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オーメンズ小説

8 - これに名をつけるなら③

♥

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2025年03月19日

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結局そんなに寝れなかった

涙で目が腫れる

💙『おはようございます……』


❤️「あ、おはよ〜!」


💙『あれ、目腫れてません?大丈夫ですか?』


❤️「平気!花粉症で…」


嘘に嘘を重ねていく、でも彼は知らない


🖤[おはよう〜]


💙『おはようございます!』


❤️「おはよ」


🖤[練習行くか!]


あぁ…行きたくないな、辛くなっちゃう

でもそれは我儘だよな…仕方ないよな



❤️「うん!あ、でも俺のんびり行きたいわ」

「先行っててもらっていい?」


💙『わかり……ました、』


❤️「いや〜綺麗な場所見つけてさ!」

「間に合うように行くから!ね!」


🖤[……分かった、絶対に来いよ約束な]


❤️「そんな重たい感じで言うなよ!分かったよ」


そう言い2人は出ていった


❤️「…ふぅ…」


少し鼓動が速くなる、息が荒くなる

落ち着けと言うが落ち着かない

きっと体は正直に否定しているんだろう

確かに本音は”行きたくない”だろう

今日、俺の恋は幕を閉じる

期待していたあの時の俺が馬鹿だった


きっつんとの会話をふと思い出す

嘘はついていない

俺はとある日、綺麗な花畑を見つけた

きっつんと行けたらな。なんて思い

記憶していたのを覚えている


❤️「少し行ってみようかな」


______________

❤️「……はぁ」


俺だけの知っている場所

そう、チューリップの花畑

俺は白のチューリップをみている

幼少期、チューリップを育てたのを思い出す


❤️「あのときは無邪気だったな……」


今はキャラとして演じている、

あの頃のような本当の無邪気さはもう無い


❤️「甘い匂い…落ち着くな……」


本当は匂いで落ち着いていたんじゃない

誰も来ないという安心があったんだ


❤️「……もう何もかも忘れたいな」


そっと

俺は目を瞑りみんなとの思い出を振り返る









ふと目が覚める

❤️「やば!今何時!」


練習の時間から少し遅れている

❤️「急げッ…!!」



❤️「ごめんなさい!」


🧡[おせぇよ…]


❤️「花畑で眠ってたら…笑 」

🖤[何かのプリンセスか?お前]

❤️「姫様です☆」

🧡[うわ……]

❤️「泣くぞおい」


ああ、僕は今笑えてますか?

大丈夫ですか?


💙『待ってましたよ…もー』


💙『というかおかめさん!』


きっつんがコソコソと話す

その時おかめが少し顔を赤らめ頷く


ああ、きっと告白だろうな


❤️「兄貴!俺が寝てる間何してた?」


俺はそっと兄貴の方を向き兄貴に話題を振る


🖤[あ?あ〜…あいつ来ねぇって話]


❤️「俺の話かよ笑」


辛い嫌だもう帰りたいな


🖤[よし!ダンスしよ!]


❤️「おけ!」






…やっぱりそうだ

ダンスに力が入らない

もう帰ろうかな…迷惑だよね


💙『なんかミス多くないですか?』

『大丈夫ですか…?』


❤️「わかんない寝起きだからかも!」


❤️「ふぅ…良し!!」


俺は顔を軽く叩き言う

❤️「さて再開するか!」










🖤[よし、今日は終わり!解散!!]


やっと終わった、頑張った俺を褒めてくれ



💙『おかめさん…!』


きっつんがそう言うとおかめは


💜[分かってるよ♪]

と言った

俺は聞き逃さなかったそして見逃さなかった

そっと手をつないて歩く2人を


俺は一人スタジオの隅でうずくまる


❤️「…はぁ、」


胸が痛む


❤️「俺だけ一人じゃん…」


❤️「俺やっぱり片思いこじらせすぎてたな」


❤️「俺も帰ろっと…」





おかしい、帰るつもりだった

またあの花畑に来ている


❤️「あれ…なんでだろう」


なにかわからないがふっと体の力が抜け

その場にしゃがみ込む


❤️「あれ…立てない………」


❤️「疲れたな」


❤️「あ…烏の群れ…夕焼けに混じって綺麗だな」


俺もあんな綺麗な恋してみたかった

どんだけ幸せだったんだろう

今頃なにしてるのかな


俺はそっと目を閉じる

開くことのない瞼を閉じ眠りへと



これに名をつけるなら

「触れることのできない片思い」


❤️「しあわせに…なってね」


夕焼け空と烏

そして綺麗な白のチューリップ

そして一人の男性




きっと幸せに眠っているだろう



これはもう亡き彼の話❤️


________________



〈意味〉


白いチューリップ: 失われた愛、失恋


烏:日本では死を象徴する







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