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ena🐱一週間猫化とぶりっ子
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「僕は僕がやる」
現代の医療はすごいもので、治せない病気はないと言われている。だがもちろん、それは嘘だ。確かに多くの人がかかる病気は研究が進められ、対抗策が発見された。しかし、かかる人が滅多にいない奇病と言われるものや心の病気は治せない。使う機会がないものをつくってもメリットはないし、心なんて他人が入り込んでいいものではない。でも、治せない病気にかかる人は一定数いるものだ。人間なのだから。そこで政府は考えた。2種類の患者の問題を一気に解決させる道具を。
それがつくられてから世界は変わってしまった。2種類の患者数は一気に減り、地球中に笑顔が広がった。皆が世界中の人々を救う奇跡の道具だと褒め称えた。でも、僕にはその道具が
周りの奴に自分の意見を言っても可哀想な目を向けられ、なぜそう思うのかと問いただしてくる。、、、なぜかって?普通そう思うだろうが。なんでお前らは、、、あんな道具のどこがいいんだよ!?
どんなに僕が伝えても、誰も共感なんてしてくれなかった。異常とでも言いたげな顔をして大丈夫かと聞く。おかしいのはお前らだ。
周りの人間が全員化け物に見えた。黒いものに覆われた何か。そうなってからは僕の話に共感するどころか、話も聞いてくれなかった。みんな避けるように僕の周りから消えていった。僕も次第に話をしようと思わなくなった。
ある日声をかけられた。久しぶりの人間との会話だった。そいつが言うには僕は病気らしい。治せない心の病気。だから1回病院に行って治療してもらうか考えて来いって。
、、、は?
僕は病気なんかじゃない。おかしくなんてない。お前らが狂ってるからまともな僕が異常に見えるだけだ。何を言っているんだ?この人間は馬鹿なのか?もう少し考えてみろよ。正しいのは僕だ。絶対に病気になんか行かない。治療なんて感謝されたって受けない。
だから丁寧に断った。、、、断ったのに。
気づいたら僕は病院にいた。どうやら寝ている間に連れてこられたらしい。やっぱり人間は狂っている。こんなの誘拐とほぼ一緒じゃないか。とにかくこんな場所にいたくない。逃げ出そうとした。でも、医者や看護師に止められた。力ずくで。そんなとこから逃げれるはずもなく、耳が腐りそうな話を聞くことになった。
「ーーーを使うとご自身で行わなくとも大丈夫になります。更に、お相手の奇病患者さんも助かります。どうでしょうか?」
よくない。他人が助かる?知らねえよ。僕の人生は僕のものだ。みんなもそうだろ?だったらやることは一つだ。目を覚させてやろう。
「ーーーを見せてもらっても?」
「ええいいですよ。ついて来てください。」
「こちらです。」
、、、これが悪魔の道具。
「どうです、すごいでしょう。」
「、、、」
歩く。道具に向かって足を出す。右足、、、左足、、、右足ーーー
「ーーさん!?何を
思いっきりそれを蹴る。久しぶりの激痛。でも気にしている場合じゃない。さっさとこの道具を壊してみんなの目を覚ましてあげないと、、、人間が腐っていく。
ボキッガシャンドンッドゴォンバゴンッ
「ーーさん!やめてください!」
だめだ。これは悪魔の道具なのだから壊してしまわないとーーー
ーーーっ!ここはどこだ。僕はあの道具を壊していたはずじゃ
ジャラ
ーーーはっ?なんだこれ、、、手錠?なんでこんなものが、、、それにここまるで牢屋みた
「気が付いたか」
誰だ?、、、医者と警察?なぜーーー
「あなたは強制的に治療を受けることになりました。治療は明日の9時ごろに始めますのでそれまで牢屋で待っていてください」
はっ?
なんだよそれ、、、そんなの死刑囚と同じじゃないか。
そう思ってからは早かった。どれだけ引っ張っても壊れない手錠を外すために手のひらを折って、通気口を肩の関節を外して通って、残ってる足で外へ出てーーー気が付いたら海にいた。ここは少し前、人がたくさん死ぬ場所として有名だった。海の上にある崖。もう今では耳にすることは無くなった場所。
どうせ死ぬなら、道具なんかに頼らずに自分でーーー
そう思った。その時、僕は足を前に出した。
右足、左足、右足、左足、右足ーーーぴょん
ーーー間違っているのはこの世界だ。
ENDー7 「奇病にならなかった健常者」