結局そんなに寝れなかった
涙で目が腫れる
💙『おはようございます……』
❤️「あ、おはよ〜!」
💙『あれ、目腫れてません?大丈夫ですか?』
❤️「平気!花粉症で…」
嘘に嘘を重ねていく、でも彼は知らない
🖤[おはよう〜]
💙『おはようございます!』
❤️「おはよ」
🖤[練習行くか!]
あぁ…行きたくないな、辛くなっちゃう
でもそれは我儘だよな…仕方ないよな
❤️「うん!あ、でも俺のんびり行きたいわ」
「先行っててもらっていい?」
💙『わかり……ました、』
❤️「いや〜綺麗な場所見つけてさ!」
「間に合うように行くから!ね!」
🖤[……分かった、絶対に来いよ約束な]
❤️「そんな重たい感じで言うなよ!分かったよ」
そう言い2人は出ていった
❤️「…ふぅ…」
少し鼓動が速くなる、息が荒くなる
落ち着けと言うが落ち着かない
きっと体は正直に否定しているんだろう
確かに本音は”行きたくない”だろう
今日、俺の恋は幕を閉じる
期待していたあの時の俺が馬鹿だった
きっつんとの会話をふと思い出す
嘘はついていない
俺はとある日、綺麗な花畑を見つけた
きっつんと行けたらな。なんて思い
記憶していたのを覚えている
❤️「少し行ってみようかな」
______________
❤️「……はぁ」
俺だけの知っている場所
そう、チューリップの花畑
俺は白のチューリップをみている
幼少期、チューリップを育てたのを思い出す
❤️「あのときは無邪気だったな……」
今はキャラとして演じている、
あの頃のような本当の無邪気さはもう無い
❤️「甘い匂い…落ち着くな……」
本当は匂いで落ち着いていたんじゃない
誰も来ないという安心があったんだ
❤️「……もう何もかも忘れたいな」
そっと
俺は目を瞑りみんなとの思い出を振り返る
ふと目が覚める
❤️「やば!今何時!」
練習の時間から少し遅れている
❤️「急げッ…!!」
❤️「ごめんなさい!」
🧡[おせぇよ…]
❤️「花畑で眠ってたら…笑 」
🖤[何かのプリンセスか?お前]
❤️「姫様です☆」
🧡[うわ……]
❤️「泣くぞおい」
ああ、僕は今笑えてますか?
大丈夫ですか?
💙『待ってましたよ…もー』
💙『というかおかめさん!』
きっつんがコソコソと話す
その時おかめが少し顔を赤らめ頷く
ああ、きっと告白だろうな
❤️「兄貴!俺が寝てる間何してた?」
俺はそっと兄貴の方を向き兄貴に話題を振る
🖤[あ?あ〜…あいつ来ねぇって話]
❤️「俺の話かよ笑」
辛い嫌だもう帰りたいな
🖤[よし!ダンスしよ!]
❤️「おけ!」
…やっぱりそうだ
ダンスに力が入らない
もう帰ろうかな…迷惑だよね
💙『なんかミス多くないですか?』
『大丈夫ですか…?』
❤️「わかんない寝起きだからかも!」
❤️「ふぅ…良し!!」
俺は顔を軽く叩き言う
❤️「さて再開するか!」
🖤[よし、今日は終わり!解散!!]
やっと終わった、頑張った俺を褒めてくれ
💙『おかめさん…!』
きっつんがそう言うとおかめは
💜[分かってるよ♪]
と言った
俺は聞き逃さなかったそして見逃さなかった
そっと手をつないて歩く2人を
俺は一人スタジオの隅でうずくまる
❤️「…はぁ、」
胸が痛む
❤️「俺だけ一人じゃん…」
❤️「俺やっぱり片思いこじらせすぎてたな」
❤️「俺も帰ろっと…」
おかしい、帰るつもりだった
またあの花畑に来ている
❤️「あれ…なんでだろう」
なにかわからないがふっと体の力が抜け
その場にしゃがみ込む
❤️「あれ…立てない………」
❤️「疲れたな」
❤️「あ…烏の群れ…夕焼けに混じって綺麗だな」
俺もあんな綺麗な恋してみたかった
どんだけ幸せだったんだろう
今頃なにしてるのかな
俺はそっと目を閉じる
開くことのない瞼を閉じ眠りへと
これに名をつけるなら
「触れることのできない片思い」
❤️「しあわせに…なってね」
夕焼け空と烏
そして綺麗な白のチューリップ
そして一人の男性
きっと幸せに眠っているだろう
これはもう亡き彼の話❤️
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〈意味〉
白いチューリップ: 失われた愛、失恋
烏:日本では死を象徴する