〘 📢seed 〙
義弟が来て、ちょうど1ヶ月経った日。
未だに義弟と俺らの関係には大きくヒビが入っていて、双方近づこうとしない。
そしてまた、俺は”違和感”を覚えていた。
あのクソ親父からの暴力行為がないこと。
強いていえば、🎮が少しクソ親父に襲われかけた事。ぐらい。
こんな生活が続けば、どれだけいいか。
想像しただけでも幸せが待っていそうだった。
只、分かっている。
そんな事は……。
いつまでも続かないことを___。
📢「行ってきまーす」
🎼-🍵📢「行ってらっしゃい!」
兄弟に«行ってきます»と言う言葉を置いて俺は学校へと向かった。憂鬱な学校。
なんでか、それは簡単な話だ。
” 虐められているから “
それでも俺は学校へ行く。家と弟達で精一杯な🌸を少しでも困らせない為に我慢する。
俺が我慢、耐えさえすれば、🌸兄の負担は減る。
俺の体は、クソ親父からの暴力で痣だらけだし、そんなことに加えての学校からの虐め。
当たり前の事だが、怪我だらけで、人前に見せれたもんじゃない。
📢(隠すのも大変だな……、)
一人で耐えては腕や体に色を塗る。痣という青色、赤紫色を。
教室の扉を開ける。すると上から水バケツが頭からかかる。
制服、教室の床が濡れて髪からは水滴がポツ、ポツ、と落ちている。
そして、同級生、クラスメイトに嘲笑われる。頭を足で床に押し付けられ、[早く拭けノロマ]などど罵られる。
こんなの何千と耐えたものだから慣れた物。そう思っていてもやはり、何かと苦しさが胸の中に残り、溜まっていく。
取れない傷み。消せれるものならば、どれだけ良かっただろう……(笑)
そんなことを思いながら、濡れた床を拭き、早急に保健室で着替えて教室に戻る。
予鈴と同時に着席する。教科書は荒らされたままだが、別に勉強はできると言えば出来るので大丈夫だろう。
そうして、”また” 地獄の時間が始まる。
ちなみに言うと俺、📢は勉強は出来ない派。
だから授業中。それを逆手に取った奴ら、先生も含めて、俺を重点的に精神で責めてくる。
📢(こんな事をして何が楽しいのだろう)
そう口に出せばなんて言われるか分からない。だから口は開かない。
当てられても、何があろうと口を開かないと決めている。
窓の外を眺め、只々青空の中を過ぎ行く雲を見つめる。形が同じことになることは無く、一つ一つが変わる。
雲を見つめていれば、授業はあっという間に終わり、放課後になる。
📢(また今日も呼ばれた、彼奴らに)
同級生(📢)「お~📢、遅いじゃねぇ”か!」
同級生(📢)「いい度胸してんなぁ”っ”!
ぁ”あ”ん”‘??」
📢「…………」
同級生(📢)「チッ……まっ、今日も”楽しませてもらうな”」
*ドゴッドガッバキッドゴッドコッドカッドゴッ*
同級生の彼奴らに殴られ蹴られ、体の至る所に痛みが生じる。そして強く、鈍る感覚。
今日はいつもより酷かった。
量も、強さも段違い。
そのせいか、あまりの痛みに声を上げてしまい、またそれも彼奴らの興奮材料となって倍増した。
気づいた時には、目の前が真っ暗になり、何も見えない。そうして俺は、意識を手放した。
📢「ん”……ぃ””ッ”」
起き上がろうとした時、強烈な痛みが俺の体に襲いかかる。
只、不思議と違和感が残った。
包帯を巻いていない手には包帯が丁寧に巻かれてあり、保健室のベットに眠らされていた。
その時、急にベットのカーテンが開く。
🍵「あ、起きた……?痛みはどう、?」
彼奴の姿。恐怖があったが、何か言わないと殴られる。そう思い、生きた心地がしないまま返答する。
📢「クソ痛てぇ、」
🍵「そっか、歩けなさそうだったらおんぶするけど……」
📢「大丈夫だわ、歩けr___ 」
足に力を入れ、立とうとした時、ガクン、とその場に倒れる。
俺は、歩けなくなっていた。あまりの久しぶりの痛みに体は動かなくなっていた。
🍵「……やっぱおぶろうか?」
📢「何もしないなら……頼む。」
🍵「分かったよ、ほら乗って」
📢「ぁ、嗚呼……あんがと、」
