気がついて起きてきた。が、特に暴れる様子も怯える様子も無さそうだ。

「貴方が新人さん?ですね…とりあえずお風呂と服とご飯と……まぁ、こちらへ来てください。」

「みぅ〜?」

ダメだ、言葉が通じない。誰かに世話をまかせようか、、今ここにいるのは………あ

「僕がやるさ。きっと君の役に立つよ?それに、なんかこの子、僕と似た匂いがしてる。同族かも」

キラリさんが助けに来てくださった。同じ匂い?少し気になったがキラリさんに任せることにした。

「坊ちゃん。お名前、言える?」

「んぅーん!」

首を横に振った。記憶が無さそうだ。

「じゃあミャオちゃんね!さ、早くお着替えしましょうか。すっぽんぽんじゃ寒いでしょう。」

キラリが手を差し伸べた。

「あい!」

手を握った。キラリさんにははじめから慣れきっている。ほんの少しの違和感を感じるが感じている場合じゃない。予定が狂ってきている。

私は新人のことをキラリさんに任せて他の人の様子を見に行った。

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