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紫織さんって施設育ちなんじゃなかったの?


それに社長の娘って相当お金持ちなんじゃん。

何で紫織さんは社長の娘だってことを黙ってるんだろう。

ていうか施設育ちなんて嘘つくなんてどうゆうつもりなの。

どうしても気になった私は紫織さんに直接会って確認することにした。

勘違いだと嫌だったため、お兄ちゃんには紫織さんと会うことは言わないことにした。

そして私はお兄ちゃんにお願いして連絡先をもらい、紫織さんに連絡して会う約束をした。


ちょっと来るの早かったかな。

約束のカフェに15分前に来てしまい、当然紫織さんもいない。

しばらくすると紫織さんが来た

紫織「ごめんなさい、待ったかな?」

椿「いえ、私もさっき来たので大丈夫ですよ。」

私たちは、ドリンクや軽いスイーツを注文した。

紫織「ところで急に話しがあるから会いたいなんてどうしたの?」

椿「紫織さんって施設育ちなんですよね?」

紫織「うん。」

椿「なんで嘘ついたんですか…。」

紫織「え…いや、嘘なんてついてないんだけど…。」

椿「…っ…私、知ってます!!」

椿「紫織さんが社長の娘でお金持ちだってことを。」

椿「なんで施設育ちなんて嘘ついてお兄ちゃんや私を騙したんですかっ!!」

紫織「私が社長の娘だってこと椿ちゃんに話してないわよね…。」

椿「施設でたまたま職員の人が話してるのを聞いちゃったんです…。」

紫織「そうなのね。なら良ければ私の話しを聞いて。」

すると紫織さんはぽつりぽつりと話し出した。

紫織「私は初めから親が居なかった訳じゃないの。」

紫織「私はとある母親から生まれて弟もいたの。」

紫織「でも経済的な理由で育てることが難しくなった私は施設に入れられ、弟は両親のもとで育ったらしいわ。」

紫織「施設に入ってしばらくすると私を引き取りたいという人たちが来て私をそのまま連れて帰ったの。」

紫織「その引き取った人が社長で私は社長の娘になったの。」

紫織「その時にお養母さんたちが教えてくれたんだけど二人の間になかなか赤ちゃんが出来なかったみたい。」

紫織「それで養子縁組をしたそうよ。」

椿「じゃあ紫織さんの”おかあさん”って…」

紫織「血が繋がってないわ。それに弟のことだってもう覚えてないもん。」

私は困惑した。まさか紫織さんの家庭がそんなだったなんて。

それに私は疑い、責めるようなことをしてしまった。

椿「ごめんなさい…っ!」

椿「私、何も知らないのに疑って責めるようなことをしてしまって…。」

紫織「いいよ、いいよ…笑」

紫織「椿ちゃんは何も知らなかったんだし。それにそんな話聞いたら誰だって疑っちゃうよ。」

落ち着いた口調で私を慰める紫織さん。そんな紫織さんに対し心の奥で何か…こう…。

椿「……紫織さん…お兄ちゃんと別れてください。」

紫織「それはできない。私は陽真のことが好きだから。」

椿「紫織さんは私からお兄ちゃんを奪い取るつもりなんですか…?」

紫織「陽真は椿ちゃんだけのものじゃないのよ。」

紫織「それに私や陽真が誰と付き合ったって個人の自由よ。」

椿「違います…っ…お兄ちゃんは私だけのものなのッ!!!」

椿「だって…だって、じゃないとおかしいじゃないですかっ!」

椿「私はただ普通に、あったかいご飯を食べて学校で友達と楽しく遊んで、お母さんやお父さんにおかえりって言ってもらったりふかふかの布団で寝る。」

椿「ただそんなありふれた日常が欲しかったんです。」

椿「お金持ちになりたいとか海外に行きたいみたいな贅沢じゃなくていいから。」

椿「でもそれは私がいくら望んだって叶わない夢物語…。」

椿「そんな苦しい中お兄ちゃんだけが私の光なの。」

椿「お兄ちゃんがいなくなったら私が生きる意味なんてない。」

私は紫織さんに吐き捨てていくと人目を気にすることもなく店を飛び出した。



陽真「おかえり~、うわっ…」

私は帰ってすぐにお兄ちゃんに抱きついた。

椿「お兄ちゃんは私が好きだよね…?」

椿「これからも一緒に居れるよね…?」

陽真「え…あぁ…。」

お兄ちゃんは訳が分からない。とでも言うように曖昧な返事をした。

椿「ごめん、何でもないから。私、自分の部屋に行ってるから。」



しばらく経って冷静になると私ヤバいやつじゃん…。

椿「嫉妬して八つ当たりなんて子供みたい。」

昼間のことを考えるほど不安になってしまう。

お兄ちゃんに嫌われたらどうしよう。

呆れて二度と私と会ってくれなくなったら…。

私はただ一人、静かな部屋で泣きつかれて寝てしまった。



────翌日

起きると以外にもスッキリしていた。

昨日のこと、紫織さんに謝らないとな。

そんなことを考えながらリビングに向かい、朝食を食べようとした。

椿「おはよ~、お兄ちゃん。」

陽真「ーーー?」

陽真「ーー……。」

お兄ちゃんは電話で誰かと話しているみたいだった。

でも、お兄ちゃんは何か必死になって話してるようだった。

私はまだ知らなかった。この電話が私たちの人生を変えるものだということを─────

お兄ちゃんの恋人になりたい

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