恐怖感が心に残るまま、 彼奴の言う通りに🍵の背中に乗り、おんぶをしてもらった。
🍵は俺より年下な癖に背は俺より高い。
それがまた、癪に触ったけど。
🍵は帰り道。俺に尋ねた。
🍵「📢ちゃんって、虐められてるの」
📢「………言った所でどうなる、」
🍵「どうにもなんないけど、、少しぐらい頼って、。無理にとは言わないけど(笑)」
そう苦笑しながら、優しい声で俺に言葉をかけた。
そこからというもの、双方口を開かず、家に着いた。
🎮が急いで来てくれて、🎮に肩を貸してもらいやがら、2階へと上がりソファーに腰をかけた。
🎮には適当に理由をつけ、誤魔化した。
何があっても、これは隠し通す。
決めた。決めたんだ。
📢(これ以上……🌸に心配なんてかけさせたくねぇ……っ)
〘 🌸seed 〙
今日は少し、バイトが長引いてしまった。そのせいで、買い物にも遅れてしまったし……帰るのも遅れた。
俺は急いで家に帰り、ドアノブに手をかける。
その時、家の中から鈍い音が、微かに聞こえた。
*パァンッ*
何かを殴る。鈍い音。
俺は急いで靴を脱ぎ、リビングに行くと、殴られたのは、俺の兄弟じゃなく。
彼奴だった───
義母「な”んでこんな”ことも出来ない”の!!?」
🍵「ごめんなさいッ、。」
🌸「義母……さん、?」
義母「あら、🌸くん。おかえりなさい」
🌸「た、ただいま、」
義母「🍵、あんたはさっさと勉強しなさい。」
🍵「はぃッ、、」
義母「はぁ……私はあの人のとこ行くから」
🍵「分かりました、。」
義母さんは2階へ上がって行き、姿を消した。
俺も急いで2階へ上がり、兄弟が居る部屋へと駆け込んだ。
彼奴のことは1度も振り返らず、2階へと上がった。
彼奴があの後どうなろうと、俺は知らない。だって、“怖かったから”
怖くて怖くて、心配すらも出来なかった。
前、彼奴は………俺らのことを心配してくれたのに、。
🌸(とんだ、さいてー野郎だな、俺(笑))
心の中で苦笑しながら、📢🎮👑☂️でご飯を食べ始めた。
📢にはさっきあった事を話しておこうと思う。
もしかしたら、”あの時”のようになってしまうかもしれないから。
ご飯を食べ終わり、皆が就寝した後、📢と2人きりで、話を始めた。
📢「どうだった、🌸」
🌸「簡単に言うと……殴られてた。」
📢「そっ、、か……」
📢の声色が暗くなり、詰まっている。
顔は直視出来ていないが、きっと曇りきってると思う。
🌸「嫌な情報だけど………義母からだった。」
📢「ッ、、そうか……(震)」
🌸「次は俺が守るからね……っ。(抱)」
📢「🌸もッ、無理すんじゃねぇよッ、。」
🌸「ん……」
📢は小刻みに体を揺らしながら、俺の腕の中に収まっている。
見えはしないが、強く拳を握っているのが、俺の服を通して分かる。
📢も……。弟を守るのが必死なはずなのに、俺すらの心配もしてくれる。
本当に…………良い弟を持ったんだな(笑)
📢はその後、疲れ果てたのか、小さな寝息をたてながら、夢の中へと眠りについた。
寝ている📢の頭を少し撫で、下布団に置き、その上に📢を乗せて、布団をかけた。
月の光が、窓から一筋、入り込んでくる。
そして俺の顔を照らした。
まるで、、、
これから何か起こるかのように___
考えただけでも寒気がきた。
俺は怖くなり、布団の中に潜ってギュッ、と目を強く瞑った。
視界は段々と暗くなり、眠気が俺を襲ってくる。
気づけば俺は、暖かな布団の中で、眠っていた。
???「………」
やっぱり、か。
少しぐらい頼ってくれよ……ッ。
???「ッ………」
目覚めた眠気がもう一度俺を襲い、俺も同様に、眠りについた。
6話 不穏な空気_𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
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早く見れなかった… 今回も神すぎて泣きます(?) 続き楽しみに待ってます.ᐟ.ᐟ
めっちゃ面白いです! 続き楽しみにしてます!